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【IGCSE】2回経験して考えた:IGCSEのメリットとデメリット

2020年から長女、2023年に次女がIGCSEの試験に取り組みました。
これらの経験と、周りの方からの情報もあり、IGCSEについて多くの経験と理解を深めることができました。

2度経験した筆者が考える、IGCSEのメリットとデメリットをシェアしたいと思います。


メリット

プレユニバーシティへ進学しやすい

IGCSEでクレジット5以上の成績を修めると、どこのプレユニバーシティでもIGCSEの試験結果だけで入学する事ができます。

試験結果さえあれば、遠方であってもオンラインで簡単に入学申請が可能。
とにかく楽なんです。

同じケンブリッジカリキュラムであるAレベルはもちろんの事、オーストラリア、カナダ、シンガポール、IB等どこでも通用する、まるでジョーカーみたいな資格です。

世界的に認識されている

IGCSEは1986年に始まり、世界中で認識されているので、IGSCEに特化した講師や教材が世界中にたくさんあります。

IGCSEを経験した家庭教師を、マレーシアでも容易に見つける事ができます。

教材に至っては、物理的なテキスト類からネット上、またはYoutubeに至るまで、英語で検索するとありとあらゆるIGCSE関連のものが容易にヒットします。自習もしやすい環境がすでに揃っているのです。

これは、世界中で認識されている故のメリットと言えます。
おかげで娘たちは、塾や家庭教師は利用せず、ネットの教材やYoutubeを使って受験勉強する事ができました。

しっかりした基礎学力が付く

IGCSEはやや理系よりとはいえ、満遍なく幅広いジャンルの学習をします。

これはIGCSEの特徴ですが、決して簡単という意味ではありませんが、難易度が高いというより基礎に特化しています。
よって、学校の授業や教科書、過去問をきちんとやっていると回答できるものばかりです。日本の中学受験のように、捻った問題は出題されません。

また、記述式回答が求められることも多く、考えを文章化する訓練もされます。
つまり、全ての面においてバランスがよく、基礎の学力を構築するには最適なカリキュラムだと思っています。

昨今、IBのインターナショナルスクールもYear10からIGCSEを導入するところが多いのは、こういった理由によるものと推察します。

適切なタイミングで学習習熟度が分かる


IGCSEの試験はYear11の時です。日本では高校2年生にあたります。

大学進学まで1年または2年を残すタイミングで、IGCSEを受験することにより、自身の学習の習熟度を客観的に認識することができます。
学習面で劣っているのかどうかを判断することで、大学受験までのプランを練り直す事もできるでしょう。

世界中の受験生と比較して、自分の立ち位置を知ることができる、重要な機会だと言えるでしょう。

デメリット

日本の国語・社会は学べない

これはIGCSEに限ったことではありませんが、日本の国語と社会を学ぶ機会はありません。

特に歴史に関しては、IGCSEは欧州目線での歴史になるため、日本のそれとは全く異なります。
もっとも、歴史だけでなく地理公民、古文漢文・現代文についても完全に抜け落ちてしまいます。

これをどう捉えるかは、ご家庭によって様々だと思います。

個人的には、公民が学べないのは特にデメリットかな、と思っています。
日本の選挙制度が変わり、18歳から選挙権がある今、日本の学校でそれを学ばせたかったな、と思っています。

また、歴史や古文は教養の1つとして日本人なら知っておいて欲しいな、とも思いますが、欲を言えばキリがないですね。

社会や国語は自分で本を読んで勉強できる、と言う意見もありますが、我が子を見ているとそれほど興味があるようには見えないので、自発的に勉強するのは難しいかな...と少々残念に感じています。

日本の大学進学

2つ目のデメリットは、日本の大学進学に関するものです。

IGCSEを終えて大学進学を希望する場合は、少なくともあと1年間は何らかのプレユニバーシティへ行く必要があります。

日本の大学入試は、ご存知の通り日本独自の共通テストなどで行われますので、IGCSEから積み重ねた学習内容を、日本の入試に活かすのは限定的になるでしょう。

もし、日本の大学へ進学を希望するなら、

1. IGCSEのあとIBDPへ進む

2. IGCSEは選択せず、Year12まであるカナダやオーストラリアのカリキュラムを選択する。そこで学校の勉強は適当にし、小論文やTOEFLなど日本の大学の帰国入試対策に注力

の2通りの選択がいいかもしれません。

1のIBは、ほとんど唯一と言っていいほど、日本の大学で認識されているプレユニバーシティだからです。
Aレベルを選択するより、圧倒的にIBの方が有利でしょう。

試験対策に追われる

IGCSEは、一部の教科を除き、ほぼ100%がペーパーテストの結果で成績評価されます。

もしYear11を終えるまで、お子さんには座学だけでなく、もっと自由にプレゼンやディベート、アクティビティに取り組んで欲しいなら、IGCSEは少し違うかも知れません。

IGCSEの試験は、紙の試験がメインになるので、Year11になると授業と並行して過去問対策に終始します。かなり受験色が濃くなるのです。

まとめ

ここまで、筆者が個人的に思うIGCSEのメリット/デメリットについてお話しました。

大切なことは、IGCSE後の進路により、メリットとデメリットは変化します。

我が家の場合、長女が海外の大学進学を目指して、結果的に進学が叶ったので、IGCSEを選択して良かったと思っています。
しかし、もし日本や北米などの大学を目指すなら、IGCSEだけが選択肢ではないでしょう。

希望する進路や将来の夢に合うかどうかを考慮して、IGCSEを選択する価値について考えてみてはいかがでしょうか。


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