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01文通_よそおいの向こうへ

20代の始まりは、突然やってきます。
多くの19歳にとって、それは大学に通う日常に紛れこんでいます。成人式というビッグイベントがあるものの、それが終わってしまえば「大人」としての人生が転がりだすのです。

「大人」が始まったばかりの20代前半は、まだまだ生き方を模索していると思います。今日から始まる文通は、そんな同世代のやり取り。離島でワーホリをしている大学生と、家業の盆栽園で修行を続ける社会人2年目の女の子です。

「普通」を粧うよりも、わたしの道を大切にする2人の女性が、少し歩速をゆるめて言葉を交わす文通をどうぞお読みください。(編集長)

谷端さんへ

こんにちは。
日本大学芸術学部デザイン学科3年の空 佐和です。周りの大人からはよく「そらちゃん」と呼ばれています。

地元は福岡で、大学は東京なのですが、この手紙は島根県にある海士町という離島から書いています。2月中旬から離島ワーホリという仕組みを使って、海士町の観光協会で働いているんです。

きっと私が説明するより、はるかにわかりやすい「離島ワーホリ」のサイトを送ります。→https://oki-ama.org/wh/

もう2ヶ月になる島暮らしをしていると、都市での慌ただしさを忘れそうになります。景色や星を見たり、商店のおばちゃんとお話をしたり、シェアハウスのルームメイトと毎晩遅くまで喋ったりしていると、携帯を見る暇がなくなってしまうんです。

おかげで、LINEの通知が20件以上溜まっていることがよくあります。でもこの文通は、すごく楽しみでお返事が来たらすぐ次を書いてしまいそうです。

1通目には書ききれないほど、島暮らしは驚きと面白さがいっぱいで、海士町は離島なのに田舎っぽさみたいなものを感じない場所です。私は密かに海士町のことを第二の東京だと思っています。この話はまたどこかでお話したいなあって思います。

谷端さんはどんなところに住んでいますか?
どんなお仕事をされていますか?
こうやって初めましての方と文通をすることが初めてなので、少しドキドキしながらこの文章を書いています。楽しみにお返事を待っています。

空 佐和

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空さんへ

こんにちは!
私は、谷端 美紀(たにばた みき)といいます。1年前まで、公立鳥取環境大学の環境学部生でした。空き家問題やごみ、資源の問題について取り組んでいました。

そらちゃん!では、私もそらちゃんって呼ばせて下さい^^ 私のことは、ばたこって呼んでください。高校のアルバイトの時に、「いつもばたばたしてるのと、たに’ばた’だから、ばたこね」と言われて以来、ばたこというあだ名がお気に入りです。

そらちゃんはデザイン学科なのですね。超魅力的な学科でとても羨ましいです。お会いできたら、根掘り葉掘りデザインについて聞いてしまいそうです(笑)。

海士町!これまた魅力的。大学が鳥取だったので、講義でも海士の取り組みについて聞いていました。URLありがとうございます。web上では伝わらないわくわく感がそらちゃんの文章から全面に伝わってきました。

自分のしていること、いる場所にこんなに毎日わくわくできるなんて、滅多にない体験だと思うので、最後まで存分に楽しんで、存分に教えてくださいね。海士町ますます興味深いですね。うらやましい。

私は大阪の北部に住んでいます。というかもうほぼ兵庫みたいなところです(笑)。皆さんが想像するようなコッテコテの大阪!みたいな場所ではなく、緑に囲まれて毎日鳥のさえずりが聞こえる田舎に住んでいます。

そして、盆栽園で修行しています。実家が盆栽園で、進路を決める時に、継がなかったら一生後悔するなと思って、修行に入りました。元々、右にならえができない性格なので、今の仕事はとても自分に合っていると思っています。

まだ2年目ですが、もう2年目ということで、毎日試行錯誤しながら自分にできることは何かを探しています。

私も初めましての方と文通するの初めてでしたが、とっても楽しい。会っていない分、余計な判断要素がなく純粋にやり取りできますね。私もお返事楽しみに待っています。そらちゃん、ありがとう。

谷端 美紀

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ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。