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運転支援システム研究室の紹介

みなさん、こんにちは!
私は運転支援システム研究室所属の修士2年・齊藤です。
よろしくお願いします。

今回は運転支援システム研究室(伊東研究室)の紹介をしたいと思います!

1.研究内容

運転支援システム研究室は名前の通り、ありとあらゆる方面から運転を支援するシステムを考える研究を行っています。

例えば、最高の運転支援である自動運転ひとつをとってみても…

  • 自動運転システムに利用するセンサ(LiDARやレーダー、カメラなど)の性能を向上させる

  • 運転支援システムのための深層学習による物体検出を行う

  • 自動運転中のドライバの状態を監視する

  • 搭乗者にとって快適な自動運転の制御を考える …etc.

といった風に様々な角度から研究を行っています。

今回はたくさんある研究テーマから2つご紹介したいと思います。

自動運転への倫理観の実装

一つめは、ドライバの倫理観を自動運転システムに実装する研究です。この研究は、ドライビングシミュレータを使った実験なども行っており、特に人に焦点を当てた研究です。

完全自動運転を実用化する際に、自動運転の倫理観が課題の1つとしてあります。例えば、自動運転の倫理観の一つとしてトロッコ問題が挙げられます。

トロッコ問題とは、ブレーキの利かないトロッコがまっすぐ進めば5人、進路を変えれば1人が轢かれてしまう状況の時に、進路を変えるかどうかを問う問題です。

自動運転が普及した際にもトロッコ問題のような状況は想定されます。事故を絶対に回避できない状況でどのような犠牲を払うのか、自動運転車がどのような選択をするのかを決定するシステムを搭載する必要があります。そこで、ドライバ個人の倫理モデルをつくり、自動運転車に搭載することで、倫理観課題の解決を目指しています。

倫理モデルの作成のために、ドライバに様々な状況でのトロッコ問題をドライビングシミュレータ上で体験してもらい、その時の脳波と脳血流を解析することで倫理モデルの作成を行っています。

この研究によって、自動運転車は、もしもの場面において機械的な選択ではなく、ドライバの倫理観に合わせた選択が出来るようになるかもしれません。

自動運転シニアカーの開発

二つめは、自動運転シニアカーの開発です。この研究では、シニアカーを自動運転化するためにハードウェア・ソフトウェアの両面から開発を行っています。

自動運転技術は高級車や高速道路からなどといった段階的な導入が見込まれています。そのため、本当に自動運転技術を必要としている高齢者や身体障がい者の方の手元へ自動運転技術が届くのは後回しとなっているのが現状です。

そこで、私たちはそういった方たちへ自動運転技術を届けるためにシニアカーの自動運転化を目指しています。

シニアカーは法律上歩行者扱いであり、最高時速6km/hと早歩き程度の速度です。免許も不要であるため多くの人が気軽に運転するこが出来ます。
また、自宅から駅への移動や、施設内部においてシニアカーは自由に移動することが出来ます。シニアカーは、自宅から乗り降りすることなく公共交通機関に搭乗し、目的地までの移動が可能です。

このような利点を持つシニアカーをより安価に自動運転化するために、後付けの自動運転セットボックスの開発をしています。センサやモータ、PCなどを含めたセットボックスを既存のシニアカーに後付けするだけで、自動運転が可能となります。

自動運転の実現のためには、センサで周辺環境を認識し、認識した内容からどのように車体を動かすのかを判断し、判断結果からモータなどを制御する必要があります。そのために、私たちはハードウェア・ソフトウェアの両面 からの開発を行っています。さらに、搭乗者が自動運転シニアカーに対してどのように指示を出すのかといったユーザインタフェースの研究も行っています。

昨年2021年9月にはさいたま新都心コクーンシティでの実証実験を行い、興味を持ってくださった通行人の方に試乗していただきました。
試乗していただいた方からは好評をいただき、私たちにとってもユーザの意見を直接うかがうことができ、今後の参考とモチベーションにつながりました。

さいたま新都心での実証実験は今年度も実施予定ですので、興味がありましたら是非お越しください!!
2022年9月12日〜15日(13時〜16時ごろ)

2.研究室生活

伊東先生の教育方針のひとつに「グローバルでタフな人材の輩出を目指す!」というものがあります。

これをよく表しているのが海外でのPBLです。
PBL(Project Based Learning)とは、課題解決型の学習のことで、学生が自ら課題を発見し課題解決を図る学習法です。
システム理工学部ではPBLが多く取り入れられていますが、当研究室では海外でのPBLを行います。

私たちは、イギリスのラフバラーに行き、現地で交通に関する課題を発見し課題解決を行います。

2022年度に行ったイギリスでのPBLでは4つのチームに分かれて

  • 横断歩道における歩行者の行動調査

  • E-スクーターの調査

  • ラウンドアバウトの調査と日本への導入

  • 路肩駐車の調査と安全な車両レイアウトの提案

をテーマに調査や提案を行いました。

現地での調査や、生活において英語を話さなければならない環境、毎日の発表でグローバルでタフな経験を得られました。

また、多くの学生は今回のPBLが初めてのイギリス渡航ということもあり、PBLを行った大学のあるラフバラーはもちろん、ロンドンも大いに楽しみました。ひとりでは少し怖い海外も、見知った研究室のメンバーと一緒に行くことで安心して楽しむことが出来ました。

さいごに

運転支援システム研究室では、様々な角度から運転支援に関する研究が出来ます。研究活動でひとつの分野について極めるのはもちろんですが、広くシステムとして考えることで、周辺分野の知見も広げることが出来ます。

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