レントゲンの考え方


レントゲンは好きですか?楽しみながらレントゲンを撮って、読んでいますか?
ワクワクしながらレントゲン読影していますか?

はっきり言ってレントゲンで診断できることなんてほとんどないです。レントゲンで言えることは沢山あってそんなにないです。

僕はなにを言っているんですかね笑笑
このコラムを読んでレントゲンが読めるようになるテクニックはほとんどないと思います。
だけどレントゲンを楽しめるようになるコツは沢山あると思っています。
ひょっとすると、レントゲンが楽しめるようになれば、レントゲンが読めるようになっているかもしれません。とちょっと期待をさせてみました笑笑

ただ、僕なりにレントゲンについての考え方をまとめてみました。

まだまだ勉強中の身ですが、マスターたちから学ぶ中で身につけたもの、自分なりに考察したことをお伝えして、皆さんの日々の診療が楽しくなってレントゲンって楽しいって思ってもらえたらいいなぁと思います。

ではまず、レントゲンがうまく読めない理由はなんなんでしょうか?

僕なりに考えたレントゲンがうまく読めない理由


・目的が整理できてないから、なにに注目したらいいのかわかっていない
・読影できる画像じゃない
・所見なのか解釈なのか整理できていない
・鑑別に上げた疾患を理解していない
・レントゲンでわかることとわからないことがわかっていない

これらがレントゲンの読影を難しいもの、場合によっては価値のないものにしてしまっているではないかと考えています。

今あげた理由それぞれみなさんは思い当たる節はありますか?

一つ目の

目的が整理できてないから、なにに注目したらいいのかわかっていない


ことについてです。

例えば、

下部気道性を疑う咳をしています。
となった時に、胸部のレントゲン
場合によっては、吸気呼気で
とレントゲンを撮って

肺野を見ようと考えることが多いと思います。

ただ、もう一つ進んで、
下部気道性の咳をしているとしたら
原因はどこにあるのでしょうか?

ざっくり肺野では少したりませんね
では、下部気道では咳の原因になるものを考えます。(呼吸器の専門家ではないので、若干間違っているかもしれませんが、考え方を知って欲しいだけです)

そうなると
気道、肺、胸壁に原因がある可能性が高いよですよね。
さらに、
気道に関して、
・気道を外から押されて
・気道そのものに原因があって
・気道の中に何かあって

と考えられます。

そうなってくると
気道の外から押されるとするのであれば何が押してくるのか、
前縦隔による腹側からの圧迫、心臓特に左心房による圧迫

と考えられますね。

そうなってくると
レントゲンで注目すべき場所は
腹側の前縦隔と左心房ですよね?
じゃあこれらの臓器はどういうレントゲン像として、どういう撮影方法をしたら見えてきますか?
そして、レントゲン上では、どこに位置していて、通常であればどういった見え方をするのか
どういった見え方をしていると異常な可能性があるんでしょうか?

ここから先は

10,398字

¥ 2,500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?