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【自転車】コロナ禍のタイを自転車で走るPart7 ー300kmブルベ

こんばんは。

300kmのブルベに出てきました。場所はバンコクから南の方に行ったホアヒン(Hua Hin)というビーチリゾート。前の200kmブルベは一斉スタートではなかったので、はじめてのブルベらしいブルベ、しかも遠征です。

前の200kmブルベの記事はこちら

自分的なメモの意図もあり長くなりますので、目次からどんどん飛ばしてお読み頂ければ嬉しいです。

登録・準備編

Audax ThailandのHPから参加登録をします。タイ全土の全てのブルベがここから情報閲覧、エントリーが出来ます。象のマークがかわいい。
300kmは330バーツの参加費。Paypalでお支払い。お安いです。

今回は1月15日早朝発のHua Hin300という304kmのブルベ。制限時間は20時間です。こんなコース。

ホアヒンの駅前から15km程度南の池のほとりがスタートゴールになっています。余談ですが、タイのブルベはほぼ全てスタートゴールが同じ地点です。車で現地入りするケースが多いからかと思われます。
Booking.comで前泊、後泊のホテルを取ります。出来るだけスタートに近い場所をチョイス。

ホアヒンへの行き方を調べます。土曜に走るので金曜に休みを取って前入り、日曜に帰ることになります。ミニバンと電車が一般的なようですが、少なくとも行きは確実に詰めそうな電車をチョイス。フアランポーン駅から発車です。
交通手段検索はこちら

今回は荷物を宿に置いていけるので、リュックに着替えなどを詰めます。乾季なので雨具はなし!笑
明らかにトレーニング不足なので、胃腸薬や鎮痛剤(ロキソニン)なども持ちます。ATKテストなどの規定はなさそうですが、ATKキットも一応。
その他パスポートと保険書類。パスポートは電車や宿でも必要です。カメラは重いので無し。スマホでがんばります。フォトグラファー失格ですが、自転車にGoProをマウントして自己満足することに。

前日移動

07:50発の電車を目指してリュックを背負って走ります。9kmほど。さくっとフアランポーン駅に着きます。100年以上前の駅舎にイベント用の機関車が並んでいます。

ホアヒンまでのチケット購入。輪行状態にして電車に載せますが、車掌さんに、座席が狭いので最後尾の通路に持っていかれます。ちょっと不安ですがまぁ仕方ない。
タイはこういうルール外(たぶん)のことを柔軟にやろうとしてくれる良さがあります。

クーラーありの車両でガタガタとホアヒンまで。途中でごはんが出ました。

終点はもっと南なので皆さん長旅のようです。4.5時間ほどでホアヒンの駅に到着。こじんまりとした駅です。輪行を解いて、宿に向かって走ります。


途中ちょっと海を見たり。

18kmほどで宿に着きました。
宿のお隣りの部屋に、白人のおじいちゃんとタイ人のお姉さまの自転車が置いてあります。聞くと同じく明日300kmに出るようです。お姉さまの自転車はピナレロドグマ。下手したら100万円超えの自転車です。凄い。

宿の横の湖。スタート地点もこの周囲。

疲れを残さないようにさっさと寝ます。

本番ースタートからPC1

朝6時半発なので6時頃に着くようにスタート地点に向かいます。10分ほどで到着。
わらわらと参加者が集まってきます。西洋人が7-8人、それ以外はタイ人だと思います。合計40人ほど。女性もちらほらいます。複数人グループが多そうな見込み。

ボランティアの受付の方がたくさんいます。水やコーヒー、お菓子も配っています。ブルベカードとキューシートを貰いますが濡れないように袋まで着いてます。親切すぎる。

6:30になると出発です。緩い雰囲気で、車検(自転車の装備点検)はなく、反射ベストを着てない人も普通にいます。緩い。

最初は平坦をぞろぞろと集団で進みます。32-33km/hの集団に初めはついていきますが、このペースではもたないと判断して、いや単に千切られて離脱。一人旅です。

広くて走りやすい道を進みます。少し登りも。バンコクでは登り皆無なので、久しぶりすぎて登りの走り方を忘れています。笑

街中の食堂がPC1です。65km地点。受付のスタッフさんがおり、スタンプを貰います。食堂ではみんな食べてたのでカオマンガイを頂きます。35バーツ。食べてる間に7時発の方々が集団で到着。皆さん速いですね。。

まだまだ元気なのでコーラをボトルに補給し、出発です。

本番ーPC1からPC2

実はこのコースは100km地点から200km地点までコンビニがないのでした。事前に調べ、100kmのコンビニには必ず寄ることにしていました。

次第に暑さが増してくる中、100kmのセブンに到着。水分を補給します。ここから何もない山の中です。

標高は400m程度ながら結構しんどい登りをキコキコと漕ぎます。暑い。日陰がない。
水がみるみる減ります。登ってたら登りの途中でスタッフさんがカメラを構えて待っていました。至れり尽くせり。

暑さでしんどさが増していき、登りの最中に鼻水が。なんで鼻水なんだろう…と考えていたら、何と登りきったところでまさかの嘔吐!結構ガッツリ吐いてしまいました。まだ120km地点なので残り180kmくらいあります。これは無理かもしれん。

129kmがPC2なので、とりあえずPC2まで下り、トイレで顔を洗います。恐らく塩分摂取が出来ておらず、体内の電解質が不足。浸透圧で鼻水が出る、汗や鼻水で脱水→嘔吐に至ったと思われます。一応それが考えられるくらいには冷静でした。
PC2でもスタンプを貰い、とりあえず塩分摂取ということでポテチをぽりぽり。今考えれば塩分より脂肪分の方が多そうでしたが、この国塩飴とか売ってないんですよね。甘いものは多いのですが。

スタッフさんはお水を配布中。
ちなみに他の参加者さんたちはビール飲んだりしてます!すごすぎかよ。

自分の体調について悩んでも仕方ないので長めに休んで、出発です。

ちなみに、ここまで信号は1-2個。ほとんど止まらないので貯金は1時間半以上あります。

本番ーPC2から200kmコンビニ

次のマトモな補給地点は70km先のセブン。真っ昼間で暑さもあり、しんどい道が続きます。ひたすら真っ直ぐで地味にしんどいアップダウン。日陰なし。
20km/hくらいしか出ない中でノロノロとすすみます。

名もなき売店で水を補給。水をボトル2本に入れ、残りは身体にかけます。

なんか牛が高頻度でいます笑

ダム横のフォトチェックへ。フォトチェックもスタッフさんがいて水を配布してます。つくづく、サポート体制が凄い。

景色は綺麗ですね。暑くてそれどころじゃないですけど。
相当に顔色が悪いのか、タイ語で話しかけられます。何か食え、とジェスチャーで。ごはんを食べる、は「ギンカーオ」

甘いものではなく、少しでも塩分がありそうなツナマヨのサンドイッチを食べながら走りますが、飲み込めない。。水で流し込みます。いよいよきつくなってきた。200kmのコンビニで長めの休憩兼DNFを考えることを決め、走ります。

しにそうになりながら200km地点のセブンに。夕方ということもあり混み合っていましたが座ったら動けず店頭の真ん前でカップ麺を啜ります。直ぐに飲み込むことが出来ず、5分くらいまでふやかして30分かけて汁まで全部飲み干しました。

食べながらDNFを検討。残り100km。脚は残ってません。いまDNFすれば20kmくらいで帰れそう。この先の行程は一応下り基調。暗くなるので暑さは和らぐはず。

もやもや悩んでいると同じ宿の白人のおじいちゃんが来ました。DNF考えてるんよねー、と言うと、あと9時間もあるのになぜDNFなんや!エナジードリンク飲め!カモン!と言われます笑 こんな歳上のおじいちゃんに励まされたら頑張らねばと思い直し、とりあえず行ってみることに。次の目標は27km先のPC3です。

本番ー200kmコンビニから最後のフォトチェックへ

脚は痛くはありませんが、パワーは残ってないので「踏まない、回すだけ」とぶつぶつ言いながら23km/hくらいですすみます。夕暮れ時で暗闇が迫ってきます。

広い畑の中を夕焼けに向かって進みます。綺麗すぎる。進んでよかった。

泣きそうになりました。

下り基調は素晴らしく、暑さも和らぎ、カップ麺の塩分も行き渡ったのか調子が戻ってきます。骨伝導イヤホンも投入。さて、もうこれ以上出来ることはないので行けるところまで行くだけです。

227kmのPC3に。ここでもスタッフさんがお出迎え。スタンプを貰います。
横の食堂で迷いましたが、オムレツごはんを食べます。食べすぎるとまた消化管にダメージなのでごはんは残してタマゴ中心に。
横の参加者グループさんは、ビールで乾杯してます。よく飲めるなあ。

食べ終わって出発すると真っ暗。満月に近い月の明かりと自分のライト以外の明かりはありません。涼しくて快適な一人旅。

心地よい気温の中、時折道沿いの民家では軒先で食事しているのが見えます。

力を入れずにくるくる回して山を下りてきました。
街中に出ます。100kmぶりくらいの信号で止まっていたら、後ろから集団が来ました。もう250km近く走っており、最初は話しもしませんでしたがだんだん仲良くなってあと50kmやねーとか話します。良い雰囲気。まぁすぐ置いてかれるんですけど。

270kmで海沿いに出て、最後のフォトチェック。

なんちゃら海岸、みたいのが書いてあるんですかね。

本番ーゴールまで

海沿いにゴールまで北上します。残りは34kmほど。時間も21時をすぎ、開いてるお店や人通りも少なくなってきました。前後に他の参加者のライトがちらちら見えます。

一時はDNFを考えましたが、日付が変わる前、それも16時間台でのゴールが見えてきました。
涼しい風の中、ビーチ沿いをくるくると回します。脚は重いですが痛い場所はありません。進んで良かった。

23時を回り、ゴール直前のセブンに到着。寄る必要はありませんが、無性に牛乳が飲みたく、大きめボトルを購入。

ゴール。23:22。16時間52分でした。スタッフさんが迎えてくれました。メダルを購入します。350バーツ。後日お届けとのこと。



写真も撮って貰いました。牛乳を飲みます。
ゴール地点ではカップ麺を配布してました(食べませんでしたが)。どこまでも至れり尽くせりでブルベとは思えません。

120km地点で嘔吐したことを考えれば信じられない結果。改めて身体に入れる物とその反応を見極める大事さが身に沁みました。

あとおじいちゃん、本当にありがとう。おじいちゃんはまだ後ろで到着していませんが、先に宿に帰ります。シャワーを浴びて就寝。

朝起きると、お隣りのおじいちゃんとお姉さまカップルも無事に帰ってました。良かった。

帰るです

翌日曜日、今日は帰るだけなのですが、電車を調べると朝5時台と16時台しかなく、ミニバンにチャレンジ。

ミニバンはバンコクの家の最寄りまで行くので楽なんですよね。ターミナルで受付のおばちゃんに交渉。各所電話してくれて、どうやら2席分潰してそこに載せることで話しがついた様子。3人分の料金を払います。600バーツ。

こんな感じで無理やり載せてもらいました。臨機応変力、タイ人の良いところです。

ちょっとお散歩して、海を見たり。

3.5時間ほどでバンコクに着きました。

まとめ

遠征兼、初のタイでの300kmブルベでした。

・ボランティアの方の至れり尽くせりが凄かったです
・女性が多めでした
・タイでもコロナで長らく中止だったのか、久しぶりのイベントを喜んでいるようでした
・白人速い。エントリーリストの少し下の方は、18時台にゴールしてました。12時間くらいってことです。1.5倍近く速い。

・ビール飲んでるとかめちゃ自由でした。海外ブルベって結構アルコール出るみたいですね。
・自転車は様々でした。ただホイールよりもフレーム重視の方が多いような。ゾンダがいないブルベとか日本では有り得なさそう。ディスクブレーキよりもリムブレーキが主流でした。

・塩分ないとしぬ。塩飴売ってるのか?鼻水出始めたらやばい。塩は必須。
・日本の即効元気のようなクエン酸飲料が見当たりません。野菜ジュースもなさそう。甘いものは豊富なのですが、補給を考えないと今後危ないと思いました。

ま、総じてよくがんばりました。自画自賛w