スタートアップ企業若手中間管理職

私はサービス業をしている。
学生アルバイトからずっと同じ業種だ。

今から約10年前、私は20代前半で管理職となった。それまでアルバイト→契約社員の経験しかなかったのに。

大学卒業後、アルバイト先にそのまま就職した。
契約社員から正社員になる様なやる気もなく、なんとなく会社の業績が悪くなったのを察して退職した。
今考えると、とても自分に合った良い会社だったのに!!

そして、働きもせず実家でボーっと過ごす事に飽きた頃、出来たてホヤホヤのとある会社で経験を活かさないかと誘われた。大した経験もないのに。

何度も何度も誘われて、とりあえず働く気力が湧いた私が入社すると、その会社は社長、現場の長(マスター)、私の3人だけだった。

そこからは、がむしゃらに働いた。とにかく人数が必要でマスターがどこからともなく人を集めてきた。
なんにもルールがなく、知識もない中で自分よりも経験のない人たちと働く日々。
中々に辛かった。

そして気が付いたら、半年程で役職を与えられた。責任があることが面倒で、出来れば断りたかったが、本当に人手が足りていなかったので、やるしかなかった。

でも大卒でフラフラと働いていた小娘には人のマネジメントなんてものは到底できなかった。
歳上の部下を抱え、取引先と上司の仲も険悪で、それを取り持つ世渡りの術も当時はなかったのだ。
管理職らしく様々な板挟みに合い、ついにそのイライラを部下にぶつけてしまった。
そんな未熟な自分に嫌気がさした。

ストレスは発散しなければいけないけれど、人を巻き込んではいけない。

不真面目に働いていた女性に強く注意をした。彼女はいわゆるお局的な立場だった。
自分でも言い方がキツかったと思ったが、それまで募っていた不満が爆発して言葉に収拾がつかなかった。

翌日から、予想通りほぼ全員に無視されるようになった。
お局はこういった根回しは早い。

仕事にならなくなった。誰も私とコミュニケーションをとらなくなったのだ。

幸いなことにマスターは同情してくれたが、自分は巻き込まれたくないと助けてはくれず。
その時の未熟な自分には、責任を取る為に自主退職をするしかなかった。

当たり前にすぐには辞められず、引き継ぎを必死にして、力不足を詫びて退職をした。
コミュニケーションをとる仕事なのに、自らコミュニケーション方法を誤り、仕事が出来なくなったのだ。仲間を失い、仕事を失ったのだ。

これが私の失敗経験だ。

そこからは、とにかく相手の気持ちを考えて話すよう常に頭を働かせた。

もちろんこちらの意思表示も仕事では必要なので、相手の顔色を伺って話すわけではない。
対等な関係を築くことが目的である。

若くして信頼を失ったことで、人間関係の構築方法を人一倍考える力がついた。

それでも今、コミュニケーションに対して自信があるわけではない。

口は災いのもと。

今の私は本当に失敗を活かせているのだろうか。

常に自問自答しながら、人間関係をつくる日々だ。

変わらない関係性はない。

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