思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(4)「思いつくこと・わからないこと・調べること」

 今回はこの本の中で紹介されている「思いつくこと・わからないこと・調べること」という思考ルーチンをとりあげる。

 このルーチンの狙いは、自ら調べたいことを発見させ、調べるという行動につなげるためにある。

 まず、あるトピックについて「思いつくこと」を出させる。ここでは頭に浮かんだことを出させることが大事で、思いついたことが正しいかどうかは問わない。

 続いて、何を知りたいか、関心を持ったことは何か、について尋ねる。出された疑問や関心はリストアップしておく。

 最後に、その疑問や関心をどうしたら調べられるかを考えて意見を言わせる。「誰に聞いたらいいか」「どこに行けば情報が得られるか」「検索語を決めるには何がいいか」などを問いかける。もちろん「それを自分で調べるにはどのような方法がいいか」という調べる方法の選択という観点から考えさせても良い。

レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「思いつくこと・わからないこと・調べること」

 レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを、この思考ルーチンと絡めて使うときに大事となるのは、扱う「トピック」の性質によると思われる。

 例えば、「魚」というトピックであれば「水の中でないと生きられない」「うろこがある」「様々な色の種類がある」「同じ種類が一緒に行動する」などが出されることが想定される。
 これに関して「わからないこと」は「水の中でどうやって息をしているのか」「うろこのない魚はいるのか」「一番魚で多い色は何か」などがあげられることが考えられる。
 このような一連の考え(思いつき、から疑問へ)は非常に断片的なので、ブロックでモデルを作って表現しにくいし、考えにくい。

 一方、「学校内いじめ」というトピックであれば、ブロックで「思いつくこと」のモデルをつくることができる。「学校内いじめ」というトピックには様々な関係者がいたり、感情やお互いの行動などが絡み合っているからである。断片的な情報を整理したり、その整理の仕方に自分の思いを反映させることができるのがレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドの特質である。

 そして「わからないこと」はブロックで作ったモデルに絡めて出てくることになる。いじめの場面がそのモデルで表現されているならば、「いじめる側はなぜいじめるのか」「どうして周りの人は傍観しているのか」「いじめられる側が復讐するのは良いことか」などが上がってくる。

 「わからないこと」についてモデルの引力が強いということには、一長一短あるだろう。つまり、ワークショップ全体の目的次第であるといえる。このような性質をよく理解した上で、レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用することが求められるといえよう。

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