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ファシリテーター日記(24)_鮮度や集中力を保ったまま学生が作品を上演できるように

7月のワークショップ現場を遡って記載。
これまでの日記はワークショップ実施当日から1週間以内に書いていたのだが、7月から生来のなまけ心に飲み込まれてそのままにしてしまった。
今年度いっぱいは日々のワークショップ現場における自分のファシリテーションについてとにかく書いて、書ききったところに何か見えてくることもあろうと考えていたのだ。”Later better than never.”と自分に言い聞かせ、2か月も前の話だが記録と記憶をもとに記してゆく。

7月第1週某日、大学での授業


私自身、7月になってかなり大学での授業をリラックスして実施できるようになっているのを感じる。
体に力が入りすぎないのか、あまり疲れないのだ。
今日もリラックスしつつ、情報を伝える身体と化すことを意識する。

2限は、戯曲を分析し登場人物の背景を理解した上で、ごく短い場面を演じるというもの。1週目はまず戯曲分析と稽古、2週目は稽古と発表その1、そして今週は発表その2である。
ありがたいことに多数の学生が履修してくれているが、なんとか一方的な講義でなくワークショップ形式で授業を進行している。しかしグループワークをやっていても、全てのグループに発表をしてもらおうと思うと、どうしても発表だけの時間が長くなったり、発表を2週に分けて実施せざるを得なくなる。
前回の発表が非常に良かったので今回も、と期待していたが、なんとなく学生(おそらく発表が終わった学生)の中から「飽き」のような空気が漏れ出すのを感じる。やはり演劇の発表をするには鮮度や集中力が必要なのだ。
大学の授業で大人数なのだから仕方ないと割り切らずに、鮮度や集中力を保ったまま学生が作品を上演できるように授業テンポをデザインする必要があることを痛感した。
例えば、全員・全チーム舞台の上に乗ることを選択したが、有志や指名したグループのみいくつか上演する、という形もあっただろう。そうすれば、全員上演することはできないが、上演に対する集中力は確実に上がるはずだ。


3限は応用演劇について割としっかりめに講義。
その後にすぐに応用演劇(今回はフォーラムシアター)を実践しても良いのだが、「応用演劇を実施する場合の課題」について議論をしてもらう。
ここまでの授業から、「演劇は教育や社会課題解決の手段として活用できるのではないか」という感覚が学生の中から出てきているが、きちんとその課題や危険性についても議論する、という狙い。かなり充実した議論が行われて、安心した。
いよいよ次回からフォーラムシアターの実施である。



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