見出し画像

LSPグローバル・ミーティング2022雑感

 2022年10月10日,11日とデンマークのビルンで行われた。レゴ®︎シリアスプレイ®︎のファシリテーターが集まるグローバル・ミーティングに参加した。ビルンはグローバル企業であるLEGO社の創業の地である。街としてはそれほど大きくないが、LEGO本社のほか、LEGO LANDやLEGO HOUSEなど観光施設もあり世界中から家族連れを中心に観光客が訪れてくる。

 グローバル・ミーティングの対面での開催は3年ぶりである。一昨年はオンライン、昨年はオンラインと対面併用だった。時差が8時間あるのでオンラインでも参加はきつかったが、今年は対面のみということで現地に赴くことにした。

 グローバル・ミーティングでは、世界中から人が集まり、各人の取り組み事例や考えていることについてプレゼンテーションや意見交換を行う。また、手法の開発者であるロバート・ラスムセン、ペア・クリステンセンから最新の手法や考えていることについて情報が得られるため、私にとっては貴重な情報源である。
 普段からFacebookやLinkedInでお互いに情報は発信しているが、SNSでは写真を中心とした表面的な情報しか出てこないのでその人が何を考えどう取り組みをしているかまではなかなか知ることがないので、終わってみてやはり行ってよかったというのが第一感だ。

 かなり偏っていると思うが大会に参加して感じたこと、気づいたことについてざっくばらんに書き留めておきたい。

教育関連の発表が多かった

 昨年と明確に比較したわけではないが、印象的に今年は教育関連の発表が多かった。18のプレゼンテーションが行われたが、うち9つは教育関連であった。
 企業事例では契約によって報告できないものがあるということと、教育に関してはまだまだ知見の蓄積が足りないので新しいチャレンジがしやすく、その分報告内容も目新しいものが多くなるということであろう。
 今年からレゴ財団が教育支援へコミットしてさまざまな活動を展開するということも決まったので、今後も教育関係の取り組みも増えていきそうだ。今後の課題としては、一口に教育といっても対象年齢の幅も、扱う課題も非常に多岐にわたるので、知見を効率的につなげ、積み上げていけるかということがある。

ベテラン比率が多くなってきた

 私もそうだが参加を重ねるごとに、知り合いが増え仲良くなり、また会いたいと参加を重ねる動機のひとつになる。グローバル・ミーティングは会場のキャパの限界でどうしても参加人数が限られている中、このイベントの重要性を感じている常連メンバーがすぐに申し込みをすることになり、ベテランの比率が高いミーティングになりつつある。同窓会化しているところがある。
 これがいいことなのか、衰退の入り口なのかは今の時点では良くわからない。こうした現象は日本でイベント等をするときにも気にしなければいけないなと改めて思った。

大きな問いがあるといい

 これは明確ではなかったが、「RTS」という手法をどう広めていくか・使いやすくするかというお題が以前のグローバル・ミーティングで示されており、それに応えるような報告が(偶然かもしれないが)出てきたと感じた(特にそういう指摘を誰かがしたわけではないので、完全に私の感覚である)。
 共有の課題が示され、各々がそれを考えて知見を交換し、その中からさらに気づきを積み上げるというサイクルは、まさにLSPのコア・プロセスである。あまりテーマをがっちりと組んでしまうとそれ以外の人がロンリーガイになっていってしまう危険があるので気をつけねばならないが、何らかのテーマ性(問い)があるのはいいなと感じた。

今後に向けて

 今回のグローバル・ミーティングを受け、改めて取り組んでいこうとぼんやりと個人的に考えていることをつらつらと書いておく。興味のある方は連絡をください。

  • RTS Beastの解説論文を書き上げる

  • AT6を使わないRTSのアイデアをいくつか試してみる

  • アート思考でモデルを見ることをワークショップの中に織り込んでみる

  • LSPとデジタル(何をどうするかアイデアはない)をつなげるワークを作る

  • 海外のファシリテーターの知見を効率的に取り込み整理するための方法を考える


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?