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聞き書き甲子園体験談インタビュー!(宮島さん)

共存の森ネットワークインターン生の滝です。今回は、第18回聞き書き甲子園の卒業生である宮島梧子さんにインタビューをさせていただきました。取材の様子や名人の印象、聞き書き甲子園に参加してよかったことなどを伺いました。

宮島梧子(みやじま ここ)
高校2年生のときに第18回聞き書き甲子園に参加し、山形県酒田市飛島の漁師の名人を取材。

目次
>聞き書き甲子園に応募したきっかけ
>名人の第一印象
>飛島で感じたこと
>取材の様子
>印象に残っているエピソード
>聞き書き甲子園に参加してよかったと思うこと、現在に活きていると思うこと

■聞き書き甲子園に参加したきっかけ

滝:聞き書き甲子園に応募したきっかけを教えてください。

宮島:一つ目は聞き書きっていう手法、そのものを深めるまたとない機会になると思って参加を決めました。中学校の国語の授業で初めて聞き書きっていうものに取り組んだ時に文章の形として面白いなと感じていたので、それを作家の塩野先生からならえるっていうのを知って、参加したいなと思いました。

もう一つは第一次産業と呼ばれる、森とか海とか川に関わる仕事だったり産業にはもともと興味があったので、全国の楽しそうな地域に出かけられるのがいいなと思って応募しました。

■名人の第一印象

滝:次に名人の第一印象を教えてください。
宮島:名人の第一印象は強そうだなあっていう感じでした。

滝: どのあたりが強そうだったのでしょう…?
宮島:もともと我々、高校生と名人たちの橋渡しをしてくださっていた「合同会社とびしま」の方たちから、私が取材する池田名人は島で一番の強面であり、島の中で知らない人はいないなんて聞いていたので。ちょっと身構えていたんです。実際にすごく彫りが深くて威厳がある感じだったので、第一印象は悪い意味じゃなくて、とても筋の通ったというか、強い方なのだろうなっていうふうに思いました。

宮島さんが取材時に撮影した名人


■飛島で感じたこと

滝:飛島に降りたった時に感じたことはありましたか?

宮島:定期船で到着して降り立った瞬間に、今まで感じたことのない時の流れを感じました。今までに感じたことのない速さだったというか。

滝: 時の流れが東京よりも速かったのですか…?

宮島: いや、なんて言うんでしょうね。まあどちらかと言えば遅いんですけれども。独特の島時間みたいなものなのかなと思うんですが、すごく特別な時間の流れ方があると思いました。

■取材の様子

滝:宮島さんの聞き書き作品を拝読したのですが、アワビとか船とか道具の写真が結構のせられていましたよね。取材時の流れや様子を教えてください。

宮島:お仕事がお休みの日に聞き書きに応じてくださっていたので漁に同行することはできなかったんです。事前の研修で写真をちゃんと撮ってきましょうっていうふうに言われていたので、お休みなのにどうしようと思って。そんなことを考えていたら、もう自然な流れで名人が「これはおらのところで採ったアワビだ~」みたいな感じでアワビを出してきてくださいました。道具については、実際に道具小屋にもいかせていただいたんですけど、もともと名人の生活と仕事だったり、仕事道具っていうものが密接に結びついていたので、話を伺うのと並行して道具を見せていただけたっていう感じです。

取材時に名人が出してくださったアワビ


■印象に残っているエピソード

滝:印象に残っているエピソードはありますか?道具にまつわる話など。

宮島:印象に残っていることはたくさんあるんですけど、道具でいうと、名人は道具を全て手作りしているので身近な生活用品、例えば髪をとかす櫛であったり、そういうものも海藻を掬い取るのに使っていたり。生活の知恵と仕事、漁師としての知恵が融合しているようなあり方はすごく印象的でした。

それから、これはフォーラムとかでも言ってきたことなんですけど、やっぱりもう限界集落も限界集落で、将来的には人がすまなくなるとも言われている飛島という場所で、この歳になっても漁を続けているのはやっぱり飛島が好きだからだ、って(名人が)くり返しおっしゃっていたのが印象的です。

■聞き書き甲子園に参加してよかったと思うこと、現在に活きていると思うこと

滝:最後に、聞き書き甲子園に参加して良かったと思うことや、現在に活きていると思うことはありますか?

宮島:良かったこと、現在に活きていることは、まず名人、飛島との関わりっていうのがずっと続いていて。コロナもあって直接行くことはできていないんですけど、高校3年生のときも、大学生になったときも、オンラインのイベントに参加させてもらったり、飛島側の参加者として話をさせてもらったりという機会をいただいていて。これからまた必ず行く機会があるだろうなっていうふうに思えるくらい、飛島と関わり続けられているっていうことが何よりうれしいことかなと思います。

あと聞き書き甲子園を通して、聞き書きっていうものに対する学びが深まったことで、もっと知りたいっていう気持ちが湧いたので、自分で色々実践を続けてみたりもして。進路みたいなものにもかなり大きく影響したかなと思っています。

宮島さん、貴重なお話ありがとうございました。今も飛島との関わりが続いていること、聞き書きというものを通じて宮島さんが今も積極的な活動をおこなっていることをうかがい、私も一度構築した繋がりを大事にしたいと思いました。
最後に、現在宮島さんが暮らしている岩手県大槌町の写真をお届けします。


ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。