昨今の戸建てを買う人は、犬を飼わない?

  既にこちらでも記事にしましたが、私は郊外の戸建てからマンションへの引っ越しを断念しました。その代わりに、落ち着いたらまた犬を飼いたいと思っていました。母が亡くなれば、私もいずれ一人ぼっちになりますし。

 ところで。
 節約や資産形成系のYoutubeをざっと見ると、「貯金したければペットを飼うな」という主張もチラホラと見掛けます。

 実際にかつて犬を飼っていた自分から見ても、残念ながらその主張は正しいです。あくまでも金銭面からなら。医療保険も効かないので、病気で入院手術となると結構な出費になります。慢性的な病気で病院指定の餌しか食べられなくなると、その餌代も痛いです。うちの犬がそうでした。
 それでも犬を飼っていた当時格別裕福だった訳でもない我が家が犬飼生活を成り立たせて行けたのは、今にして思えば一馬力ではなかったからだと思っています。車の運転こそ父しか出来ませんでしたが、母と私も働いていましたし、まだまだ元気でした。

 マンション購入を断念した時、落ち着いたらまた犬を飼いたいと言ったら、母は「私が死ぬか貴女が年金生活になってからなら、好きにすれば?」の一言でした。朝散歩に連れて行ってからパートに出かけ、帰宅後寂しさであちこちに粗相をしたのを片付けてからまた散歩に連れて行き、夕飯の支度をする・・・そんな生活を送る体力はもうありませんから、と。「もっとも、その時には貴女もそんな体力残ってないかもよ?」とも。

 私鉄の最寄り駅から少々離れている我が家の周辺も、空き地や公園がどんどんなくなってアパートになったり、住み替え等で売りに出された土地には直ぐに新しい家が建っています。四十代位までの比較的若いカップルが購入しているようで、一時期は高齢化と過疎化が進むかと思っていたので、その意味では新陳代謝も出来ている様で一安心なのですが、それらの新しい戸建てには一目でわかる特徴があります。

 ①門扉が無い。
 ②塀も無い(最低限。ポストや表札の支柱位の役割)。
 ③庭もほぼ無い。

 どの家庭も基本共働きで、車も二台持ちという家庭もチラホラとあります。
 通勤や買い物で使う車の出し入れのしやすさを優先したら、いちいち開け閉めしなければならない門扉や車を掠る危険性の上がる塀は要らない。軽であっても二台以上の車と複数台の自転車も置こうとしたら、敷地を最大限に駐車と駐輪スペースにする必要があるのだから、庭は要らない・・・という事なのでしょうね。一時期の様な薔薇のアーチのあるお庭や、色とりどりの花が咲き乱れる花壇のあるお宅はほぼ皆無です。そりゃまあそうでしょう。ガーデニングブームなんてのが一時期流行りましたが、ああいうのはそもそもが時間とお金のある人のやる事ですから。それを生業としている方以外は。忙しい共働き家庭には余程好きという場合以外は需要自体がまず無いんでしょうね。
 ついでに言うと、①~③の無いご家庭のペット飼育率はゼロに近いと思います。完全屋内飼育で密かに犬や猫を飼っているというご家庭もあるのかも知れませんが、、、まずペットの気配を感じないんですよね。

 とはいえ、朝晩駅へと自転車を飛ばしている吹きさらしのだだっ広い幹線道路へと抜ける道は、季節によっては何時通っても散歩中の犬に遭遇します。飼っているご家庭自体はある訳です。ただし、散歩させているのは高確率で高齢の古くからの住民の男性かご夫婦です。最近は暑いので夜でもあまり見掛けなくなりましたが。「この道しかお散歩コースは無いのだろうか?」と、思っていました。

 無いんですよねえ。

 犬連れて散歩してちょっと一休みするのに程良い感じの公園や空き地は、先述の通り着々とアパートか戸建てが建っているので。

 経済面と責任を持って世話をする事以外の、私が犬を飼う事を諦めた理由には、この「お散歩向きの公園等が無い」というのもあります。車で何処にでも犬を連れて行けるというのならあまり問題ではないのかも知れませんが。車の運転をしない私に飼われても、ろくなお散歩も出来ない犬生になるしなあ、と。

 犬にとっては、それでも飼い主と一緒なら幸せなのかも知れませんが。
 
 母の言う通り、母が亡くなって一人になった時の体力や資産の状況で考えてみれば良い事かも知れませんね。
 


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