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人生をコントロールする勉強法(テクニック・トレーニング編)

さっそく、速読についてのテクニック・トレーニング法についてご紹介していきます。

step1 やりたいことを見つける・フローの状態になる

人は基本的に、やりたいことしか本気になれません。けれどやりたいことだけやって人生を過ごせる人はまずいないでしょう。

自由に使える時間が限られているからこそ、自分にとって何が一番大事なことで、何が一番やりたいのかをはっきりさせる、優先順位を立てることが大切です。その上で、やりたいこと・やらないといけないことを整理し、時間を割り当てていきます。

迷っている人

効率を最大限上げるためには、フローと呼ばれる状態——それは極限まで集中力を研ぎ澄まされたような精神状態になるべく自分を近づけます。そのためには、今やっている作業に、"全力で集中して良いのだ"と脳を思い込ませなければなりません。

その状態にするためには、"可能な限り"事前に迷いを取り払います。やりたいこと・やらないといけないことを一切合切脳が空っぽになるまでノートに書き出し、簡単で良いので計画を立てます。より集中力を上げるためには、スケジュールの区切りに、事前にアラームをつけておくと良いでしょう。それによって時間を気にせず仕事に取り掛かることができます。

やりたいことを書く

脳の短期記憶にあるメモリーを一度外にメモとして書き出し、一切忘れても困らない状況にすることで、脳の機能を全て、これから行う作業に集中させることができます。優先順位を立て、時間配分を決めているので、あなたは決めた時間、決めた作業に取り組む大義名分(自分の体をごまかす理由)があるはずです。

集中できる人とそうでない人

詳細なやり方については、下記の本を参照してみてください。

■人生に向き合う2冊。

■フローの状態に入る方法。

step2 アイデアを出し続ける。

人それぞれ、脳の構造や自分の周りの環境が異なります。それゆえに、万人に通じる勉強法は原理的に存在しません。勉強法に基本的な土台は共通するとしても、最後にはそれぞれの力でチューニングしなければなりません。

それを見つける方法としては、以下の「アイデアマラソン」という思考法が有効です。

(注:ここではオリジナルの手法を参考にしたものを紹介しています。)

このアイデアマラソンでは、ノートとペンを用意し、何かテーマを立てて、思いついたアイデアをノートにひらすらメモします。外に書き出すことによって、記憶を整理し、改善点を見つけていきます。

例えば「時間がなくて自分のしたいことができていない・考える時間もない」と思っていたとしましょう。生活を見直してみて、どうやったら時間をひねり出せるか、を書き留めていきます。

 ・いつも意識がぼーっとしてしまう。どうすれば集中できるだろう?
 ・家事や雑務に時間がかかりすぎて、もっと短縮できないだろうか?
 ・本当はやらなくてよいのに、やってしまうことはないだろうか?

忙しくて考える余裕がない場合、まず「いかに自由な時間を作り出すか」に着目して、時間を確保するように務めてください。

他に「お金がなくて困っている」という悩みを抱えていれば、どうやったらお金をひねり出せるかを考えていきます。

・必要のないものにお金を払っていないだろうか?
・光熱費や通信費のプランを変えたり、行動を変えることで節約できることはないだろうか?

こうした努力を積み重ね、自由に使えるお金が確保できれば、このお金を使ってもっと時間を節約できないかを考えてみます。そうすればもっと時間を節約できます。

自由な時間とお金と健康

おそらく無限にアイデアは出てくると思います。ちりも積もればで、こうした改善の積み重ねが、大きな成長へとつながっていきます。どうすれば効率的に勉強できるのかを突き詰めて考えてみてください。1日1個アイデアを出せば、1年で365個のアイデアが生まれます。改善点は一挙手一投足に及ぶかもしれませんが、それを一つ一つ教えてもらうことは到底不可能で、自分で気づき、改善しなければなりません。

100mの陸上選手は、タイムを0.01秒短縮するために生活の全てを注いでいます。靴やウェア、トレーニング方法、食事、睡眠、瞑想法などを見直したりと、0.01秒を縮めることに全神経の全てが向かっています。日々情報を探し、貪欲に改善を重ねているからこそ、タイムを更新し続けられているのです。

ぜひノートを用意して、課題を設計し、アイデアを書き留めていってください。試行錯誤を繰り返し、実際に立てた仮説が正しかったか効果を検証してみてください。課題を設定する力、それを解決する力は、読書法に関わらずどんな時・どんな場面でもきっと役に立つはずです。

(参考記事)

step3 読書術

読書は、いつでも、そしてどこでもマイペースで行うことができます。読書法を極めることで、膨大な情報の渦の中から自分に必要な情報に自由にアクセスできるようになり、人生を自分らしくコントロールすることができます。けれどあまり読書法について、真剣に学ぶ場がないのが現状ではないでしょうか?

すばやく正確に本を読める"楽な方法"があれば、と憧れてしまうのですが、残念ながらそんな方法は存在しないというのが著者の結論です。ですが、コツを抑えることで、相当に早く情報が処理できるようになるはずです。

まず、どんな本でも速読が可能か——かなり分厚い専門書も、トレーニング次第で数十分で読めるようになるかを考えてみます。例えば英語が読めないという人が、英語で書かれた本を読んでも全く意味が分からないように、単語の意味すら分からなければ、読んで理解することは原理的に不可能です。単語に限らず、熟語の意味、さらには行間を読むための時代的・文化的・社会的背景が分かっていないと、正確に意味を把握することはできません。

同様に、専門書には専門用語が多数散りばめられており、それぞれの意味を正確に把握していなければ理解はできません。つまるところ、時間をかけたら読めるレベルの文章でしか、絶対に速読することはできないのです。

極端なことを言うと、内容が分かっている本であれば、かなりの速度で読むことができます。一度読んだことがある本であれば、書かれていることを読み直すというよりも、何が書かれてあったかを思い出すだけで済むために、高速に処理ができるのです。同様に、ある程度見知った分野の本であれば、自分に足りていないことを確認するだけで済むために、"読む部分を大胆に削ることができて"相当早く読むことができます。

とはいえ、内容がほぼ分かっている本が相当早く読めても、ほとんどありがたみがありません。そこで英語の学習法になぞらえて、内容の分からない本でも早く読めるトレーニング法を紹介します。

英語を速く読むために必須なことが、単語の意味を分かっていることです。望ましくは発音記号が読めること——可能ならばしっかり正確に発音ができるように口や舌の動かし方をまず徹底的に学びます。それが終わったら、単語帳を使ってなるべく多くの単語の意味を覚えていきます。

単語ばかり覚え続けるのは、正直とても退屈な作業です。実際にはテキストを読み、分からない単語の意味を調べ、少しずつ文章を読み進めたいと思ってしまうのですが、何度も辞書を引かないといけないような文章であれば、学習時間のほとんどが辞書で調べる時間につぎ込まれてしまいます。単語帳であれば、すでに日本語訳が書いてあるので、辞書で調べる必要がありません。すべての時間を単語の意味を覚える作業に使えます。覚えるという作業はとても疲れる作業ではありますが、それはある意味もっとも脳を最大限使った証でもあります。

これは筋トレによく似ています。楽しみながら体を動かすことでもある程度の訓練はできますが、効率を最大限上げようとすれば、時間を区切り、集中的に負荷をかけて筋トレをするべきです。

けれどもせっかく英単語を頑張って覚え、基本的な文法が分かっていたとしても、それでも文章を読みこなすことは困難です。スポーツで例えてみると、理想的なフォームが頭で分かっていても、瞬間的に使いこなすためにはまだ越えなければならないハードルがあります。

卓球

単語の意味を覚えたといっても、多くの段階があります。(A)時間をかければかろうじて思い出せる、(B)1秒で思い出せる、(C)瞬間的に日本語訳が思い出せる、(D)瞬間的に英語のまま意味がわかる、などです。最初こそ英語の文章を日本語に変換して読んでもいいのですが、そこにはひと手間かかっています。最終的には英語の文章を英語のままで理解できれば最速です。

つまり、どれだけ多くの単語について、見ただけで意味を瞬間的に拾えるようになるか、量と質の勝負です。これは日本語でも変わりません。単語の意味を覚える作業、それを使いこなす実践的な作業、これらをひたすら繰り返すことが大切です。

シナプス

実践的なトレーニング法を挙げてみます。

①難しすぎない長文(3~5分で読み終わる程度)を選びます。意味を調べれば理解して読み通せるもの、作業に苦痛を感じない程度が望ましいです。
②なるべく戻り読みをせずに読み、タイムを測定します。
③読んだ文章の単語の意味を調べ、メモします。
(長文に意味を書き込んではいけません。)
④ゆっくりと通読し、意味をつかみます。
(完璧を求め過ぎず、5~8割読めればOKです。)
⑤最初のタイムを参考に、少し駆け足で通読します。
⑥かなり駆け足で通読します。(慣れるまで適宜繰り返し。)
⑦1日から数日置いて、忘れた頃にやり直します。

最終的に、単語は実際に使われている場面で覚えていくしかありません。駆け足で読んでも、途中で突っかからず、スムーズに意味が入ってくるように反復します。このステップでは、一定のリズムを守ることが大事です。(なお、上達してくれば、なるべく音読せずに読むと速く読めます。)

スピードと記憶は密接につながっています。一文が非常に長く、その中で知らない単語が5つもあれば、一文を読む時間がかかり過ぎて、途中に何が書いてあったかを忘れてしまいます。記憶が薄れる前に短時間に文章を読み切ることは、正確に意味を把握するために欠かすことができないのです。同様に、ある本を読むのに一週間もかかってしまえば、読み終わったころには途中何が書いてあったかを思い出すのは容易ではないでしょう。速く読むことができればできるほど、その本に書かれてあることをより深く理解し、結果的に強く記憶することができるようになります。

本を速く読む訓練のためには、なるべく自分のレベルに適した本を見つけて読むことが大事です。あまりに難しい本だと、途中で挫折したり、飽きたりしてしまいます。少し背伸びすれば手が届く範囲にとどめ、段階を置いて難しい本に挑戦してみてください。

ここまで読むことばかりを取り上げましたが、記憶して知識を自分のものにするためには、アウトプット——記憶の中の知識を外に吐き出す作業が効率的です。例えば15分とか1時間本を読んだ後に閉じてみて、1分弱メモ帳に書いてあったことを書き出してみます。この振り返りの作業はとても大事で、読書後に関わらず、授業が終わった後、仕事が終わった後、テレビを見た後に、学んだことを思い出してみます。そうすることで、記憶は整理されて定着し、自在に必要な情報を頭の中から引き出す能力が鍛えられます。

慣れてきたら次のようなトレーニングに挑戦しましょう。

①難しすぎない本を選びます。
②本を開き、1ページあたり数秒間で要約をします。(時間は難易度に合わせて適宜調整してみてください。最初から全部を理解する必要はありません。大事そうなところをぱっと探して概要をつかもうとするイメージです。あまり意味がつかめないようであれば、少しペースを落としましょう。)
③リズムよく本をめくって、切りの良いところまで一気に通読します。
④本を閉じて、何が書いてあったかを数秒~数十秒くらい思い出します。
⑤また同じ範囲を開いて、少しペースを落としてページをめくってゆき、答え合わせをしつつ2巡目に入ります。
⑥再度ペースを落としつつ、通読を繰り返します。
⑧十分概要がつかめた、あるいは興味があるところは読めたとなれば、次の章に移ります。
⑨なるべく早く、少ない回数で正確に読めるようにチャレンジします。

※記憶に残すためには、一度時間を置いて忘れた頃に読み返しましょう。

こうした訓練をすることで、慣れてくれば、本をぱらぱらとめくり、数分の通読でおおよその概要が頭に入ってきます。大事なことは飛ばし飛ばしで読んで、全体の骨格を把握することであり、作者がこの本で何を最も伝えたかったかを理解することです。そしてさっと目を通した後に、その本をもっと時間をかけて読むべきか判断してください。

情報はあまりに多いので、どの本を読むかが相当大事になってきます。中には読むべきでない悪本(文章や論理が正しくないもの、読みにくい文章、間違ったコンテンツを含むもの)もあり、質の良い、自分に合ったレベルの本を探し当てなければなりません。もし何か調べごとがあって図書館に行くのであれば、1冊を熟読するのではなく、同じような内容の本を5冊くらいを借りて通読し、その中からこれだと思う1, 2冊を深堀りしながら読むと良いです。そうすることで、選んだ1冊が外れであったとしても、間違いにすぐ気づいたり、その本の著者のスタイル、立ち位置を客観的に判断することができます。

慣れてくれば、図書館に行ってさっと20冊の本に目を通し、その中で読むべき本を10冊借りて、適宜繰り返し通読します。2週間で10冊ずつ借りなおせば、月に20冊、年間240冊も読むことができます。とにかく多くの本に目を通し、欲しい情報だけを幅広く拾い集め、読むべき本に出合えたらじっくりと時間をかけて読んでみてください。年間240冊を概要だけでも読めるようになると、視野が格段に広がります。

注1:借りた本を全部読む必要はありません。1分読んでこれは違うと判断してもいいのです。難しい本でも読める部分を拾って読み、少しでも感じが分かればOKです。本には旬があり、その時・その瞬間読みたい本が変わるので、なるべく興味が湧いた本をまとめて借りて、その時々の気分で読み進めて下さい。難しくて分からない部分は一旦ほおっておきましょう。また読めるようになった時に読み返せばよいのです。活字に触れた時間が長ければ長いほど、読書力は自然とついていきます。2週間で10冊は多すぎると思われるでしょう。けれども、この量を読み切ろうとすれば、従来の読書法を嫌でも変えざるを得ないのです。諦めず、ぜひ挑戦してみて下さい。
注2:小説や漫画には、この手法は適していません。ラストシーンまでさっと読み終わってからゆっくり読み進めても面白くないでしょう。小説や漫画では、細かな描写は一旦無視して、ストーリーだけを読み進めて楽しみ、気に入った本だけじっくりと読み返すという方法もありだと思います。楽しみながら読み進められるため、トレーニングとしても悪くないです。

読んだ本は、タイトルと作者、概要、感想をメモしてみてください。今は分からず読み飛ばしてしまったとしても、後で読み返そうとしたときに、思い出す手助けになります。またメモを取ることで、記憶にしっかり結びつけることができる上、読書の達成感を得ることができます。

賢さとは?

唐突な質問ですが、賢い人とは何でしょうか?先人の努力の積み重ねによって高度に科学技術を発展させてきた現代において、オリジナリティを発揮することは大変困難になっています。あらゆる課題が発掘され、何かしら議論された後のものであり、何も知らずにノーヒントでゼロから解決策を模索することは時間の無駄になりかねません。かつての「ゼロからイチを生み出す天才」はなりをひそめ、巨人の肩の上に立つ―—先人の積み重ねた発見に基づいて考えられる人材が求められています。

昔からある課題であれば、それがどのように議論されたかを知っているだけで、おおよそ最適解に近い答えを導くことができます。知らなければ情報を集め、考え始めるところから始まりますが、答えを知っていればそれを思い出すだけで済んでしまいます。

賢い人は、日頃から多くの情報に接し、自在に引き出す力をもっています。新しく考えないといけないことはそれほど多くなく、すでに既知のことを組み合わせることで難なく解決していきます。頭の回転が速い人というより、すでに知っているからすぐに解ける、その暴力的な情報量こそが他を圧倒する大きな武器になりえます。(とはいえ、全てを知ることは到底叶いませんので、その時は仲間を頼ることを忘れないで下さい。)

なお、色々とテクニックやトレーニング法を書いていきましたが、全てを正しいと思い込まないように気を付けて下さい。たくさんの本を読み、実際に試してみて、真偽は自分の力で判断してください。というのも、間違ったことを一度覚えると、意外とその間違いに気づかず、後で後悔することがよくありますので。


以下、参考とした書籍になりますので、よろしければぜひご覧になってください。

■勉強法について適格なアドバイスが書かれています。

■常々要領が悪いなぁと感じる方におすすめです。

■リーディングを鍛える方法論が端的に表現されています。
(英語の文章はそれなりにハードです。)

■記憶テクニックが整然とまとめられた本です。

■成功に必要なものは、諦めずに続けた時間です。

■今でも名作と呼ばれる古典です。

■単語の暗記に役立つヒントがあります。

次のアプリは無料版でも、暗記のコツを体感するのに役立ちます。

■集中力が途切れがちの方へ。

■ただの筋トレの話ではありません。人生を変える一冊です。

■超近視時代に必読のサイト。太陽光と「20-20-20」がキーワードです。

■【番外】新しい社会の在り方を考える上で、一番おすすめしたい本です。


最後に過去作の紹介です。

約1年で100~200冊の本を読み、エッセンスを抽出・再構成したものになっております。現代社会の根本的な問題点とは何か、なぜ問題が放置されているのか、どう立ち向かうべきなのかについて、まとめあげました。なかなかに難しいかもしれませんが、いつかぜひトライしてみてください。

知識とは囲い込むものでなく共有すべきものであり、教育の機会は誰にでも公平にあるべきとの思いから、本noteは無償公開となっております。そのため、ご負担できる方は気持ちだけでもサポートをしてくださると大変ありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

twitter:kiki@kiki_project
note:kiki(持続不可能な社会への警鐘者)



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