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DX人材は内製化すべきか?という難しい問題

DX先進企業の一部で、システム開発の内製化が進められているようです。

  • セブン&アイ・ホールディングス

  • 良品計画

  • カインズ

  • エディオン

  • グロービス

  • ファーストリテイリング

  • 星野リゾート

日本企業の人材不足

「DX白書 2021」によると、事業戦略上、変革を担う人材は、日本企業では「大幅に不足している」と「やや不足している」が合わせて76%に対し、米国企業は43%です。

日米企業における DX 動向を解説した「DX 白書 2021」を発刊https://www.ipa.go.jp/files/000093723.pdf

「令和3年版 情報通信白書」によると、ユーザー企業側の人材不足はICT企業に依存するかたちで補われているようです。この構造は昨今のDXブームによる人材不足の結果ではなく、日本では過去から、ユーザー企業が自社のシステム構築や運用を、ICT企業に委託してきた歴史が背景にあります。

主要国のICT人材比較

令和3年版 情報通信白書のポイント
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nb000000.html

DX人材獲得上の課題

ではこれからDXを推進したい企業は、どのように人材を獲得していけば良いのでしょうか?

「現在、ICT企業に所属している技術者を採用していけばよいのです。」というような簡単な話では無いと思いますので、もう少し具体的に考えてみます。

DXはDigital Transformationで、デジタルにより変革を起こす必要があります。"変革"とはいわゆる業務改善のレベルではなく、「新規事業の開発」、「新たな顧客価値の創出」、「全く新しいビジネスオペレーションの開発」等の実現が必要と定義します。

ICT企業に所属している人材は主に、顧客のリクエストを要件定義して、システムを開発しているかと思います。上記のような『デジタルを手段とした新たな価値デザイン』については、多くのICT企業の技術者には未経験の領域になると考えます。

よって、DXを実現していくためには、「価値デザイン」と「システム開発」のケイパビリティが必要で、内製化する上でも双方を保有する必要があります。

DX人材の内製化

DXを完全に内製化するには、上の表の①に対する投資が必要です。
その他のパターンも少し整理してみます。

  1. 全て自社人材

  2. 自社でデザインして開発は外注

  3. デザインも開発も外注

  4. デザインを外注して自社で開発

一見、ありえない組み合わせもあるかと思いましたが、少し考えてみるとあながちそうでも無いようです。それぞれの利点や特徴を挙げてみます。

  1. 全て自社人材
    ・デザインの新規性、独自性
    ・開発スピード、UI等による差別化

  2. 自社でデザインして開発は外注
    ・デザインの新規性、独自性

  3. デザインも開発も外注
    ・外部ノウハウの流用(模倣)

  4. デザインを外注して自社で開発
    ・開発スピード、UI等による差別化

開発する価値の新規性、独自性を重視する場合は、自社デザインが必須(①、②)と考えます。

今回はここまでにします。DX人材の内製化について、DX人材を分類して考えてみました。

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