見出し画像

思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(5)「チョークトーク」

 今回はこの本の中で紹介されている「チョークトーク」という思考ルーチンをとりあげる。

 このルーチンは、大きな紙(模造紙など)を用意し、中央にトピックを書く。その後、参加者はそのトピックについて無言で、考えたこと、疑問に思うこと、他の人の疑問や意見について考えたことを書いていくというものである。
 結果として下の画像のようなものが出来上がる。

チョークトークの例
http://www.rcsthinkfromthemiddle.com/chalk-talk.html

 チョークトークでは、言葉を発してやりとりするときには難しい、気軽で静かな話し合いが可能になる。

 また、ある「ふりかえり」についてもチョークトークを使うことができる。「今回の学びで一番驚いたことは何か」「このトピックで一番難しかったことは何か」「これからどうしていきたいか」などである。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「チョークトーク」

 「チョークトーク」では、まず、他の人に邪魔されず自分の意見を出す(書く)ことに集中できるという良さがある。レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおいても、問いが提示された後、その問いに対して各自が自分の考えを反映したモデルを作る。このモデルを作るときには、まさに気軽で静かな思考の時間が確保される。もちろん、ファシリテーターはそのような時間が確保されるように配慮しなければならない。

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドと「チョークトーク」との違いとしては、その後の質問や発表についても、自分のペースで考え、出す(書く)ことができるという点にある。必要があればじっくりと時間を使って意見に対して質問を検討したり、相手の質問について回答をするのである。質問や回答を自分のペースでできるのがよいところである。

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおいて、通常はモデルについて説明が行われた後、すぐに質問をしてもらうのが標準の進め方である。
 このチョークトークのように、モデルの説明の後に、少し時間をおいてゆっくりと自分のペースで質問を考えてもらう方法も考えられる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?