並ぶのこそ最高の調味料

並ぶそれは美味しさを倍増させる


人間は限定に弱い

私は限定、限られるとどうしても気になる

ブランドバックや装飾品、人にはいろいろ欲しいものがある

私は近所の焼き菓子屋で不定期にある、限定品にまさに今並んでいる

多分、毎週とかならそんなに固執しないだろう
ただ、年数回の不定期だ

前回買えなかった、それだけが心残りで今日を迎えたのだ
1時間前に来て、二組前で売り切れた

あーしくじった

もう、失敗した喪失感しか残らなかった

もう、あの失敗は繰り返すまい
その一念で今日は1時間半前に来店

ただ、誰もいないと
(私間違ってない?)
その不安しかない

人が並びはじめた
代えがたい安心感

色々聞かれ
「いつものだけだから、後来ます」
と帰っていかれた

すみません、店の損失?いやまた来るって言われてたから大丈夫

自分に
(もう店のストーカーやん)
と突っ込みを入れる

行列の店の番組をみて
「あんなに並ぶの大変やわ」
と言っていた自分に喝をいれたい

並んで食べる、それこそ醍醐味だ
ディズニーランドだってUSJだって並んで乗れた時のあの高揚感
なににも代えがたい

おそらく、私はこの限定品を食べると
「めちゃくちゃ美味しい」
と家族に美味しいの強要をするだろう

家族からは冷めた目で
「美味しいけど、並ぶ程?」
と言われるのは分かってる

だが、私には並ぶというワンアクションの
調味料がかかっているから、苦労して手に入れた満足感というスパイスもかかっている

「そりゃあ、私のほうが美味しく感じるに決まってる」

簡単に手に入る、待っていたら口に入る彼らとなんら違うものは食べてない

ただ並んだ私だけの付加価値という、最高の調味料なのだ





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