『肉中の哲学』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(1)
レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドでは、自分の考えを表現したモデルを通じて他の人に伝えて、対話を重ねていく。
自分の考えをモデルに表現して語るとき、避けて通れないのが、メタファーである。そもそもレゴ🄬ブロックで作ってもそれは、現実の状況そのものではないので、ブロックの表現を何かの代理的表現として扱いながら語ることになる。つまり、ブロックで作ったモデルは、私たちの考えの「メタファー」といえる。
そのメタファー研究の権威ともいわれるのが、ジョージ・レイコフであり、マーク・ジョンソンである。『レトリックと人生』はその名声を打ち立てた金字塔的著作である。
この『レトリックと人生』で打ち立てたメタファー理論から、より踏み込んで、認知科学の知見と統合させていこうとしたのが本書の『肉中の哲学(Philosophy in the fresh)』である。
彼らは、認知科学の発展によって次のことが明らかになったとして、この本の議論を始めている。
この3つのうち、後者の2つはレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドにおいても強く仮定されていることである。
思考が無意識であるからこそ、手を動かし作品を作ることによってその思考を顕現化できる。
抽象的概念はメタファー的なものであるからこそ、それをブロックのモデルを通じて表現し、伝えることができる(場合によってはより伝えやすい)。
この本を読み進めていくことで、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドへの理解を深めていければと考えている。
アマゾンの書評では、日本語訳の難解さと、そもそも本書の試みが成功しているのか?という疑問によって低い評価となっている。そのあたりの批判があることも踏まえつつ、ゆっくりと慎重に読み進めていきたい。
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