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抱っこちゃん母さん

テスト期間中の下の娘。
触れてはならない話題をグッと堪えていたけれど、テストが終われば数日ほど学校が休みとなる。ならば学割を取ってくることを忘れないでね!と口が滑ってしまった。
「なんで?学割?」
そりゃ、そうだ。
「お母さんが徳之島に行ってる間に、ねぇーねと爺&婆の家に行くっていう話やったやん?」
これ、触れてはならない話題だけど答えるしかなかった。
「だって、部活あるから行きたくない!」
だよね。それ、何回も言ってるから母は分かってるんだ。けど、それが難しいのを分かってくれ!と心で叫びながら、休みたくないか…と返した。

こうなったら、もう1つ伏せてたことを伝えよう。別の機会にするよりも、一回で終わらせてしまおうと決めた。
「実は、前日登校日、香港にいて行けません!」
「えっ?なんでよ?ってことは入学式も?」
「入学式も…やけど関係ないんじゃないの?」
「なんでよー関係あるし!新入生の案内役ふるって言うたやん!」
顔を赤らめる娘。
涙がこぼれ落ちる。

あぁ…
去年のカレンダーだと始業式は7日だったから大丈夫って思って香港行きのチケットを買った。私の読みは合ってた。8日が始業式。けど、まさかの入学式に娘が参加するのは想定外。

部活を休む。
そして入学式も役が当たってるのに行けない。
けど香港は行きたい。

泣くのを堪えようとしても涙が溢れる娘。
可哀想なことをしてしまったな…と辛くなり思わず後ろからハグした。
ごめんねって謝って、羽交い締めにして笑ってもらえるまで、ずっと抱っこちゃん人形みたいに抱きついて謝って、私の気持ちを伝えた。うざい!と連呼されても構うことなく、ギューとして収まるのを待った。

隣で上の娘か呆れ顔で私を見てる。

そんなことも構うことなく、床に倒れても下の娘を離さずに謝った。何分、戯れたのか?最後は笑って、もう知らん!って言ってくれた。

どんな風に彼女の中で整理がついたのか?分からないけど気持ちが切り替わった様子。テスト勉強も再開し、元気よく挨拶して寝室に行ったから良しとしよう。

荒技かもしれないけど、バカな振りして子供に気持ちをストレートに伝えることも大切だと思うのでした。

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