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学習共同体とレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッド

 参加者相互が刺激しあってお互いに学び成長する場を作ることは、多くのワークショップにおいて目指したい場であるだろう。

 その点については、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドでも同じである。

 ではそのような場とはどのようなものか、以下の本によれば、一つの考え方として「学習共同体」を作ることを目指すという考え方が教育学で現れているという。

 この「学習共同体」の特徴としては、
(1)メンバーの間の熟達の多様性と相互尊重
(2)知識やスキルを継続的に発展させようとの共通認識
(3)学び方の学習の重視
(4)学習したことを共有する仕組み

があるとのことである。

ファシリテーターのつくる「学習共同体」

 レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを学んだファシリテーターたちの多くは、自らのスキルを高めるためにコミュニティを形成している(私もその一員である)。
 まさに上記の(1)~(4)は、そのコミュニティを健全に発展させるために必要であると経験上、強く感じる。
 ただ、この中でも、やや(3)の学び方の学習については、コミュニティ内でじっくりと意見交換ができていないかなと感じた(とにかく即行動、100回の実践という金言があってそこで完結している感じもする)。

ワークショップの中で参加者が作り出す「学習共同体」

 また、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのワークショップを「学習共同体」ととらえ、意識してファシリテーションするということも考えることができる。
 それぞれ、以下のように注意して進める必要があるだろう。

(1)メンバーの間の熟達の多様性と相互尊重
 多様なメンバーでグループ編成をするようにする。過去のレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの経験者も混ぜていくほうがより豊かな場になる可能性がある。ただ、その分、経験の差によって参加の度合いがバラバラにならないこと、かつフロー状態に全員が入れるようにすることが肝要である。

(2)知識やスキルを継続的に発展させようとの共通認識
 ワークショップを通じた皆の成長や学びが大事だということを、ファシリテーターからの話や声掛けによって参加者の意識をそこに向けさせる。また、コア・プロセスの振り返り部分で、何を学ぶことができたかについて考えさせる。
 プログラムの構成の工夫によりこの認識を上げていくこともできるかもしれない。問いが求める思考の抽象度を上げたり、使用する応用技術(アプリケーション・テクニック)の難易度を上げていくことによっても知識やスキルの継続的発展の意識を高めることができる。

(3)学び方の学習の重視
 基礎演習で一つ一つのコア・プロセスのステップを重視すること、ランドスケープによる分析やコネクション・パーツの有効な使い方などの熟達を意識させる。また、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを通じてしかわからないことやこのメソッドをうまく参加者として使いこなすことを考えさせる。
 特に作品への問いの投げ方などはワーク全体の成果に直結するので、参加者にうまく教えることには価値がある。

(4)学習したことを共有する仕組み
 基本的にはこの共有は、コア・プロセスの中に組み込まれているといえるが、コア・プロセスは少人数グループを想定したものなので、人数が多くなってテーブルを分けなければならなくなった時に相互の学びを全体で共有する方法は工夫する必要がある。
 また、ワークショップの参加者と参加者以外の人々の間での共有も大きなポイントでそこまで設計できるとなお学びの効果は大きくなるといえるだろう。

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