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私、28日間。元気に働きたいんです。ー月経随伴症状と共に働くということを考えるー

皆さん!こんにちは!
産業保健師の🦒きりん🦒です

今回は、「28日元気に働きたい!」けど、それって実は月経があると結構大変なの!
毎月毎月、もうほーんとやんなっちゃう!
でも、気軽に周囲に相談できる訳でもなく悶々モンモン…
というそこのアナタ!
周囲にそんな悩みを抱えている人を見ているアナタ!

今回はそもそも、月経随伴症状:「月ものにまつわるアレコレ辛い事」って結局何よ?
と。その仕組みや働く女性の現状、対応方法等についてご紹介!

どんなに努力をしても、月ものにはかなわないのか、、、、。

私だって、28日フルパワーで働きたい!活動したい!
そんな皆様の日々の生活&活動の一助となればと🙌

では早速、今日も参りましょう🦒(気になるページに目次で飛ぶもヨシッ!)

補足【28日間の表現の意味】
月経は大体28日周期で訪れます。
※基準値:25-38日周期 (参考文献1p.78)
要するに大体28日毎に「月経随伴症状」のサイクルが回ってくるのです。
月経随伴症状により、活動力が下がってしまうと…。
28日間元気に働くことって実は難しい…に繋がるんですね。

1.そもそも月経随伴症状って何?

「月経随伴症状」って漢字がガチャガチャして、小難しい気がしますが、
簡単に!「月経に関連する不調の総称」という認識で良いかと思います。
月経が聞きなれない場合は、「生理」という名前は良く耳にするのではないでしょうか?
そちらに置き換えて見るもヨシッです。
労働基準法では「月経での不調でお休みを取る場合」を「生理休暇」としているので、そちらの方が馴染みがあるかもしれませんね👇
※「生理」という言葉は「生理休暇」から来ているなんて俗説があったり、なかたり…
【生理休暇(労働基準法第 68 条)】
生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その者を生理日に就業させることはできません。

まとめると、月経随伴症状は、月経(生理)前、月経中の数々の不調。その総称。
※医学的には、月経随伴症状=月経困難症+月経前症候群(月経前緊張症)
と定義されているようです。(参考文献1,p78より)

さて、月経中(生理中:以後月経と書きますね)は出血する。お腹が痛いらしい。
というのは何となく聞いたことがあるけど…
月経前も不調?というか、何故出血?え?毎月?痛いって何がどうした?
という所から少しずつ繙いて行きたいと。
そして、そこの仕組みを知ることで、対処がおのずと見えてくる!
霞がかった、月経のアレコレ。早速見て行きましょう!

あ、そうそう。

読んで字の如く「月経」は【生理現象】なわけです!

生理的なモノ。
生きるために、次世代の命を繋ぐために。自分の力ではどうしようもない現象。
…。でも、実は月経はどうしようもなくはない!
今日は、そこも一緒に見て行きましょう🦒

2.月経の仕組みと月経随伴症状

月経の細かい仕組みは、以前のnoteを参照してください🦒👇✨

月経は排卵を要(→受精/着床:要するに赤ちゃんを迎える)として、様々なホルモンが織りなす「遺伝子を次世代に繋ぐ為の生理現象」。
そして、脳と卵巣のスーパーコラボレーション。(語彙力)

月経は出血することに目が行きがちですが、月経(出血)は「今回の排卵では妊娠しなかった証」という意味を持つと言われています。

月経周期にて注目すべきは
出血ではなく【排卵】という事と解釈するでヨシッ
と個人的に考えます。
※無排卵月経というものもありますが、ここではちょっと割愛しますね。

【排卵】目に見えないので意識のしようがないのですが、
よく教科書で見る下記図👇ちょっと【排卵】に注目して見てみましょう!

スクリーンショット (1152)

おお!
なんか【排卵】が中心に見えて来た!
(決して図のせいではないですよ!多分)

いくつかポイントがありますが、今回のテーマでこの図から読みたいこと
1か月に排卵を中心にして大きく分けて4つの時期がある(季節みたい!)
①卵胞期(卵胞が育つ時期)
➁排卵期(排卵する時期/卵子が卵巣を飛び出す時期)
③黄体期(赤ちゃんを迎える準備をする時期)
④月経期(赤ちゃんが来なかったから、準備したものをリセットする時期)
特に注目すべきは黄体期&月経期 

ここが月経随伴症状を知る為に大切な部分となります。
それぞれを随伴症状と一緒に見て行きましょう!

①月経期
→そのまま、月経中のこと!
ここでの随伴症状は主に月経困難症!
定義:月経に伴い日常生活に支障をきたすほどの苦痛が生じ、治療を要するもの。
症状:下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、悪心、頭痛など
(参考文献2.p41より)
※月経困難症は、「機能性(原発性)」「器質性(続発性)」があります。
「機能性」:器質的疾患のないもの(自律神経失調症など)
「器質性」:子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮奇形、子宮筋腫、腹腔内癒着等

もちろん、月経困難症までは至らなくとも【不調】はあります!
月経がある限りホルモンの動きは誰にでもあり、それによって引き起こされる不調は大なり小なり誰にでもあります。
なので、単に周囲と比較するのではなく、自分の不調も大変なのよって労って下さいね。
さて、不調とそのメカニズムを見て行きましょう!👇
(ここでは、主に機能性月経困難症→病気でなくも起こる現象をお話します)

(1)まず、何かと痛い
さて、この痛みのメカニズム!犯人は「プロスタグランジン」さん
この方、元々子宮内膜から分泌されているのですが、
①今回の排卵では赤ちゃんやって来ませんでした…。という知らせを受ける(ここは、黄体ホルモンの寿命が終わるというのと繋がりますね!)
➁じゃあ、一旦子宮内膜を剥がして次の排卵に向けてリセットしよう!となった時に子宮の内膜から大量に分泌され、子宮を収縮させる
という働きでグイっと前に登場します!

子宮を収縮させて、しっかりリセット(子宮内膜を剥がす)為には、必要不可欠!生理現象!これも人間の身体の仕組みを垣間見れて凄いですよね。

じゃあ、具体的になぜ悪さ(様々な痛み)に繋がるのか?
一番これが分かりやすかった図!として下記イメージを引っ張ってきました。

画像2

上記図は持田製薬のHPからお借りしています。
(出典元 持田製薬:ワタシのカラダケア用語集より)

細かいことはさておき、「プロスタグランジンさん」が過剰に分泌され様々な不調を期待している。
というイメージで!
そして、その分泌量やキャッチする側の状況に応じて、痛みの出方や痛む場所、症状が異なります。
ですので、痛み止めの薬が不要な方も居れば、起き上がる事も出来ない位痛い!痛い場所や不調の出る場所は個人差がある訳なのですね。

なお、月経中の吐き気やむかつき(胃腸の症状)は上記の図からも分かるように「プロスタグランジンさん」の仕業と言われています。
お腹を下してしまうというのとか、なんか食欲湧かないとかも、月経随伴症状の1つと捉えても良いかなと個人的には思っています。

(2)出血するということ
子宮内膜は血管の宝庫。下記の図を見て頂くともう、一目瞭然!

スクリーンショット (1144)

よく見かける月経周期の中にもこんな図👇がありますよね。
これは月経周期における子宮内膜の変化を表す図です。

スクリーンショット (1142)

何かクルクルした血管が見えますね!コレ「らせん動脈」って言います。
これ、胎盤や胎児(赤ちゃん)に栄養を運ぶモノなのですが、赤ちゃんが来ないってわかって内膜が剥がれる時に、一緒に退縮(ま、そのままの意味で退く訳ですね)します。
※コレ、エストロゲン,プロゲステロンの急激な低下により虚血性変化が起こり退縮するのです。

そして退縮と共に子宮内膜が剥がれ落ちて、排出されるのが、出血のように見えるので、よく「出血する」と言われるのです。
医学的には、「消退出血」という言葉で表現されますが、THE血がドクドク出るというよりは、
子宮が数日間かけてギュッとカサブタを押し出している
というイメージがあると良いかもしれません。
もちろん、かなりの経血が排出されるので、月経の量が多い方は「貧血」にもなります。

特に、子宮筋腫(主に粘膜下筋腫)や子宮内膜ポリープ、子宮内膜症などの疾患がある場合は出血量が多くなると考えれます。(なぜかはそのうち各論note書きますね📝)

出血量は一応定義がありますのでチラリ👇
過多月経:1回の月経量が140g以上(参考文献1p.92より)
正直、量は測れないので、臨床的には
・夜用のナプキンが3時間であふれるとか、
・ナプキンでは押さえられないからタンポン入れて過ごしちゃうとか
と問診では伺うことが多いです。

そんなこんなで、色々痛いわ、お腹の不調はあるわ出血するわ。
月経中は辛いのです。

そして、そこに子宮や卵巣の病気が重なると、、、、
わ。もう想像を絶する不調になりそうですね。
月経にまつわる困難が28日周期でやってくること、3-5日間程度(長い人は7日ほど)続くって、、、。
でも、外には見えないし。そんな中でも生活しなきゃ(働かなきゃ)いけないって本当に辛いですよね。

➁月経前はホルモンがガタガタ!
以下の図にもあるように、黄体が退化する頃、血液中の「プロゲステロンさん」「エストロゲンさん」が減り、何だかホルモンの動きの雲行きが…。何か起こりそうですね…。

スクリーンショット (1154)

さて、ここらで登場するのが
かの有名な「月経前症候群」(premenstrual syndrome : PMS)

はい。ピーエムエス!

【月経前症候群(PMS)とは?】
月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。
出典:日本産科婦人科学会HP

え?長いと10日間も?精神/身体症状がありますって?
それは、、、毎月ですよね。ええ。はい。月経随伴症状ですから🦒
月経の周期に合わせて繰り返されますの。

なんで起こるの?
「分かりません、このPMSは正直原因がはっきり分かっていないんです

同じ日本産婦人科学会のHPには下記の記載がありましたので、ご参考まで。

PMS:原因はなんですか?
女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。
排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、PMSの原因と考えられています。
しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、PMSは女性ホルモンの低下だけが原因ではなく多くの要因から起こるといわれています。

ふむふむ。とりあえず、有力なのは、ホルモンの急激な低下なのですね。
(なので、対症療法以外に、選択肢としてホルモン療法がある訳ですな)

では、どんな症状があるのでしょう?
色々ありますが、同じ日本産婦人科学会のHPより
『精神神経症状』『身体的症状』を引っ張ってきました。

精神神経症状:情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、
身体的症状:腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。
※とくに精神状態が強い場合には、月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder : PMDD)の場合もあります。

うわー。これまた辛い!特に、精神的に辛いのね!(身体不調もあります)
この後に月経が訪れると思うと、
メンタル→フィジカルのダブルパンチ!
が待っているんですね。
因みに、診断基準は下記のようです。見易い絵を貼ります。(京都新聞2019年12月7日より引用)

スクリーンショット (1146)

うーん。
PMSも辛い!

ここで、よくよく振り返ってみましょう!

「月経前症候群(PMS)」:月経前10日間程度
「月経中の不調(主に月経痛)」:月経中5日間程度
計約15日不調?????

スクリーンショット (1158)

月の半分、不調!!!!!!???

あ、あの。28日元気に働きたいんですが…私…。
それって、生理的に難しいってことデスカ??

🦒そうですね。個人差はあれど、月の半分、自分だけの力ではコントロール不能な不調がある可能性がある。
それが、月経随伴症状なのです。

そ、そうか…。生理現象にて、こんなに元気を奪われているのね私。
な、何とかしたいわ!

(🦒治療法については最後にお伝えしますね)

3.月経随伴症状と共に働くという事を考える

さて、ではちょっと産業保健っぽく"働くこと"についても考えて行きたいので、現状把握から参りましょ。

皆さんもおなじみ、ここで結構お世話になるのが経済産業省さんの調査達や論文さん達。
それぞれちょいと覗いてみましょう!

経済産業省の資料でも使用されているかの有名なコチラ👇(参考文献5)
2011年に15 ~ 49 歳の日本人女性 ( n = 21,477)を対象にした調査
Burden of menstrual symptoms in Japanese women: results from a survey-based study. 
※元の文献はPubMedに全文掲載されていたので、じっくり読みたい方はどうぞ!🦒

■月経随伴症状ってどのくらいの人が悩んでるのでしょう?
日本人女性約2万人の調査結果から、月経随伴症状に悩む女性が74%ほど

■そもそも、どのくらい月経随伴症状にて労働力が失われているんですか?

スクリーンショット (1160)

「月経随伴症状による1年間の社会経済的負担」総額6828億円!!!!
全体の71.9%(4911億円)が労働損失(仕事の生産性の損失)ですって!
※欠勤、作業量または時間の減少、および効率の低下によって失われた平均労働日数等より算出
不調アレコレによって、仕事の生産性が下がった結果、かなりの社会経済的負担が増えているのか…。

この調査により、
多くの女性が月経随伴症状に悩み、労働生産性が低下して、多額の社会経済的負担が掛っていることが見えてきますね。

また、
働く世代が抱える見過ごされている健康課題への対応の必要性より)
生理痛や月経前症候群など月経前後の症状が仕事に影響があると感じる働く女性は、86.6%
であり、うち半数近くの女性従業員が「仕事に集中できない(55.6%)」「仕事へのモチベーションが上がらない(53.0%)」「業務効率が普段より低下する(49.8%)」といった業務のパフォーマンスへの影響があると回答した。
という調査結果もあります。

※株式会社エムティーアイニュースリリース 2020 年 1 月 30 日「ルナルナ」による生理痛や PMS の仕事への影響とピル服用に関するアンケート(調査実施期間︓2020 年 1 月 10~14 日、調査対象︓10~50 代以上の働く女性 2094 人)

やはり、前項でご紹介した不調を抱えて、仕事に影響が出ないわけないですよね。
働く女性の月経関連障害及び更年期障害のQWL(Quality of Working Life)に及ぼす影響に係る研究・開発、普及
「 月経関連障害の働く女性のQWLに及ぼす影響に関する調査・研究」からも
多くの就労女性が「仕事は休まないが能率が悪い」と回答していたとの報告もあるようです。
休むには至らず、出勤しているけどパフォーマンスが出ない…。うーん。
プレゼンティーズムですね🦒

【用語の定義】 
プレゼンティーズム:従業員が職場に出勤はしていている(present)ものの、何らかの健康問題によって、業務の能率が落ちている状況

データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン p.23より

また「働く女性の健康推進」に関する実態調査からも、月経関連の症状で女性従業員が困っているという結果が出ています。
※図は経済産業省資料(参考文献5p6-7)👇

女性従業員、60%結構困ってるみたい🦒
しかも、そのうち74%が月経にまつわる件。

(PMSは別立てですが、PMSでも困っている人48%いるのね)

一緒に注目したいのが、横並びで掲載されているコチラ👇

スクリーンショット (1165)

管理職も月経関連の症状や疾病で、困ってるみたい🦒

また、この調査内でヘルスリテラシーの向上も取り上げられていました。

【管理職・男性・女性共通設問】(単数回答、n=4200)
『女性の健康課題が労働損失や生産性等へ影響していることについて、70%以上の回答者が知らなかった・わからないと回答』

ので、まずは、女性従業員の皆さんは勿論、管理職/男性従業員の皆さんにも
月経にはそれにまつわる特有の不調があること(出来ればその具体的な内容も)、これだけの影響を及ぼしている事、そして、それをサポートする方法があるということを何かしら情報発信してジワジワ広げて行きたいなと思う今日この頃の🦒

月経をコントロールして元気に働くために、できる事があるよ!

このnoteを読んで頂いている皆さんの、
どこかの引き出しにコッソリ入れておいて頂き、広がって行くと良いなと思います🦒(KU☆SA☆NO☆NE)
では、次項にて治療法(出来る対処アレコレ)について見て行きましょう!

4.治療法アレコレと婦人科の話

ここまで、「月経随伴症状は生理的」です!
なので、根性論とかではなく、もう仕方ないんです。
お腹が空くのと同じなんです。
そして、労働生産性の低下にも繋がっていて、社会的に取り組まなきゃいかんのです!
でも生理現象なんです。
とか散々アレコレ言って参りましたが…
ここでは、治療についてご紹介したいと思います。
(婦人科で治療することで、症状を和らげることが出来る場合があります!)
月経をコントロールするホルモン療法アレコレ。
詳しくはコチラ👇!

要するに、ホルモンをコントロールして、排卵自体を止めちゃえ!
ってことですね。
排卵がなければ、黄体期も月経期も存在せず…。
そもそも月経がないので月経随伴症状もないよ!ってことです。
OCやLEPによる消退出血は通常よりも少なくなることが多いと言われているので(特に超低用量ピルの場合は)月経困難症の治療薬として、使用されます。
IUS(ミレーナ)は薬を飲まない治療法として、とても楽チンかつ経済的ですし、月経困難症では保険も適応されるという!

※ホルモン療法をしても、ホルモンを完全になくしているわけではない事、消退出血等が出るものもあるので、全くキレイに全てが消失するわけではありませんこと、補足しておきますね。

え?排卵を止める?そんな神様に逆らう事をしても大丈夫なの?
と思ったそこのアナタ!
上記noteチラ見していただきつつ、婦人科の門を是非叩いて頂きたいと思います!
※いきなりホルモン療法は…。と抵抗のある方には漢方薬などを体質や症状に合わせて処方をしてもらう事も出来ますので、やっぱり婦人科の門を…。
そして、直近で妊娠を希望されている方は、ホルモン療法は使えない為、その辺りも上手く婦人科の医師と相談されると良いかと思います。

今回は「生理的」な月経にまつわるアレコレを中心に話をしてきましたが、生理的と思っていたら、実は病気だったということもあります。

正直、婦人科の病気は目には見えません。
子宮内膜症も、子宮筋腫も、その他の病気も
重い月経痛の中に隠れているかもしれないのです。
そしてこっそり、月経随伴症状パンチの威力を倍増しているかも🦒.…
以前のnoteでもお話したように、子宮頸がん検診単独では、そういった疾患を発見することは出来ません。
※子宮頸がん検診も勿論とっても大切なので是非受けて下さいね!

ですので、ご自身も周囲の方でも「月経は辛いもの」で片づけず、対処が可能かもしれない!と婦人科を気軽に受診して頂きたいのです。

4.まとめ

この回で私が一番伝えたいのは
「辛い月経随伴症状、1人で抱えて我慢しなくても良いのですよ」という事です。

「月経痛が辛い、PMSが辛い」というのを、「生理的だ。我慢せねば」と、捉えずに「医療の力で何とかなるかも!不調を減らす方法を一緒に考えませんか?婦人科で🦒」というメッセージを受け取って頂けたら嬉しです。

ただでさえ、昔に比べて排卵の回数が激増した昨今👇

いつかのnoteで書きましたが
・初経(月経の始まる年齢)が若年化した事
→月経を味わう期間が長期化された
・生涯子を産む人数が減ったこと事
→妊娠中は排卵が止まる(授乳中もそうでありやすい)為、月経の回数が減るが、昨今1人の女性が生涯に子を産む人数が減っているため、月経の回数が増加している

そして、性差関係なく貴重な労働力として社会から求められるようになった昨今。(ポジティブに捉えてヨシッ!)

月経を抱える性だって、元気に過ごしていきたいじゃありませんか🦒

性(身体の機能として卵巣や子宮を持つこと)は、自分では選べません。
辛い月経を抱えなければならない身体も自分では選べません。
ただ、月経に関連する不調を少しでも楽にする方法は選ぶことが出来ます。

今回は、
・何故28日元気に働くことが月経のある性では何故難しいのか
・月経随伴症状によって「パフォーマンスが落ちてしまう現状」
・28日間元気に働くヒント

についてお話させて頂きました。
少しでも楽になる方法が選択できる!ヨシッ!🦒という輪が広がって、
イキイキ働く、イキイキ活動することに繋がると良いなと願いを込めて!

今日も、お付き合い頂き、ありがとうございました🦒!

5.参考文献/サイトなど

(1)婦人科・乳腺外科疾患ビジュアルブック第2版 監修:落合慈之
(2)思春期学[基本用語集]編:一般社団法人日本思春期学会
(3)働く女性のヘルスケアガイド 著者 :荒木 葉子 編著 市川 佳居 編著
(4)Rp.+(レシピプラス)2022年冬号 Vol.21 No.1 ホルモンとくすり: 患者対応でためらわない・ヒヨらないために! 対馬 ルリ子 (編集), 後藤 美賀子 (編集)
(5)健康経営における女性の健康の取り組みについて平成31年3月
 経済産業省ヘルスケア産業課
(6)Tanaka E, Momoeda M, Osuga Y, et al. : Burden ofmenstrual symptoms in Japanese women: results froma survey-based study. J Med Econ, 16(11): 1255-66,2013.
(7)「働く女性の健康推進」に関する実態調査 経済産業省
(8)働く世代が抱える見過ごされている健康課題への対応の必要性
 Copyright (C) 2021 The Japan Research Institute, Limited. All Rights Reserved MAC-PF-WHC-JP-0208-29-07
(9)月経随伴症状 ―機能性(原発性)月経困難症と月経前症候群/月経前不快気分障害―Jpn J Psychosom Med 60:515-520, 2020 江川美保
(10)公益社団法人 日本産科婦人科学会HP
(11)データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン 厚生労働省保健局 


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