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思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(22)「文・フレーズ・単語」

 今回はこの本の中で紹介されている「文・フレーズ・単語」という思考ルーチンをとりあげる。

 この思考ルーチンは、資料の中で最大のポイントになる部分を子供たちが考えることを促す狙いがある。

 進め方の一例としては以下のような感じとなる。

(1)グループを組み、まずはそれぞれ個人で考えさせるための資料を読ませる。大事なところには線を引きながら読むことを推奨する。ただし、この時点で「文・フレーズ・単語」を意識させる必要はない。
(2)資料の中で、自分の理解が深まったり、大きな刺激を受けた「文」「フレーズ」「単語」をそれぞれ一つずつ挙げさせる。
(3)グループごとに、どうしてその「文」「フレーズ」「単語」を選んだのかについての理由とともに他の人に向けて発表させる。発表を聞いていた人には何らかの感想を言わせる。
(4)それぞれのグループで、選ばれた「文」「フレーズ」「単語」に共通することや、つながりを考えさせる。そこから何がさらに予想されるか、などを話し合わさせる。最終的に「文」「フレーズ」「単語」でとらえられなかったことについても検討させる。
(5)すべてのグループの話し合いの結果を一覧にして、全員で共有する。ここでも、この作業から何が学べたのかについて考えさせる。

 「文」「フレーズ」「単語」の3つとも、必ずしも抜き出さなくてもよい。例えば、対象年齢や題材によっては「単語」だけでもよい、とされる。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「文・フレーズ・単語」

 レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのワークにおいても、参加者が作ったモデルとそのモデルが内包するストーリーを語ってもらったあとに、改めて最も重要なポイントとなる表現やフレーズは何かを考えてもらうことがある。

 あえて、表現を絞り込んでもらうことで自分自身の作品の本質に迫ることができるときがある。

 また、その本質部分のみを寄せ集めて、新たな作品、そしてそこから生まれるストーリーを作ってもらうことがある。これは上記の進め方で紹介した(4)と重なっている。

 他の人のストーリー(の一部)と自分のストーリー(の一部)との間につながりをみつけることは、自分の思考の枠組みから出発しながらも、その枠を超えて考える機会を作り出すという点で、非常に強力な方法であるといえるだろう。

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