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オリジナル小説「違法の告白」ショートショートnote杯

「君が好きなんだ。付き合ってください!」

西暦2xxx年。少子化の影響で同姓の恋愛は禁じられ、処罰の対象となった。
けれど、好きになったのは同じ部活の格好良い男子だった。

「罰則知ってるだろ。わかってて何で告白してきたわけ?」
「気持ちを伝えないまま君が誰かの物になったら、死んでも死にきれないから」

同性愛が違法なのはわかっている。けれど、この気持ちを押し殺すことはできなかった。
彼はしばらく考えてから、決心したように目を見て話し始めた。

「………わかった。付き合ってやる。幸い、身体はまだいじってないからな」

その日、不敵に笑う彼がトランスジェンダーで、女性でありながら男として学校に通っていたのを初めて知った。
そして、そんな彼は今、穏やかな顔で隣にいる。
自分の身体に愚痴をこぼしつつ、出会った時と同じ、男として格好良いままで。


#ショートショートnote杯

同性愛は禁止された世界だけど、身体が女性なら例え男の格好をしていても罰せられない世界の話。
よく勘違いされて職質受けるけど、身分証見せて回避してる二人でした。

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