さよなら、来たかった店

やっとこれた、評判のカフェ

今日、ずっと来たかったカフェに来た

旦那にひたすらお願いし、来店

「めちゃくちゃ混むから、並んで」
ってお願いした矢先、タバコを吸い出す

(いや、だいぶ人に抜かされてるよ)
せっかちな私は、イライラする

だが来てくれたことに
一緒にこれたことに感謝しなくては

思い直し、行列に並ぶ
「あれ?貼り紙」
見ると、2日後に閉店しますと

「いや、やっとこれたのに最初で最後?」
娘達とも来たかった
もう叶わない

こうやって、来たかった店は人知れずなくなってゆく
スクショに貯まった行きたい店
もう何件閉店したのか

好きな店はやはり、足繁く通うべきだな
コロナ禍以降、なくなってゆくものの
なくなる速さが加速している

毎年母に送っていた、干し椎茸
お中元のカタログにはあるのに
売り切れになっていた

百貨店にいくついでに、お店の人に尋ねる
「干し椎茸売り切れですか?」私は尋ねた

「残念ながら廃業されたんです」
もう何十年もお願いしていたものが
気がつくと手に入らないものになっていた

(この店の味も、もう口にはいらないな)

これからは、大事に思う味の店にはできるだけ通おう

なくなってから、店の偉大さを知ることだけは避けなくては

食い意地だけは一流の私は
今、誰に言われるでもない
「我が家のお気に入りの店を守る会」
を立ち上げた

まだ会員は私のみだが
きっと今日、同じカフェに訪れた人も
どこかで「お気に入りの店を守る会」を
立ち上げたに違いない

同士たちよ、共に守ろうお気に入りの店を



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