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コスメに心を開く男性たちが急増中 ~期待が高まるメンズコスメ市場~

コロナ禍により女性向け化粧品の市場は大きな打撃を受けたとされていますが、男性用化粧品(メンズコスメ)市場は逆に拡大しているのです。

↓女性向けコスメに対するコロナの影響

コロナ禍で需要を増大させたメンズコスメ

自粛期間にネットでのコミュニケーションが増え、WEB会議やソーシャルメディアなどで自分をより良く見せたいという気持ちが、メンズコスメの伸びを後押したとも言われています。

富士経済の推計によると、2020年の男性用化粧品の市場規模が1,507億円であったのに対して、2021年は1,571億円です。
マスク生活であることから髭剃り需要は減ったものの、それ以上にスキンケア商品やメイクアップ商品が、2020年以降、伸びているのです。

この数字だけだと、コロナ禍の影響で、一時的に需要が髭剃りからスキンケアに移ったのかと考えてしまいますが、メンズコスメ市場はコロナ禍以前から拡大を見せていました。
この1年間の市場規模の伸びは単なる自粛特需とは違い、コロナを一つのキッカケとして、この後も更なる伸びが期待されています。

現在のメンズコスメのキーユーザーは若者層

現在のメンズコスメ伸長のメインユーザーは、10代から30代の男性です。
ソーシャルメディアを自由に操るこの世代は、ネットが豊富な情報源となり、今や女性と同じように商品の専門知識を深めることができます。
積極的な情報収集や新しい利用体験によって、多くのブランドを知り、使用する商品の幅も広げてるのでしょう。

そして、若者層の購買行動は、やはりEC(ネットストア)によるものが多く、若者が牽引するメンズコスメは、情報収集から購入まですべてオンラインで行うスタイルへと進んでいます。

ネットと相性の良いメンズコスメ

ネット情報を使いこなす若者がメインユーザーであることだけでなく、メンズコスメはそのユーザー特性から、ネット情報やECに需要があります。

ユーザーが増えているとは言っても、まだ日常的に気軽に商品を手に取るこることには抵抗がある男性も多く、実店舗では、店員や他の来店客の目が気になることも多いはずです。
周りを気にせず、商品を選び購入できるECの充実が、現在の市場活性化の一翼を担っていることは確かです。

メンズコスメには実店舗も大切

ECが優勢と言っても、現在までのメンズコスメ市場の拡大に大きな貢献をしてきたのは、実店舗です。

ロフトはいち早く売り場を作った小売店の代表といえるでしょう。そのロフトに加え、今ではドラッグストアもメンズコスメの売り場を拡大させており、1000円以上などの中価格帯の商品の品揃えを充実させるなど、今の需要増の流れを取り込む努力をしています。
また、女性用商品を多く扱ってきたアインズ&トルペのようなコスメブティックも、男性用商品を扱うようになってきています。

特にスキンケアはもっとも大きな伸びしろのあるジャンル

メンズコスメというくくりの中には、ヘアケア、メイク、スキンケア、フレグランスなどいくつかのジャンルがありますが、その中でスキンケア製品の購入率が最も伸びているのは、40代から60代の男性です(2015-2019インテージ調べ)。
中高年の男性でスキンケア用品を使い始める人が増えていることがわかりますが、メインユーザーであるはずの若者層は、スキンケア製品を購入していないのでしょうか。

実は同調査で、男性10代の66%、20代の55%が「(スキンケア製品は)女性用を購入する」と回答しています。
これは、男性の若者層のニーズと入手可能なアイテムの間にミスマッチがあることを示しています。

いままでの男性用スキンケアといえば”爽快感””さっぱり感”を打ち出したものが多かったのですが、いまはそれだけなく、成分や機能、より複雑な使用感の好みなど、男性のニーズは幅を広げています。女性用スキンケア商品のような豊富なラインナップが男性用にはまだないため、スキンケア製品に関しては女性用商品を購入する男性が多くなってしまっているのでしょう。

業界もこのようなニーズを察知しているので、2020年以降は、男性用化粧品のブランド数、アイテム数は大幅に拡大しています。

伸びしろの大きいメンズコスメ市場

若者層のブランドでは、今まで難しいとされていた「メイクアップ」「香水」「マニキュア」などのジャンルも大きく拡大していて、これからももっと幅広いアイテムに潜在需要が期待されます。
中高年層でSNSなどネット情報の利用率は高まってきていて、百貨店など高価格帯実店舗での男性化粧品の取り扱いも増えていることから、需要増が見込めます。

この期待感に対して、メンズコスメ市場がまだまだ規模は小さいのです。2020年度の国内化粧品市場規模は2兆2,350億円であるのに対して、男性化粧品の構成比はわずか5.4%(矢野経済研究所調べ)です。
今後の発展余地はかなり大きいと言えるでしょう。


ライフスタイル提案の一環として需要拡大へ

さらに、異業種小売業でライフスタイル提案の一環としてメンズコスメの導入を検討するところが出てきています。
化粧品売り場やドラックストアでなく、ファッションや趣味のショップでコスメを扱うということです。

例としては、メンズ雑貨のセレクトショップ「コレクターズ」では、数店舗でメンズコスメの取り扱いを開始しています。
ファッション系のラグジュアリーブランドでもメンズコスメの発売が見られます。

今後、メンズコスメはライフスタイルの提案として製品を取り入れる企業が増えることが予想され、それが結果的にチャネルの拡大に繋がるでしょう。

メンズコスメも女性コスメと同様、美容意識だけでなく、より快適で楽しい、健康的な生活を送るためのライフスタイルアイテムとしてステージに入ってきていると言えそうです。


注目のメンズコスメブランド

コロナ禍以前から、実店舗での訴求やインフルエンサーによるプロモーションなどに力を入れ、メンズコスメユーザーのリーダー層を牽引してきたブランドたちです。

オルビスミスター(ORBIS Mr.)

レディースコスメでも有名なオルビスのメンズライン。
無香料・無着色・アルコールフリーにこだわったスキンケアシリーズはデリケートなメンズ肌を優しくケア。
全体的に手が出しやすい価格でコスパに優れているので、初心者の方にもおすすめです。グレーで統一されたシンプルなパッケージデザインも男性に人気。


バルクオム(BULK HOMME)

「メンズスキンケアの、ベーシックであり続ける。」をコンセプトに掲げるスキンケアブランド。メンズ肌のために厳選した7種類の共通美容成分が肌本来の美しさに働きかけます。
悩みに合わせて作られたラインナップも豊富で、初心者から上級者まで幅広くおすすめできます。インスタ映えしそうなかっこいいパッケージ。


ヌル(NULL)

「全ての男性を美しく」を理念とし、メディアで取り上げられることも多いブランド。
抗炎症成分を配合したアイテムが多く、肌トラブルに悩む男性にもおすすめです。
男性のニーズにしっかりはまるアイテムが多く、中でもBBクリームは、特に高い支持を集めています。


クワトロボタニコ(QUATTRO BOTANICO)

年齢を重ねても男性が輝きを持ち続けられるよう「枯れない男のメンテ」を推奨するブランド。健康的な肌を保つために厳選したボタニカルエキスを使ったアイテムが特徴です。
泡立て不要な洗顔料やオールインワン化粧水など、忙しい男性でも簡単にスキンケアできるアイテムが揃う。天然由来成分にこだわって作られており、優しく肌トラブルをケアできる点も特徴。


ファイブイズムバイスリー(FIVEISM × THREE)

メンズ肌のために選び抜いた植物由来成分で、ワンランク上の身だしなみを提案するファイブイズムバイスリー。高級感あふれる洗練されたパッケージデザインでプレゼントにもおすすめ。
使い勝手がとても良く、初心者でも扱いやすいアイテムが揃う


大手メーカーのブランドも進撃

女性用ブランドで有名だった大手メーカーも、2020年以降は特にメンズ用ブランドに力を入れてきています。
商品ラインナップを拡げ、イメージキャラクターの採用するなど、女性用ブランドと同様の手法でユーザー獲得を狙っています。
ただし、今後は、女性とはちがう男性のニーズをしっかりと見極めた商品開発やプロモーション展開が重要になりそうです。

SHISEIDO メン 

資生堂ならではの長年の男性肌研究に裏打ちされた商品開発力が強み。2021年にリニューアルし、美容液などが好調。


ウーノ(uno)

未使用者の開拓に力を入れ、コロナ前までに毎年2桁の伸びの成長を果たしてきた。牽引してきたのは、スキンケアのオールインワンシリーズと、メイクアイテムのBBクリーム。


マニフィーク(Magnifique)

2020年にデビュー。従来のメンズコスメブランドには少ない“ナチュラル”をとりこんだブランド。ECをメインプラットフォームとして展開している。


ギャッツビーザデザイナー(gatsby THE DESIGNER )

ヤング層向けブランドである「ギャツビー」の新ラインとして2021年10月にデビュー。ターゲットは、「多様な自己表現を楽しむ男性」。


メラノCC Men 

美白美容液として5年連続売上No1を誇る「メラノCC」の男性用として登場。ターゲットは40代男性で、SNSよりもドラッグストアで商品を選ぶ人たちを想定し、売り場で手に取りやすい売り場展開を目指している。


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