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LSPグローバル・ミーティング2023に参加して

 デンマークのビルン(レゴの本社があります)で開催されたレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを使っているファシリテーターたちの集まりに参加してきました。
 メインは2日間の世界各地の取り組みについての情報共有ミーティング(グローバル・ミーティング)なのですが、その他にレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの基本を確認できる「リフレッシャー・セッション」がまる1日と、メソッドの有力な応用プログラムを学ぶ「ポスト・ファンデーション・トレーニング」が2日間もあって、フル参加すると全5日間という大変内容の濃い日程になっています。
 私は「ポスト・ファンデーション・トレーニング」の情報が発表される前にホテルと航空券を確保してしまったこともあり「リフレッシャー・セッション」とグローバル・ミーティングの3日間に参加してきました。

 特にグローバル・ミーティングではプレゼンテーションの他、休憩時間もたっぷりと取られていて、そこで各地のファシリテーターとの情報交換もできます。そこでのやり取りも含めて、私なりに感じたことをまとめておきたいと思います。

国を超えたファシリテーター同士の連携が進んできた

 なんといっても、今回のミーティング全体で一番感じたのは、ファシリテーター同士が連携して成果を出す動きが増えてきたことだ。

 プレゼンテーションはなかったが、30人近くのメンバーが原稿を寄せて本を出版したとの報告があった。日本からは、イノベーション探究活動への適用として山本伸氏が寄稿している。

 オンラインでの情報共有の場である「CoffeeChatプログラム」も順調に回を重ねていて、今年のグローバル・ミーティングでも、その成果が報告された。

CoffeeChatプログラムでは視聴回数が1000回を突破

 また、ファシリテーターたちがどのような活躍にしているかのオンライン・アンケートの統計結果も報告された。511名の回答があった。

ファシリテーター全体に向けての調査を実施。回答率は5%以下と低いが大きな一歩

 こうした結果の出た連携事例に触発され、海外のファシリテーター同士が組んだ、新たなプロジェクトも動き出しそうである。グローバル・ミーティングでは、ミーティングの最終盤にオープン・スペース・テクノロジーでいろいろなテーマについて参加者同士が話し合う時間が2時間ほど設けられるが、今回は例年になくグループも多く活気があった。

 いままでは、グローバルでのつながりの大事さは言われていたものの、そこまで具体的な活動にまで行きつくケースはそこまで多くなかったが、今後に向けて、このような連携の経験が積みあがっていけば、ますます面白い活動が展開されていくに違いないと強く感じたところである。

世界の中の日本の関わりについて

 このようなグローバルでの連携が少しずつ出来上がっていくことを見ながら、今後の日本の関わり(立ち位置)についても考えさせられた。

 グローバル・ミーティングは基本的にレゴ社のあるデンマークで行われる。ロシアのウクライナ侵攻でデンマークまで移動時間が非常に長い航路を選ばざるを得なくなっていることに加え、経済的に円が弱くなっていることなどもあって、今回は私も入れて日本からは6名の参加であった。

 グローバル・ミーティングへの参加人数こそ、そこまで多くなかったものの、日本のコミュニティは大きくなっている。トレーニングを受けたファシリテーターの数は1000人に届くところまできており、協会に認められた公認トレーナーも2人いる。Facebookのグループページの投稿も非常に多い。各地での練習会や勉強会も大変盛んである。

 また、今回、取り組みをプレゼンテーションされた小出正三氏の発表は、内容とスピーチがともに素晴らしいものであった。終わった時には本当に長い賞賛の拍手を受けていたし、発表後も多くの日本以外の参加者から内容について質問を受けていた。それまでの経緯もある程度追いかけてみているだけに大成功に終わって本当に良かったと感じている。

 私が知っている範囲でいえば日本での実践は優れたものが多く、もっと海外に発信する価値があると今年も変わらず感じたところである。

 一方で、前項で書いた、具体的なアウトプットを伴うファシリテーター同士が連携してアウトプットを目指すプロジェクト的な動きは弱い(皆無ではない)。

 日本という枠を超えてプロジェクトを仕掛けることは、日本人の英語への苦手意識の問題もあってすぐには難しいだろう。

 まずは、国内でもっとそのような動きを作っていくことで、グローバル・レベルの動きとも同調効果が出て、より良い方向にレゴ🄬シリアスプレイ🄬のコミュニティが育っていくのではないだろうか。

 翌2024年の6月末には日本でアジア地域のファシリテーター・ミーティングが開催されることが決まった。これからは、このイベントを意識して、いろいろと動くことができたらと思う。

 個人的には、その前に(もう1か月後だ!)、グローバルなメンバーとのCoffeeChat(オンライン情報交換会)への情報提供が決まっている。ここを少しでも良いものにしていきたい。

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