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【コミュ術①】バックトラックは会話のぶれを防ぐ

バックトラックという言葉をご存じでしょうか。

私は社会人になって最初の企業の研修が自分のコミュ術の基本になっていますが、その中でもこのバックトラックというのは基本中の基本として叩き込まれました。

バックトラックは言い換えればオウム返しのこと。

バックトラックは傾聴スキルの一つで、

「あなたの言うことを正確に聞いていますよ。」をアピールすること
相手の言ったことに共感を示し、肯定的に受け止めること
「聞く」から「聴く」に変え、聴くを視覚化すること

を同時に行うスキルです。

わかりやすく「オウム返し」と言いましたが、バックトラックは単なるオウム返しではなく相手の言ったことに共感を示し、肯定的に受け止めるためには相手の体験を追体験していこうとするスタンスが重要です。

バックトラックはすべてのコミュニケーションの入口です。

バックトラックをすることで、相手の真意からはずれずに会話をつづけていくことができます。

例1
A「今日はいいお天気ですね」
B「そうですね、いい天気ですね。」
A「こんな日はピクニックに行きたいんですよね。」
B「ピクニックに行きたいんですね。」
A「そうそう。近くの公園にお弁当持ち寄ったら楽しそう。」
B「そうですね。お弁当持ち寄ったら楽しそうですよね。」

この場合Bがバックトラックを使っています。Aはどんな気持ちになっているでしょうか。
以下は極端な例でバックトラックを使わない場合のやりとりです。比べてみてください。l

A「今日はいいお天気ですね」
B「そうですか?暑すぎますよ。」
A「こんな日はピクニックに行きたいんですよね。」
B「いやいや暑いから外に出るの面倒ですよ。」
A「近くの公園にお弁当持ち寄ったら楽しそう。」
B「それより涼しい屋内でおそばでも食べましょうよ」

この場合BがAの話を否定して自分の話をしています。
Aはどんな気持ちになっているでしょうか。

バックトラックは単体では話が膨らみづらいです。
当たり前ですがただただ肯定をするだけでは話が掘り下がりません。

そのためバックトラックはあくまでコミュニケーションを続けていく上で必要な「関係の質の向上」を助けるスキルであり、話を掘り下げふくらますためにはまた別のスキルが必要となります。

慣れるまではばかばかしく感じる関わり方なのですが、慣れるとこのバックトラックなしではコミュニケーションが正確に取れているかどうか不安になります。バックトラックがあるかないかでコミュニケーションを丁寧に取ろうとしているかどうかがわかるのです。

次回は、バックトラックの応用編、「言い換え」についてです。

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