青学にどうしたら箱根勝てるのか

今回は考察を兼ねて。

今回、圧倒的な強さを見せつけた青山学院。
なんと2位に10分51秒の差をつけての圧勝。

91回大会、青学が初優勝してから過去8大会優勝6回。そのうち7回が復路優勝。

自分が思っている青学の勝ちパターン、来季、青学に果たして勝てるチームは出てくるのか、そういったことを含め自分なりに考えて見ました。

・青学の勝ちパターンについて

①3区終了時点で先頭もしくは先頭で見える位置に立っている
91回に初優勝したときは山の神が出たので置いといて、それ以外はほぼ3区終了時点で先頭付近にいます。実際今年も3区で先頭立ってます。私はその時点で今回青学優勝を確信しました。実際、先頭に立ってないのは91回、94回、97回の3回のみ。ただ、94回大会は2位なんでもう事実上先頭付近。あとは3区のどこかで先頭に立ってます。これが青学の勝ちパターンだと思っています。

②往路優勝をする→総合優勝をする
青学が往路優勝したときは、91回〜93回、そして96回、98回。5回とも総合優勝果たしているんです。唯一往路優勝してないのに総合優勝したのは1回だけ。しかもその時も2位でしたし、トップと30秒差程度なので先頭が捉えられる位置にはいたんですよね(あの年は逆に往路優勝したところがおかしいレベル)。だから往路優勝しちゃうと復路成績はもう言うまでもないですからそりゃ勝ちますよねと。

③復路、特に6区〜8区の安定感
青学の最大の強みは私は6区〜8区にあると思っていて、原監督の凄いところは学生連合で出た頃を含めて山下りの人選がうまい=復路スタートで失敗しないということ。6区から8区で区間2桁は8大会中24回中1度のみ。しかもほぼ区間3位以内で来てますから。あとは区間記録が狙える人、他大学では往路で使う人を復路で使える。そこも青学の強さです。
今回の大会では6区〜8区も勿論凄かったですが9区10区が異常でしたね。区間記録を1分以上更新。それくらいの人材がおけるのも青学の強みです。

①〜③を踏まえてじゃあどうすれば青学に勝てるのか

・打倒青学対処法
理想は95回箱根駅伝のような戦い方
私はこれしかないと思ってます。もしくは青学自ら自爆するか(97回のような感じ)。
95回大会は青学は準優勝。それでは95回大会の箱根を分析していきましょうか。

95回箱根駅伝の構想
この年は3強が非常に分かりやすい構図。出雲、全日本を制した青学、黄金世代が3年生のときの東海、94回大会に1年生3人で往路完全優勝を果たした東洋。この3つ。
ざっと振り返ると1区は3つともほぼ互角、2区で若干東洋が前にたち、3区で青学が前に、4区で東洋が破格して青学の芽を潰しそのまま往路優勝。復路は東洋が先頭走るも8区終盤で選手層厚い東海が先頭にたち、青学の猛追を逃げ切りそのまま東海が初優勝果たしましたと。

この展開から青学を倒すのに必要なこと

(1)1校では太刀打ちできない
1校だけで倒すのは到底無理ゲー。94回で東洋が往路優勝しましたが、青学より前にいたチームは1チームだけで6区の途中で抜かれてピクニックラン。95回大会のときは前に5ついた(このときの青学は往路6位)ので。
ほんでこのとき、東洋は青学が3区でくる、4区に隙があるのではないかと潰しにいったわけです。東海も実際4区に主力を置いてきた。青学は当時、3区で先頭に立てたら自分の展開に持ち込めると思っていたがために想定外のことが起きたわけです。そこ4区で潰しに潰して離せるだけ離した。ただ、東洋も潰しにいった分、復路に駒がそんなに残っていなかった、その時、黄金世代と言われた東海の3年生達が選手層の厚さを見せつけて東海が総合優勝果たした。この勝利は2つの大学が力を合わせて勝利をもぎ取ったと私は思っています。

(2)往路でいかに貯金を作るか
95回大会は青学は往路優勝チームに約5分半、97回のときは約7分半離れています。97回大会は2位東洋、3位駒澤も約5分離れていました。それだけの差がないと青学復路猛追大会始まっちゃいますから。だからこそ往路でいかに離せるかっていうのが大事になってきます。非常に混戦だけど。

じゃあ来季本気で青学を倒そうと思うと
(こっから来季の展望に入ります。3年以下の戦力、今年の箱根駅伝の結果から見て思うことも入ります)

★1 青学を往路で潰す大学、選手層の厚さを活かして勝てる大学を見つける
 まずは往路で潰せる大学を見つけること
往路を青学で潰そうと思うと1区〜3区4区までに青学以上の大砲がほしいところ。そうなると1番手はイェゴンヴィンセント選手を筆頭とする東京国際、あとは万全で挑める1区〜3区の3本柱が控える駒澤、鬼門の1区2区を制したら順天堂の3つになるのではと思っています。1区で青学の近くで渡し、2区3区で抜けられそうな東洋もありかもです。この4つでとにかく青学を潰せるだけ潰す、そう簡単に青学に勝たせない往路の爆発力が必要になるんじゃないかなと考えています。
選手層での厚さを活かして勝てそうなのは現段階では万全な駒澤しかいないと思っています。来季の間に順天堂や東洋、あとは中央あたりができるといいんですがちょっと厳しいかな…。駒澤の現2年生(新3年生)がどこまで青学の選手層に匹敵する走りができるか、あとは駒澤も青学の前で走ることですね。先頭は先導者もあり風よけになるため非常に走りやすいとされています。それを活かして勝つしかないですね。

2 青学に直近8年で箱根に勝利した大学がそれを活かした戦いができるか
 青学にここ8年で勝った大学は95回の東海、97回大会の駒澤、創価、東洋しかいません。それくらい青学が箱根無双状態になっています。キーマンは来季も恐らく青学とほぼ互角に戦えるであろう駒澤、なんやかんや箱根は毎年必ずと言っていいほど上位にくる東洋。2人の名将がどうやって青学を倒すのか。個人的にはこの2人の監督に期待しています。特に酒井監督は1回青学を潰した経験ありますからね。そして来季駒澤と匹敵しそうな順天堂、爆発力のある東京国際が青学よりどれだけ先行して走れるか。大志田監督も地味にキーマンだと思っています。面白くて不気味なオーダー組む監督さんですからね。
来季は青学に加え、今年の2位〜5位の監督と選手中心の戦いになるとは思います。他のチームも戦国駅伝ですからね。今回たまたまこの順位になっただけで、私個人的には東海と中央は来年結構くると思っています。創価や國學院、帝京なんかも近年安定した結果出してますし、どこが上位に来てもおかしくないですが、箱根で対青学になるとワンランクツーランクレベルアップが必要かなと。
それ以外だと箱根で青学に勝つためには青学の自滅以外は考えられません。

★3 万全かつチームの余裕度もある程度必要
今回の箱根で新たに気づいたこと。まず、万全挑むことができるかが大きなポイント。これなしでは勝てないなと。これは青学にも言えますが万全に組めて初めて優勝争いのスタートラインに立てそう。なんやかんや今回オーダー見てて万全でないチームが昨年以上に多かった印象があったので。あとはチームに余裕を持つこと。今回でいい例で上げるとするならば青学の選手層だったり、東洋の石田くんを使わなくてもなんやかんや上位食い込めたりっていうチームとしてのある程度の余裕が必要かなと個人的に思いました。無理して怪我人を使わせるより精神的なチームの余裕度も来季からポイントになってきそうな気がします。さらにいうと、青学以外は区間2桁があったのでいかにミスを防ぐか、2桁でも前半に収めるというのが大きなポイントになってきそう。

長々と書いてきましたが、今の箱根駅伝は青学が本当に強いです。原監督も凄く箱根駅伝にかけてますし、当たり前のように大会新記録連発しています。それで他校も、ものすごくレベルアップしていて今年、遂に11時間切りでもシードがとれないという恐ろしいことがおきています。今まで11時間切りでも凄いとか言われていたのに(ちなみに史上初11時間切りをしたのが2011年、10年後は11時間切っても予選会という恐ろしい高速化)。

来年青学がまた箱根駅伝で無双してしまうのか。私はそれをなんとしてもストップさせる大学が出てきてほしいところですが。やはり1強じゃあ面白くないですからね。それも含めて来年はどのようなタイムが出るのか。それも期待しながらみたいなって思います。

結論、箱根で勝つって相当難しい。

p.s.全日本大学駅伝はちょっとこれの駒澤バージョンになりつつありますが…笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?