見出し画像

【コミュ術③】動詞に気をつけるテクニック

新しいコミュ術を紹介する前に、まずは日本語の持つ特徴からご紹介します。

日本語の特徴の一つに「主語が無くても成立する」の特徴があります。

英語は特殊な文章以外は基本的に必ず主語が明示される文法構造なのに対し、日本語は普遍的な表現でも主語を省略することができてしまうのです。

俳句や短歌、詩はこの主語省略ができるからこそ成立します。

私は詳しくはないですが、ミステリー作品に多い叙述トリックも、日本語だからこそ可能なトリックがたくさんあるのだと思います。

しかしこの特徴が円滑なコミュニケーション、お互いを尊重しあうコミュニケーションを阻害する要因なのです。

コミュニケーションにおける日本語の問題点と改善策

日本語は俳句や短歌、詩のように芸術に昇華させられる言語です。

想像力をかきたて、実際の情景よりも鮮やかな色彩で脳内に再現させられる言語はなかなかありません。

四季がありあらゆる物の色彩が豊かなため、その一つひとつを表現する言語が必要不可欠だったのだと思います。

しかし、言葉を尽くしてもその色彩や情景を表現しきれず、そもそも表現することが粋(いき)ではないということになった結果、行間を読む、空気を読むという日本人の性質を作っていきました。

日本人特有の「行間を読む」、「空気を読む」という感覚がお互いにとっての過度な配慮を期待する言外のコミュニケーションを強いる結果になったのです。

行間を読む、空気を読む、それをせずにすべて言葉にして表現するのは「粋」ではないのです。この粋ではないということをこれまでの日本人は嫌うのです。

反面、この感覚に苦しめられているのも確かなのです。

匂わせという言葉がありますが、これも行間を読むということの一種なのです。日本人が好きだといわれる伏線も近いものがあります。

行間を読みすぎる、空気を読みすぎると、配慮の方向性と強さを見誤ることになります。

言ってくれればよかったのにと思う一方で自分も相手に言わないなというのが日本語なのです。

では、どうしたらいいのか。

日本語によるコミュニケーションの改善にはコミュニケーションに特化した言語構造を使って表現をすることを心がけることだと思っています。

ここで参考にすべき言語は2つあります。
1つは先ほどから紹介している英語です。
もう1つは大阪弁です。

主語を明確にするメリット

英語は主語を明確にする言語です。

そのために誰が何を言ったのかを明確にする必要があります。
主語のないコミュニケーションは実は無責任です。

誰が言ったのか、誰がしたのか。

この主語が明確でないと、あなたのためにといった勝手な配慮の言葉が主語もなく入ってきます。

大事なのは「あなたのために」と思ったのは誰なのか。

主語が明確でないとこのあなたのためにが過度な配慮であったり恩着せがましい、おせっかいな正論になるのです。

多くの場合、私が主語なのです。

いわゆるIメッセージとか私メッセージと呼ばれる私という主語を省略せずに表現をすると、中身が同じでもまったく変わってくるのです。

例)主語を省略した場合
①勉強しないと困るよ。あなたのために言ってるんだからね。
②私は勉強しないとあなたが困ってしまうということが心配なの。私はあなたのためになるようにと思って言ってるのよ。

①は主語がありません。そのため勉強しないと困るという正論をあなたのためにと押し付けている表現になっています。正論ですが、正論は相手を動かすことができません。

②は私が主語です。押し付けているのではなく私が心配で私がしたいと思うことをしたいということを伝えています。

②なら私が心配することに対して配慮し、心配させないようにと動くかもしれません。

主語が明確になると相手の受ける印象や言葉の強さは全く違うものになります。

大阪弁はコミュニケーションにおいて非常に優れた言語です。

東京の言葉と違って、感情が先に出る言葉です。
またYESーNOもはっきりしています。

ここで大事なのは関西弁ではないということです。
関西圏の中には奥ゆかしい言葉遣いとしての関西弁もあります。

しかし、大阪弁とは似て非なるものと思っています。

大阪弁はいやなら「あかん」、疑問があれば「なんでや?」などと
短く、端的に感情を込めることができる言語です。

乱暴に感じるかもしれませんが、コミュニケーションに特化した言語という意味では自己開示しやすい言葉なのだと思います。

大阪弁は主語が必要ない言語です。

大阪弁は使っている人のパーソナリティが乗っかる言葉です。
そのため主語がなくても大阪弁ならその人のパーソナリティが乗っけられる言語であるといえます。

状態動詞ではなく動作動詞で語る

状態動詞と動作動詞の違いはそのまま動きの有無です。
状況を伝えるのが状態動詞、行動を伝えるのが動作動詞です。
状態動詞を多用することは行間を読む、空気を読むを相手に求めることです。
例)以下の2つはどちらがよりコミュニケーションが円滑になるでしょうか

①「喉が渇いた。」
②「お茶が飲みたいから買ってきてくれますか。」

①は状態動詞です。喉が渇いたという状況を伝えているだけです。
「喉が渇いた。」はいろんな反応が想定できます。
・喉が渇いたのか、何か飲み物を持っていってあげよう
・喉が渇いたのか、何か病気かもしれないな
・喉が渇いたのか、俺も渇いてるのにうるさいな
・喉が渇いた?だから何だ!?

「喉が渇いた」は状態動詞のために、何してあげられるかが多岐にわたります。

反面、②は飲みたいという動詞と買ってくるという動詞の2つの動作動詞が含まれています。そのため、②はしてほしいことが明確なのです。

コミュニケーションでは状態動詞より動作動詞を使う方が円滑になります。

「察してくれ。」は手抜きのコミュニケーションです。
状況ではなく欲求の言葉で話をすることが大事なのです。

まとめ

タイトルの通り、主語を明確にすること。
タイトルの通り、状態動詞ではなく動作動詞を使うよう心がけること

それだけで、誤解が少なくなり相手の真意が分かりやすくなります。

仕事にも恋愛にも家庭でも使えるこの言葉の使い方を頭の片隅においておき実践するようにしてください。

サイトマップはこちらから




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?