見出し画像

レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用したゼミナール2022~2・3年生合同WS その1

 本記事では5月7日(土)に2・3年生合同で実施したゼミでのワークショップについて紹介する。

最初はテーマについてしっかりと説明する

 スタートは午前10時。天気は良く、緩やかに風も吹いていて、教室内は換気の具合もちょうどいい。まずは1日かけてワークショップの狙いについて説明する。長いものであればあるほど「何をしているんだっけ?」と先が見えなくなってしまうので、自分達が進んでいく道のイメージを先に持ってもらうことを心がける。

 テーマは「世界をより広く多角的に感じ、私たちの活動の方向性をみつけよう」とした。少し抽象的にしているので、なぜこのテーマか具体的に噛み砕いて話す。

 普段いろいろな情報に接していても、それをつなげて大きな絵や図として考えていかないと、さまざまな情報はバラバラのままで力を発揮できません。より大きく高い視点、これは「鳥の目」と言われることもあるのだけど、自分の頭の中に知識の網の目をつくっておいて、その中に関連づけておくと、学んでいることの意味もより感じられるようになるし、知識も引き出しやすくなる。
 つまりこれは、みなさんの中に眠っている能力を引き出し高めるのにもとてもいいのです。
 また、読む本を選んだり(2年生の活動)、ワークショップのテーマを考える(3年生の活動)時も、さまざまな候補の中で優先順位を考えやすくなります。
 知識の網の目つまりネットワークは、簡単に作れるものではないけど、今日のワークショップを通じて今まで知ってきたこと、自分が感じていることを整理して、お互いをつなげる1日にしていこう。それは自分1人でやるよりも皆でしたほうが、よりよいものになりやすいので、みんなでしていきます。
 この知識の網の目づくりを通して、これから自分の大切なエネルギーを注ぐだけの価値があると感じられるテーマやキーワードを見つけることが今日の狙いです。そして、それを見つけるための道具として、みなさんも少しずつ慣れてきたと思うけど、今日もレゴ・ブロックを使っていきます。

 イントロダクションにしっかりと時間をかける意識が高まったのは、ここ2〜3年ぐらいのことだ。このメソッドを学んだ当初(8年以上前)はそれほどテーマについて位置付けや意義づけの説明をしなくても、レゴによる作品作りそのものが楽しいプロセスであるというのもあり、テーマについて作品を作ってもらいお互いに語り合うぐらいで済ませている限りは問題はなかった。

 ここ2〜3年では、私自身、参加者にそのテーマについてより深く意味を探り、さまざまな可能性を考えさせたいという欲が出てきた。そこで、作品同士をつないで大きなシステム図を作るワークをするようになった。

 このシステム図を作るワークは、作品の眠っている組み合わせの可能性をいろいろと考えていくので、複雑なジグソーパズルを組み立てていくときのようなうまくいかないストレスがかかる感覚が生まれる。参加者に求める思考のレベルをあげていくと、このストレスは単にレゴの「楽しい」では乗り切れなくなる。そこに「意義がある」を上乗せしていかないと、途中で集中できなくなってしまうのだ。

 また、朝の時点で、ホワイトボードにワークショップのロードマップを書いておき、参照できるようにした。パワポのスライドにしなかったのは、途中で柔軟に内容を変更できるようにするためである。ちなみに時間と赤の部分は進行に合わせて追加で書き加えている。

ウォーミング・アップ

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎のための基本的なブロック・セットを配ってまずはタワーを5分ぐらいで建てさせる。「ウォーミングアップだから、手を動かすことをとにかく大事にして。手を動かすと脳にもどんどん刺激が入って頭がキレキレになるよ。」と声かけをする。

 一番経験の少ないメンバーでも、タワーは2回は建てているので、行き慣れた道という感じでワークに入ってもらえる。4月の間のゼミで、他のことよりも優先順位をあげてレゴ®︎シリアスプレイ®︎のワークを実施してきたことが活きてくる。

 タワーを建て終わった後に、モデルを良く見て自分の気持ちをその中に見つけ出すということがポイントであると指摘し、今の自分の気持ちをタワーで説明してもらう。

 タワー建てを複数回経験させると、参加者は過去の経験を思い出し、その回独自のチャレンジや表現の工夫をし始めることが多い。なので、1回目よりもずっとタワーについて語りやすくなっている。それがワークに対する自信につながり、次のワークでも恐れずチャレンジしてもらえることにつながっていく。

 シンプルだけど、とても使い勝手の良いワークだと思います。タワーに始まり、タワーに終わる、2時間ぐらいのワークショップ考えられないかなぁと思ったり。

 ウォーミングアップ後のワークの話は次回(その2)で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?