実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(4)維持・向上
上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えている。今回は発展モデルの第4段階である「維持・向上」である。
<実践コミュニティの発展段階>
1.潜在
2.結託
3.成熟
4.維持・向上
5.変容
4.維持・向上の段階の活動ポイント
この段階では、実践コミュニティのメンバーのうちの一部の人が、その実践領域の活動について誇りや義務感を持つようになる。
それは、実践をある一定の水準を保つように作用するとともに、その水準に見合わないものを排除したくなるような誘惑が生まれ、結果として新たな人々とアイデアに対する開放性を損ねるリスクにもつながる。
コミュニティのカルチャーとして暗黙の了解が出来上がってしまった場合には、そうした排除の雰囲気のリスクにも気づきにくくなる(オープンな文化である場合もあるので全てのカルチャーが悪くなるというわけではない)。これを克服するために、外部の別の組織やコミュニティと新たな関係を持つ(交流したり合同プロジェクト的な活動を行う)ようにするか、もしくは優れた実践をベンチマーキングすることを著者たちは推奨している。
新たな人々が入ってくるばかりではなく、これまで中心的なメンバーだった人々が実践コミュニティから外れることも起こってくる。そのことを考えると、新たな世代の指導者を育てておくことも大事になる。
また企業などの組織に付随する実践コミュニティの場合には、付随する先の組織に対して発言力を持つことを求める気持ちが高まってくる場合があるという。そうした人々にどう対応する(対応されたときにふるまうのかも)のかも課題の一つになるという。
レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで「成熟の段階」のコミュニティをどう支援できるか
自らの実践コミュニティ(組織もだが)のカルチャーは、自ら目に見えにくい。そのため、そのカルチャーについて可視化し、語るセッションは見えないものを可視化するレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの真骨頂の一つであり、実践コミュニティを支援できる大きなポイントである。
また、実践コミュニティの活動をマンネリ化させない新しいチャレンジがどこにありそうか、ということについてもレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドによるセッションによって支援することができる。これについては、先ほどのように潜在的な機会を言語化するという側面もあるが、それ以上に新参者からベテランまで様々な背景をもつひとびとが平等な立場で話し合いに参加する場づくりができるという、もう一つのレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの特長が生きてくる。
これらの観点から「維持・向上」段階の実践コミュニティをレゴ🄬seriousプレイ🄬メソッドは支援できそうである。
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