アルトラ(VIVE Ultimate Tracker)って実際どうなの?
こんにちは。きくじんです。
みなさんVIVE Ultimate Trackerってご存知ですか?新型トラッカーだけどそんなに話題になっていない気がしますが、気のせいでしょうか?今回はこの子を買って色々試してみたので、そのレビューです。
まだ購入から日が浅いので、情報にアップデートがあれば更新していくつもりです。
(最終更新:2024.03.31)
VIVE Ultimate Trackerってなに?
VIVE Ultimate Tracker(長いので、この記事では通称としてアルトラとよびます。)とは、HTCから数ヶ月前(2023年11月29日)に発売された、新型のモーショントラッカーです。
特徴はなんといっても、内蔵したカメラでトラッキングする、いわゆるインサイドアウト方式を採用していることです。つまり、Meta QuestやPicoのようなHMDと同じ方式を小型のトラッカーで実現しています。
これにより、ベースステーション無しで高精度のトラッキングが期待されます。
お値段はトラッカー3つ+ドングル1つのセットで91,900円です。単品の場合は1つ31,000円、ドングル単品は6,100円です。
(↓公式リンク)
発売からしばらくはHTC製ヘッドセット専用(実質、VIVE XR Elite専用)でしたが、2024年2月1日に、ついにPCVR対応のopen Betaが開始されました。
Beta開始直後はトラブルも色々あったようですが、2024年3月31日現在はほぼ普通に使えるようになっています。基本的に Steam VR対応のヘッドセットならなんでも使えます。
私の自己紹介
まず、レビューの前提として、私のフルトラ歴について説明しておきます。
使ったことある機材:
HaritoraX 1.0
VIVEトラッカー 3.0
Tundraトラッカー
(ベースステーション1.0 ×2)
検証環境:
HMD:Meta Quest 3
接続方法:Virtual Desktop
IMU(加速度センサ)方式もアウトサイドインのLighthouseもどちらも使用経験があります。
今回購入した理由としては、Lighthouseからの乗り換え候補です。
なぜか私の自宅環境では、電波のせいか赤外線反射のせいなのか分かりませんが、Lighthouse が安定しませんでした。腰飛びがよく起こり、解決できませんでした。
使っているベースステーションも1.0なので、増設するならベースステーション2.0を3台も買わないといけません。
そこで、アルトラなら理論上腰が飛びづらくなり、さらにシステムもシンプルになって良いんじゃないか、ということに期待して買いました。
なお、VIVEトラッカーというとイマイチどっちのことを指してるのかよくわからないので、以降では既存のVIVEトラッカーはLighthouseやLighthouse式VIVEトラッカーなどと呼ぶことにします。ハリトラやユニモーションなどはIMU式と呼びます。
注意事項
アルトラことVIVE Ultimate TrackerのPCVR対応はまだBeta版です。今後の正式リリースまでに色々と変更される場合があります。あくまでも、これは現時点でのレビューです。
で、実際どうなん?
Lighthouse代替として、悪くないです。まだまだ安定性など課題はありますが、少なくとも動きはとても良いです。
追従性
素晴らしいです。Lighthouseと比べても、遜色ないです。IMU式は明らかに精度が劣り、追従も遅いので没入感にかなり差がありますが、アルトラは Lighthouseと同等です。文句ないです。素晴らしい。もちろん、IMU式につきもののドリフトも皆無です。
安定性(トラッキングロストのしにくさ)
トラッキングの安定性については、Lighthouseより劣ります。
それぞれ得意とするシチュエーションが異なるので平等な比較が難しいですが、例を挙げると、壁の近くや、明るさの足りない環境は苦手です。Lighthouseでは飛んでいないだろう状況で飛ぶことがありますが、逆にLighthouseより飛びづらい時もあります。
一長一短というところもありますが、やはり比較するときちんとセットアップされたLighthouseには及ばないと思います。
また、単なるトラッキング飛び以上のネガティブ要素としては、トラッカー(特に腰)が微振動する、ロストしたトラッカーが位置を再認識できない、という現象がたびたび発生しています。
安定性に改善の余地があり、トラッカーのリセットが必要になる場面があるところが難点です。
ただし、これらは部屋の環境やセットアップで改善する可能性があります。
また、PCVRはBeta中でもあるので、今後のアップデートで改善する可能性もあります。
私の環境ではLighthouseの腰が非常によく飛んでいた、というのはありますが、それにしても腰は本当に飛びづらく、この点は素晴らしいです。
初期セットアップについて
初期セットアップは、やや面倒くさいです。
手順としてはそこまで難しいことはないのですが、最初に部屋をスキャンする必要があります。1つのトラッカーで、部屋の4面を、それぞれ上下と左右にトラッカーを動かしながらスキャンしないといけません。しかも、このとき作成されるマップ情報がトラッキング精度にモロに影響してくるので、重要です。やることは単純ですが、結構時間がかかります。
しかし、Lighthouseでのドングル1つずつのペアリングや、ベースステーション設置の手間、そもそも非 Lighthouse HMD環境での公式セットアップ手順がない点などを考えると、詰まる箇所、罠がないという意味でLighthouseよりはマシだと感じました。
セットアップ手順はしっかりまとまっているので、基本的に公式の手順に従っていればOKです。
Beta開始当初はセットアップが完了しないなどのトラブルが報告されていましたが、現在はおおむねトラブルも出尽くした感があります。対処法も公式Discordにきっちりまとまっている上、アップデートで修正もされているので、Betaとはいえかなり“普通に使える”レベルにきていると思います。
なお、面倒な部屋スキャンの手順を簡略化することは計画されているようです。
日常のセットアップについて
安定性に難があるのがストレスです。それが改善すれば、悪くないと思います。
日常的に少ない手間で使えるか、というのは普段使いの上で非常に重要です。
この点で言うとLighthouseは最強で、トラッカー(とベースステーション)の電源を入れる以外何もする必要性がありません。Questなど非LighthouseのHMDではスペースキャリブレーションが必要となりますが、頭にトラッカーをつけることで自動化できます。
アルトラはどうかというと、
VIVE Streaming Hubを起動する必要がある
最初の部屋認識がすんなりいかない時がある
と言う点がマイナスです。
HMDがLighthouse対応でもスペースキャリブレーションが必須、という点もありますが、これはQuestなど非LighthouseのHMDを使っていれば同じことなので省きます。頭にトラッカーをつけて自動キャリブレーションが可能な点も同じです。
1つ目、外部ソフトが必要でSteamだけで完結しない、と言うのは少々めんどくさいです。もっとも、HaritoraXやUni-motionなど、Lighthouse以外全部と同じ条件ではあります。
2つ目が少々厄介で、Lighthouseのトラッカーでは電源さえ入れたら勝手に位置を認識してくれるのですが、アルトラは分かりやすく手に持って掲げたりして部屋をしっかり見せてあげないとトラッキング状態にならないことがあります。
最初にセットアップした時はここで苦戦し、ついには全く部屋を認識しなくなってしまいましたが、最終的にリセットして部屋のマッピングからやり直したらすぐに認識するようになりました。
このあたりは部屋の環境とセットアップ(とくに、最初のマップ作成)でかなり差がありそうです。ただ、セットアップし直してもリセットしないと認識しないトラッカーが出たりしているので、起動してすぐ使えるというLighthouseの信頼性と楽さには敵いません。
なお、IMU式のトラッカーと比べると、トラッカーを最低5個身体につける必要があるところが、3つで済むのでその点は楽になります。膝トラッカーまでつけるなら一緒ですが。
いいところ
なんだかデメリットばかりたくさん挙げている気がしますが、いいところももちろんあります。
お腹につけても腰が飛ばない!!!!!
腰飛びにつよいのは明確にアルトラのメリットです。しかも背中ではなくお腹側につけても全然飛ばないので、椅子に座ったり寝転がったりも気にせずできます。
システムとして超シンプル
Lighthouseではベースステーションを設置する必要がある、というハードルがあります。また、ドングルもトラッカー1個あたり1つなので、USBハブで分岐して大量のドングルを生やす必要がありました。バスパワーだと電力不足の可能性があるので、USBハブの電源も取る必要があります。勿論ベースステーションの電源も必要で、さらに設置のためのポールを立てたりカーテルレールに固定してみたり、設置だけで色々と工夫が必要な場合が多いです。
一方アルトラは、PCにドングルを一つ繋ぐだけです。USB一本で済みます。圧倒的にシンプルで簡単です。
私はケーブル嫌いなのでこれだけでもアルトラにしたくなります。
Lighthouse同等の高精度低遅延
これは特別他より優れている部分ではありませんが、現状トラッキング精度では Lighthouseがずば抜けていて、ハリトラなどIMU方式は大きく劣っていました。アルトラは Lighthouseと同等の精度を実現しているため、Lighthouseの対抗馬となることができます。特にQuestなど非LighthouseのHMDを使っているユーザーからすれば、この選択肢がある意味は大きいです。
ベースステーションの位置を意識する必要がない
Lighthouse方式では、外からの赤外線で認識している関係で、どうしてもベーステーションからの向きを意識する必要があります。ベースステーション4台10万円のパワーで殴って解決する方法もありますが、基本的には座ったり寝転がったりさまざまな姿勢をとろうとすると、ベースステーションからの視界に入るよう、意識する必要があります。
一方アルトラはトラッカー側にカメラがついているので、比較的「上手くトラッキングされる動き」を意識せずに済みます。もっとも、この点で言えばIMU方式が一番ストレスがないので、中間くらい、ではあります。
Streaming Hubから電源オフができる
細かい部分ですが、ちょっと便利です。
日常のセットアップの項で、SteamVR以外にVIVE Streaming Hubが必要な点がマイナス、と書きましたが、逆に良いこともあります。
Streaming Hubから個別のトラッカーに対して電源のオフ、あるいは一括で電源オフができます。これはSteamVRとは独立しているので、なにかトラブルが起きてSteamVRを再起動したりしても、再度トラッカー電源を入れ直したりする必要がありません。VRChatプレイ中にフルトラから3点トラッキングに移行したい時も、Streaming Hubから一括電源オフすればOKです。
デメリットと苦手なこと
重い(物理)
重量は各種高精度トラッカーの中でも一番重いです。カメラねじのメスがついたベースプレートまで含めると112gもあり、これはVIVEトラッカー3.0の1.5倍、Tundraトラッカーの2倍に当たります。
これは結構効きます。LighthouseのVIVEトラッカーに慣れていますが、身につけても明らかに重さを感じます。また、重いため身体や足に密着させないと揺れやすくなります。
特に腰トラッカーは、Lighthouseでは飛び対策のために浮かせている人が多いと思いますが、その調子で浮かせると揺れがすごいことになります。アルトラは腰飛びしづらいので、なるべく身体に密着させた方が良いです。
この辺りは慣れでなんとかなるレベルではあると思います。
また、頭にトラッカーを1つ付けて自動キャリブレーションする方法がありますが、この時も重量が効いてきます。頭の真上につける方法などもありますが、HMDの重量に+100g超はなかなかつらいところです。Tundraトラッカーと比べるとサイズもひと回り大きくなり、重量は2倍なので、便利とはいえ頭につけるのをちょっと迷うレベルです。
暗いところが苦手
アルトラは、カメラでトラッキングするという仕組み上、部屋の明るさが非常に重要です。公式にも、明るさはトラッキング精度に非常に大きな影響があると説明されています。
そのためアルトラを使う時は部屋の電気をしっかりつけておいた方が良いです。人の目から見て「ちゃんと明るい」状態がベストです。
Q. 赤外線ライトじゃダメなの?
同じようにカメラでトラッキングするMeta Questなどは、赤外線ライトをつけることで、暗所でも使うことができます。アルトラでもこれは可能なのか、試してみました。
A. 無理です
試しに赤外線ライトがついた状態で、部屋の電気を消してみると、電気が消えた瞬間に全ロストとなりました。部屋のシーリングライトと同等程度の明るさを持つ赤外線ライトならなんとかなるかもしれませんが、少なくともよくある赤外線ライト×2 + ベースステーション2台程度では、全く明るさが足りないようです。
壁(無地で目印のない壁)が苦手
よく言われていることですが、カメラでトラッキングしている関係上、目印のない広い壁は苦手です。
ただし、普通に使っている分には、カメラに映るものが一面無地の壁のみ、という場面はそこまでないはずなので、致命的な欠点というほどではありません。
この欠点が気になるタイミングは、壁に近づいた時です。
例えば、我が家ではベッドを部屋の角につけて置いています。この状態でベッドに寝転がると、壁側の足がトラッキングロストしてしまいます。
カメラ認識なので、目印が無いと位置を見失ってしまうようです。公式にも、これが影響してそうな場合は壁に付箋を貼るなどして確認するように、と言われています。(壁が原因と分かったら、ポスターやタペストリーを貼るとよい)
ただし、いまのところ立った状態で壁に近づいたり、腕立て伏せをした時などは意外と大丈夫なので、壁が近いと即ダメ、ということはないようです。我が家のベッドの場合、壁2面に接していることが影響しているかもしれません。
また、最初にセットアップしたときは壁から50cmくらいの距離で即ロストしてしまっていましたが、リセットしてマッピングし直したら全然大丈夫になったので、うまくいかないときは一回リセットしてみるといいかもしれません。
バッテリー持ちが少し短い
バッテリー持ちは公称7時間です。LighthouseのVIVEトラッカー3.0は7.5時間、Tundraトラッカーは9時間なので、高精度のトラッカーとしては1番短くなってます。(VIVEトラッカー2018は、もっと短く4時間ですが…)
プレイ中に見ている感じ、VIVEトラッカー(3.0)よりも明らかにバッテリーが減るのが早いので、実働だと0.5時間以上の差がある気がします。
また、細かいところですが、稼働中は充電ができません。しかし外部電源から直接動かすことはできます。
どういうことかというと、バッテリー20%の状態からモバイルバッテリーを繋ぐと、稼働時間はモバイルバッテリー分伸びますが、バッテリー残量はずっと20%のままになります。
これはどうやら熱の問題のようです。
狭い部屋に弱い(らしい)
これに関しては実体験ではないのですが、どうもいろいろなレビューを見ている限り、狭すぎる部屋ではトラッキングが安定しない場合が多いようです。公式にも、推奨スペースは1.5m × 1.5mとなっています。
アルトラの仕組みについて
アルトラの動作はちょっと独特な部分があります。
まず、初期セットアップ時に部屋のマップデータを作成して、トラッカー内に保存します。
トラッカーを起動すると、一番最初に起動した個体が「マスター」となります。
二つ目以降に起動したトラッカーは、マスターのマップ情報を自分にコピーします。
トラッカー同士も通信しているようで、この仕組みを使って、複数のトラッカーで同じ座標系を共有しています。HMDのように自動で部屋認識してくれ〜!と思いますが、使っているプロセッサの性能問題や、複数で同期する必要がある関係なんでしょうか…?
VIVE XR Eliteに繋ぐ場合は、HMD側の部屋認識や座標系をそのまま使えるようで、マップ作成や「マスター」周りのややこしい問題はありません。これはPCVR固有の話になります。
セットアップ手順とトラブル対応について
まず、現状PCVR Betaを利用するためには、公式Discord(VIVERSE)に入る必要があります。そこで提供されているコードがBeta機能の有効化に必要です。
セットアップガイドやFAQなども、現状公式Discordにて提供されています。情報はきちんと整理されていて、公式手順に従っていけばトラブル対応も含めて対処しやすい、と感じました。ここはLighthouseより全然いいです。
が、最近レビューしていた某VTuberの方はかなり複雑だと言っていたので、英語長文を特に気にせず読み進める人(私)の感想は当てにしない方がいいかもしれません。
もっとも、逆に言えば言語の壁さえ無ければ説明自体はわかりやすいはずなので、DeepLなど翻訳機能を使えば問題なくセットアップできるはずです。
初期セットアップ後のトラブル対応もDiscordにまとまっていて、フォーラムで質問することもできるので、とりあえず困ったら公式Discordを見ればOK(場合によっては公式から直接フィードバックをもらえる)というのは安心感があります。
トラブル時、うまくいかないときは
とりあえず公式DiscordのFAQとフォーラムの質問を見よう!!
が第一ですが、その上で、いろいろ読んで試した私の対応策を載せておきます。
起動時、トラッカーが部屋を認識しない/マスターが部屋を認識せず、他が「同期中」のままになる
まず、トラッカーを「1つだけ」起動します。
部屋が明るい状態で、トラッカーを胸の前に掲げる、床から斜め上に向けるなど、部屋をよく見えるようにしてください。
マップ作成時の「正面」に向けると良いかもしれません。
それでもダメなら、一旦電源を切り、別の個体で試します。
諦めて放置したら認識していた時もありました。
マッピング時から部屋の状態が大きく変わっているとダメかもしれません。
全部ダメなら、マッピングからやり直した方がいいです。
1つのトラッカーが起動後に「準備完了」にならない/トラッカーがロストしたあとトラッキング状態に戻ってこない
まず、トラッカーのカメラを手で隠して10秒待ち、完全ロストさせます。
その後手を外して部屋を認識させてみてください
ダメな場合は、トラッカーを再起動します。
それでもダメな時は、トラッカーをリセットしてください
トラッカーのリセット手順
トラッカーの電源を入れ、有線でPCに繋ぎます。
VIVE Streaming Hubから、該当トラッカーの右の「…」を押して、「Reset」を選びます。
(補足:有線で繋いでも、電源ボタンを押さないと電源は入りません。)
<注意>
他のトラッカーが起動している状態でリセットすると、リセット完了後すぐに他のトラッカーからマップ情報が転送され、「完全なリセット」になりません。
完全にリセットするには、リセットしたいトラッカー「だけ」を電源オンにしてリセットします。
リセットが完全でない場合があるようなので、リセットは2回連続でやる方が安全です。
リセットすると、そのトラッカーの持つマップ情報が削除されます。そのため、全トラッカーからマップデータを完全削除したくない場合は以下の手順を踏んでください。
リセット後、リセットしたトラッカーの電源を切る
1つもトラッカーが起動していない状態で、他のトラッカーを先に起動する(マスターにする)
リセットしたトラッカーや残りのトラッカーを起動する(これで、最初に起動したトラッカーからマップが転送されます)
トラッカーがよく飛ぶ
マップ品質や部屋の明るさなど、セットアップか環境に問題があるかもしれません。すくなくとも、私はマップを作り直したら劇的に改善しました。マップ品質は
C:\ProgramData\HTC\ViveSoftware\ViveUltimateTracker\config\Calibration.json
から確認できます。また、2024.03.29 の0.1.16aからはマップ作成時に品質がわかるようになりました。同じ部屋でもゆっくりスキャンし直すとマップ品質が変わるため、Calibration.jsonを見ながら何度か試してみると結果が変わるかもしれません。複数のトラッカーを使えば、一時的に複数のマップを保持できます。(公式Discord参照)
トラッカーがブルブル震える
まだ対策がわかっていません。公式Discordで調べて情報がなさそうなら質問してみます。対策がわかれば追記します。
その他の情報
トラッカーの個数について
1つのドングルに繋げるのは最大でトラッカー5個までです。ドングルを2つ繋いだら10台、には現状出来ません。しかし、将来的に可能になるよう開発中らしいです。
おそらくですが、この制約はマップ共有の仕組み上の問題な気がします。マスターの持つマップを他のトラッカーが共有する仕組みなので、6個以上使うためには別のドングルと繋がっているトラッカーとも通信する必要がありそうですよね。その辺がややこしいんじゃないかと私は勝手に想像してます。
ちなみにVIVE XR Eliteに直接繋いだ分はマップ問題の対象外なので、XR Eliteに5個、PCに5個、とすれば一応今でも10個使うことは可能らしいです。
Space Calibratorについて
VIVE Streaming Hubには、OpenVR Space Calibratorの機能が組み込まれています。そのため、公式手順に従うとStreaming Hub内からキャリブレーションするように促されますが、単体のSpace Calibratorでも同じことが出来るため、公式の機能を使わずSpace Calibratorをインストールして使うのがおすすめです。
SpaceCal周りは少々ややこしいのですが、オリジナル版にbd_さんが継続キャリブレーションを実装したバージョンと、それをhyblockerさんがバグ修正したものがあります。
Lighthouseとの共存について
Lighthouseとは完全に独立したシステムなので、両方起動して共存することができます。OpenVR Space Calibratorでは、LighthouseをQuestにキャリブレーションして、それからアルトラをQuestにキャリブレーションする、というように複数のシステムをそれぞれキャリブレーションする形になります。特にSpaceCalのアップデートなども必要なく、そのまま使えます。
単騎フルトラにも意欲あるらしい
HTC曰く、VIVE以外のヘッドセットにも対応する計画があるようです。これはPCVRの話ではなく、QuestのUSB端子に直接ドングルを挿して Quest単騎でフルトラするような話です。もしこれが実現したら、PC無しでも高精度なフルトラが(VIVEシリーズ以外でも)出来るようになります。今後に期待ですね。
マップのせいで部屋を移動するのは困難
少なくとも現状は、最初にマップ作成という面倒な手順があるので、いろんな場所で手軽にフルトラ、ということはできません。
ベースステーションが不要になれば、自宅以外でも持ち出して簡単に高精度フルトラができるかと思ったので、これは残念です。セットアップの手間を考えたら、ベースステーションを持って行った方がまだましですね。
固定用ベルトについて
EoZから専用ベースプレートに対応したトラッカーベルトが発売されています。
カメラネジを使うタイプよりも身体に近づけられ、重量も軽くなるのでどうせ買うならこっちのタイプの方がオススメです。
また、ネジタイプで回りどめのピンがないタイプの場合、ネジの締め方でカメラの向きが斜めになったりしてしまいます。それでもトラッキングはできますが、変な向きになることがない、という点でも専用マウント式がベターだと思います。(まだ対応製品は全然出ていませんが…)
発売からしばらく、公式でおまけについてきていたRebuff Realityのストラップも、公式から購入できます。おそらく今の所、専用プレートで取り付けできるストラップはEoZのものとこれだけだと思います。
(EoZさん、アルトラ用の足ストラップ発売まだですか!??待ってます!!!!!!)
どんな人にオススメ?
さて、そろそろまとめに入りたいと思います。
私個人としては、買った目的である腰飛び対策はバッチリ実現できていて、その他の点も若干微妙なところがあるものの、許容範囲ではあるので今後はLighthouseではなくこちらを使っていく予定です。長期仕様で大きな問題がなければ、本格的にLighthouseを手放すのもアリですね。
オススメな人
インサイドアウト式HMDを使っていて、高精度なトラッカーが欲しい人、その中でもLighthouse系のデバイスを使っていないか使う予定のない人にオススメです。
オススメじゃない人
近くで壁を向く場面が多い、部屋を暗くして使いたい、などアルトラが苦手な条件が揃っている人
Lighthouse対応機材を使う予定のある人
最高の精度と安定性が欲しい人
長文の英語を見るだけで拒否反応が出る人(Beta期間限定)
今Questなどの非Lighthouse系HMDを使っていて、高精度なフルトラをしたい、となれば、Lighthouseではなくこちらに来るのも十分“アリ”だと思います。ハリトラやmocopiなどとは全く別次元の精度が手に入ります。
最も、今のところはBeta中であり、やはり安定性にはまだ課題があるため、正式リリースを待ってから、というのもいい選択だと思います。
余談
カメラで認識する…といえば、Quest Proコントローラーってありますよね。実はあれ、セットで4万円なので、1個2万円。アルトラより安いんですよね。
しかも、コントローラーとしての機能までついてきます。なんなら、トラッキング精度や安定性も Proコンの方が上だったりします。
……あれ?Proコンをトラッカーにした方がいいのでは?
まあ、無理なんですけど……
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