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思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(20)「主張・根拠・疑問」

 今回はこの本の中で紹介されている「主張・根拠・疑問」という思考ルーチンをとりあげる。

 ここでいう主張は、かなり幅広いものを指す。「そこに起こっていることに関する説明」というぐらいで考えればよい。
 この思考ルーチンの狙いは、この主張の真偽を理解するときに内容の妥当性ではなく、根拠から判断するという態度をつくることにある。

 進め方の一例としては以下のようになる。
(1)「主張」と何かについての説明をする。
(2)ある話題について「主張」を思い出させる、もしくは聞いたことをもとに「主張」を作ってもらう。「主張」は言葉としてカードや模造紙、ホワイトボードなどに書き出す。
(3)その「主張」についての根拠を出させる。根拠は言葉に書き出させ、主張のすぐそばに並べさせ、関係をじっくりと考えさせる。
(4)一旦、根拠を棚上げしたうえで、「主張」のみに戻り、その主張を批判的にとらえさせる。すなわち、逆の主張が成立するか、主張への反証があるか、何らかの疑問がわくかについて考えさせる。改めて主張が正しいと確信するためにどのような疑問をクリアしなければならないかを考えさせる。
(5)これまでの一連の「主張」に対する活動を一覧できるようにまとめてみる。さまざまな「主張」を「非常に信頼できる」から「非常に怪しい」までランク付けをしてみるのもよい。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「主張・根拠・疑問」

 レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのワークにおいては、まず問いに対する「主張」をモデルとして作ることになる。この思考ルーチンは、モデルを作ったのちに、そのモデルを深めるために役に立ちそうだ。

 非常にシンプルな導入方法としては、自分が作った主張としてのモデルの正しさを裏付ける根拠はなんであるか、各自で振り返ってもらい、モデルを説明するときのストーリーに追加してもらうのがよいだろう。もし、可能であれば、その根拠についてもブロックで表現してもらってもよい。

 疑問についても、同様に自分が作ったモデルに対して行うのがよい。
 他人のモデルに対して「疑問」をぶつけるということになると、モデルではなく、自分自身が否定されたとの感覚にすり替わってしまうリスクがあるからである。

 自分のモデルが含む主張に対して「疑問」をぶつけることは、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを使ったワークでは、あまりされないことである。

 しかし、自分自身の考えを深めるためには、自分の中のあたりまえに「疑問」をめぐらせる時間も必要であることに気づくきっかけをあたえることができるかもしれない。

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