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変わりゆく毎日

最近やたらとドーナツが食べたくなる時がある。
夏や蝉が最強のライバルとも言えるのに
以前よりももちろん歳も取っているのに
明らか数年前よりも重い食べ物が恋しくなる。

スーパーで買ったいくつも入っているドーナツ。
いつもなら買わないけど、そっけない味つけが目から離れず
気が付いたらかごの中に入れていた。

ある日、そのドーナツを口にすると
美味しすぎて一気に2つも食べてしまった。
数日後、冷蔵庫の中から取り出し、
温めてから食べることにした。

すると、同じドーナツを口にしたのに
明らか数日前の自分とは異なる自分がそこにいる。
フォークをさした瞬間、油が出る。
食べた瞬間の硬さ。
もうなんだか同じドーナツとは思えないほどげんなりした。
あの数日前の感動は一体どこへ行ったのか…

うわ、油が出てる…
そりゃ揚げてあるのだから当たり前。
ドーナツが硬い…
レンジで温めたのか悪かったのだろう。

毎日コーヒーを淹れても少しの分量で味は変わる。
洗濯物をどの時間帯に干すのかによって乾き具合も変わる。
それと同様にドーナツも変わっていく悲しさ。
何より何気ない日々を過ごす自分自身の変化にどこか悲しくなった。

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