レゴシリアスプレイメソッドを使って、メタファーを通じて組織をより深く考えることについて
Gareth Morganによる組織論の古典的名著としてImagaes of Organizationという本がある。
タイトルの通り、組織にはいろいろなイメージがつきまとう。そのイメージをもって組織の一部にスポットライトを強く当てる。そのような機能をもつイメージの使い方はメタファー(隠喩)と呼ばれる。
この本で紹介されている主なメタファーとしては、以下のようなものがある。「組織とは〇〇である」という文の〇〇に以下の言葉を入れるとわかりやすいだろう。
機械
生物
脳
文化
政治
精神の牢獄
流動と変容
支配装置
これらのメタファーは、自分が組織について考えたり、他の人に説明したりするときに便利である。
このとき、Gareth Morganも強調しているように、メタファーの落とし穴に気を付けておかねばならない。一つのメタファーはその組織そのものではないので、他の側面を覆い隠してしまう。しかし、組織そのものを考えたり、その特徴を伝えようとしても、考える手掛かりがなければ非常に難しい作業になる。専門研究者さえメタファーを使って考える。科学や論理の進展にメタファーは欠かせないのである。
それではどうすればよいのか。
非常にシンプルだが、さまざまな人が使っているメタファーを寄せ集め、それらを総合して考えればよい。
このとき、「群盲象を評す」という寓話が参考になる。
この寓話では、盲人は「象」という全体にたどり着けない愚か者として描かれている。
部分から全体を構成し、掴むことができれば、バラバラなメタファーではなく、「象」にたどり着けるということだ。
バラバラなメタファーをどうやって一つにもっていくのか、という問題を解くために、レゴシリアスプレイ・メソッドは大きな可能性を持っている。
ここでのレゴシリアスプレイ・メソッドの活用は非常にシンプルな考え方で、それぞれの参加者に組織のイメージを表現したモデルを作ってもらう。そのモデルの意味を保ちながら、一つの大きなモデルへと組み替えていくのである。イメージを表現しやすく、かつ、再構成が容易なレゴ・ブロックならではの作業である。
このようなメタファーの良さを保ちつつ、統合された組織の姿を表現できることで、参加者はある組織の問題や未来についてより深く考え、対話することができるのである。
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