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スワイショウのやり方と効果【気功】

「スワイショウにはどんな効果があるのか?」
「どうして肩こりに効くのか?」

そういった疑問にお答えします。やり方も解説します。この記事を書いている私は気功歴12年です。

スワイショウは、ただ手を前後にブラブラと振るだけの、誰にでもできる簡単な気功法です。スワイショウには、気の流れを良くする以外の効果もあります。

気功に興味が無い人にもおすすめの健康法です。実際の経験を元に執筆します。

スワイショウの効果【気功】

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スワイショウは、立禅・站椿功(タントウコウ)と並ぶ、有名な気功法です。前後に腕を上げ下げして、肩を中心に体を揺することにより、体を緩め血液の流れを良くします。

血液の流れが良くなると気が発生しますので、気道に気の圧力がかかり気道が太くなります。気道が太くなると、体内の気の量が増え、体から出る気の量も増えます。

そして、体内の気の循環も良くなります。スワイショウは、動功という分類の気功であり、ラジオ体操の元になっている気功法でもあります。

スワイショウの効果は他にも複数あります。

①:筋肉のONとOFFのスイッチの切り替えの練習になる

②:血流を改善し健康状態を良くする

③:精神状態を良くする

順番に見ていきます。

①:筋肉のONとOFFのスイッチの切り替えの練習になる

肩こりなどの筋肉のこりというのは、無意識に力が入りっぱなしになっている状態です。つまり、力を入れたり抜いたりするスイッチが、うまく切り替わらずに、ずっとONになっている状態です。

そのせいで、筋肉が緊張したまま固くなっています。そのため、固くなった筋肉が神経を圧迫して、痛みが出ます。

血流が悪くなって筋肉が固くなっているのではなく、筋肉に力が入っていることで血流が悪くなっています。

こっている筋肉は深層筋です。深層筋とは、自分の意志ではコントロール出来ない不随意筋です。不随意筋のコントロールは、脳の無意識の部分で行われています。

姿勢を維持する筋肉であり、不随意筋である深層筋を使い過ぎてしまうと、不随意筋のコントロールが上手くできなくなります。ONとOFFのスイッチの切り替えが、上手くいかなくなります。

力が入っている状態が長く続くことにより、スイッチがONに入りっぱなしになってしまうのです。

ですので、肩こりの人は、寝ているときでも肩に力が入っています。肩の筋肉にアプローチして血流を改善すると、一時的には楽になりますが、根本的な解決にはなりません。

ONとOFFの切り替えの練習をするのが一番です。スワイショウは、腕を持ち上げるときに力を入れ、腕を下げるときに力を抜きます。

力を入れたり、抜いたりするので、ONとOFFの切り替えの練習になります。
脳に、「無駄に力が入ってますよ」と、教えていることになります。

そのため、徐々にこりが治っていきます。こりには、こっている部位を動かすことが有効です。スワイショウだけでなく、肩回しや、ラジオ体操などの、動的ストレッチが効果的です。

②:血流を改善し健康状態を良くする

人間の筋肉で一番こりやすいのは肩です。ですので、「肩が緩めば全身が緩む」と言われています。

肩の筋肉がこっていると、脳に酸素と栄養がうまく送れません。脳の細胞が活き活きとしていないと、本来の力が発揮できないので、人生が上手く行きにくいです。

健康状態が運気に関わります。また、血管はすべて繋がっています。一ヶ所の血流が滞るということは、全身の血流が滞ることになります。

特に肩は大きな筋肉が複数あるので、肩がこっていると身体に大きく影響します。ですので、健康には、全身の血流を良くすることが大切です。

スワイショウは腕を上げたり下げたりするので、肩を中心に全身が揺すられます。振動で、内臓を含め、体全体が揺すられます。

揺することにより筋肉が緩んで、血行が促進されます。血流が良くなると、血液によって全身に酸素と栄養が運ばれます。

そのことによって、脳を含めた身体全体が活性化します。スワイショウで肩の筋肉が緩んで血流が改善されると、体全体の健康状態が改善されます。

③:精神状態を良くする

血流が良くなると、やる気や元気が湧いてきます。さらに、血流が良くなると、気持ち良くなります。

快楽のホルモンである、ドーパミンが分泌されるからです。人はドーパミンを出すために、お酒を飲んだり、甘い物を食べたりします。

適量なら問題ないのですが、過剰に摂取すると体を傷つけてしまいます。スワイショウの様な、体に良い健康法でドーパミンを出すことは、飲み食いを少なくすることに繋がります。

精神で精神をどうにかしようとするのは難しいです。人間の脳は意識が5%、無意識が95%なので、無意識に負けてしまうことが大半です。

そこで、精神(心)と体が繋がっているということを利用します。精神と体は連動しています。体を緩めることで、心を緩めることができます。

体からアプローチするのです。肩は、精神状態が一番反映される場所です。人間は緊張すると、肩に力が入ります。

悩みなどのネガティブな思考は、特に肩に力が入ります。ですから、座禅でも板で肩を叩かれます。

そこで、気分がすぐれない時は、スワイショウを行って肩を中心に全身を緩めます。すると、体だけではなく心の緊張も緩んで、精神状態が改善します。

スワイショウのやり方【気功】

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スワイショウのやり方を解説します。

①:足を肩幅に開いて、自然体で立ちます

②:腕を前に、肩と水平になる高さまで上げます

③:腕を前に上げたら、今度は腕の力を抜いて「ぶら~ん」と下に下げます

②に戻ります

これを無理のない範囲で繰り返します。

順番に見ていきます。

①:足を肩幅に開いて、自然体で立ちます

立って行うことで足の筋肉がポンプになるので、血流が良くなります。ポンプの役目を果たす主役は、第二の心臓と言われているふくらはぎです。

②:腕を前に、肩と水平になる高さまで上げます

腕を上げるときに、背中の広背筋を使って腕を上げます。背中の広背筋は、上半身で一番大きな筋肉です。

広背筋を上手く使えるようになると、楽に腕を動かせるようになります。広背筋を上手く使うには、腕の脱力が必要です。

余談ですが、イチロー選手は「レーザービームを投げるのに大事な事は、脱力だ」と言っていました。「腕の力だけでも速い送球はできるけど、腕に力が入っているとコントロールが定まらない」

「そこで、腕より大きな筋肉の広背筋から腕を動かして、腕の筋肉はフォロースルー、微調整に使う」「だから、広背筋から腕を動かすために、腕の脱力が大事なんだ」と、話されていました。

広背筋を上手く使うことは、それほどに有効なことなのです。繰り返しになりますが、広背筋を上手く使うには、腕の筋肉の脱力が必要です。

腕に力が入ってしまうと、広背筋が働かなくなってしまいます。

肩と水平になる高さまで腕を上げるのがしんどかったら、おへその高さまででも構いません。腕を上げる高さは自由です。

気持ち良く腕を上げ下げして、肩を中心に、体全体を揺らすことが目的です。はじめは難しいですが、何回も繰り返しているうちに上達していきます。

徐々に腕の力が抜けていって、広背筋で腕を上げる感覚が分かってきます。

③:腕を前に上げたら、今度は腕の力を抜いて「ぶら~ん」と下に下げます

腕を肩と水平になる高さまで上げたら、今度は腕の力を抜いて(脱力して)、「ぶら~ん」と下に向かって下げます。重力に身を任せて、腕を「ぶら~ん」と下げます。

脱力して腕を下げるときに、体全体も脱力する気持ちで腕を下げます。脱力の感覚を利用して、全身を緩めます。

腕を下げると、下げる勢いで腕が体の後ろまで行き、その反動でまた腕が前にきます。その力を利用して、また腕を上げていきます。

これを振り子の様に、リズム良く繰り返します。

・スワイショウの種類

スワイショウには、色々な種類があります。けれども、効果はどれもほぼ同じです。ですので、自分の好みで選ぶのが良いと思います。

気道を太くすることを目的として行うのなら、立禅・站椿功(タントウコウ)を行うときの立ち方でやるのが効果的です。

立禅のときの立ち方は、深層筋に負荷をかけて気を発生しやすくする、気功の基本となる立ち方です。

私は、スワイショウは身体を緩めるものとして行っています。自然体の普通の立ち方で、ただ腕を上げ下げしています。

簡単に行うだけでも、体を揺すると血流が良くなり気が発生します。気功としての効果もあります。

ウォーミングアップや体操として行うなら、時間は自由です。しかし、気功として気道を太くすることを目的で行うのなら、一日に10分は行いたいです。

疲れて連続して10分行えない場合は、休憩を挟んで、複数回に分けてやると良いと思います。

まとめ【スワイショウのやり方と効果・気功】

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スワイショウは、腕を振り子の様に振ることで、全身を揺すります。そして、肩を中心に全身の筋肉を緩め、体の血流を良くする気功法です。

血流が良くなると気が発生します。発生した気は、体内の気道に圧力をかけます。そのことにより、気道が太くなり、体内の気の量が増え、気の流れも良くなります。

スワイショウには、その他にも効果があります。
「筋肉のONとOFFのスイッチの切り替えの練習になる」
「血流を改善し健康状態を良くする」
「精神状態を良くする」
という効果があります。

血流を改善して、健康状態や精神状態を良くするというのは、どの健康法にもある効果です。スワイショウならではの効果と言ったら、「筋肉のONとOFFのスイッチの切り替えの練習になる」です。

そのため、スワイショウは肩こりなどの筋肉のコリに対して、大きな効果を発揮します。


スワイショウには色々な種類がありますが、効果に大差はありません。たまに言われている、「神がかり的な効果」「奇跡を呼ぶ効果」は、どのスワイショウにもありません。

冷静に観れば分かりますが、やっている事はラジオ体操と大差ありません。ですので、好きなスワイショウを選ぶのが良いと思います。

極めると、不随意筋も動かせるようになります。気功師以外でも、長年体の感覚を磨いているダンスの先生や、武道の先生にも動かせる人を見たことがあります。

何で動かせるようになるのかは、私もイマイチ理解できていません。

いずれにせよ、不随意筋をコントロールできるようになるには、長い練習時間が必要です。それまで待っていられません。

ですので、筋肉のこりには、こっている部分を動かすことが有効です。スワイショウや肩回し、ラジオ体操などの動的ストレッチが効果的です。

スワイショウは、手軽にできる健康法です。運動前のウォーミングアップや、隙間時間でのリフレッシュ法として、利用していただければと思います。

有料記事 ・気功のやり方【独学】初心者から極めるまで

最後まで読んでいただき、ありがとうございます(^人^)  感謝致します。