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思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(12)「つなげる・広げる・吟味する」

 今回はこの本の中で紹介されている「つなげる・広げる・吟味する」という思考ルーチンをとりあげる。

 この思考ルーチンは事項どうしをつなげる努力を通じて、よりよい疑問を抱かせるように導くことを狙いとしている。

 具体的にはある資料(文章でもビデオでも施設見学でもよい)に触れさせたのちに、以下のような問いを投げて進める。

 <つなげる>
 「今、聞いた考えや情報は、もともと考えていたことや知っていたこととどう結びつくか」と問いを投げ、考えさせる。まずは一人一人で考えさせるのがよい。

 <広げる>
 「新たな考えや情報を得て自分の考えがどうひろがったか、新しい方向に広がったり、深まったりしたか」という問いを投げ、考えさせる。これもまずは一人一人で考えさせるのがよい。

 <吟味する>
 「新たな考えや情報を得て、おかしいと思ったことや本当かなと思ったことは何かあるかな」という問いを投げ、考えさせる。これもまずは一人一人で考えさせるのがよい。

 この3つの角度からそれぞれ考えさせたのちに、ペアやグループで発表させる。最終的には模造紙などにまとめさせて教室全体で共有するのも効果的である。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「つなげる・広げる・吟味する」

 この思考ルーチンを、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおいて使うならば、モデルを作らせてモデルの含むストーリーについて共有を行い、モデルについての問いかけが終わった後、もしくはワークショップの振り返りに相当する場所が良いと思われる。

 自他のモデルについてのストーリーを聞いているときに「つなげる」「広がる」「吟味する」に相当することを考える参加者が存在しないわけではないだろうが、そこまで考えられる人は多くないと経験上、感じる。

 なので、この思考ルーチンのやり方のように、改めて時間をとって、モデルを通じて得られたストーリーの意味を深掘りさせるために、この振り返りをじっくりとさせることには価値があるといえる。

 できれば、この振り返りのあとに参加者の次のアクション(行動変化)を考えさせたいところである。特に「吟味する」については、問いをもったときに調べると記憶にも定着しやすいので、取り組ませる価値はある。

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