モラトリアム記者
匿名の新聞記者が本音を書きます。
信じられない河北新報の報道 読んだ瞬間、思わず紙面を叩きつけるところだった。 東日本大震災の発災から13年の3月11日。東北地方のブロック紙「河北新報」の夕刊1面には、被災地のメディアが報じたとは思えない表現があった。 宮城県仙台市に本社を構える同社が、震災報道にどれだけ注力してきたかは私が説明するまでもない。敢えて説明すると、発災直後の社員の奮闘を記録した「河北新報のいちばん長い日」は、メディア関係者の中では「必読書」と評する人もいる程である。 数々の受賞歴は、
記者を目指す上でやっておいた方が良いことを、学生時代の自分は必死になって探していた。とにかく本を読み、人と会い、街を歩いた。読書は知識を、出会いは人脈を、街歩きは想像力と好奇心を与えてくれたと思う。 などと偉そうに語る立場にないのだが、最近「記者になる前にすべきこと」に類する質問が就活生から多数寄せられる。最たる例は「アルバイトは何をすべきか?」。 結論を言うと「好きにしなはれ」。 詰まるところ、最適解はない。周囲の記者を見渡しても学生時代のアルバイトは十人十色
以前Twitterで投書についてつぶやいた。 これについてもう少し詳しく書きたい。 〈見知らぬ故人の投書に心揺さぶられ〉 投書を始めるきっかけは「自分が生きた証を残したい」という気持ちだった。仰々しい表現かもしれない。 私が通う大学図書館には朝日、毎日、読売、産経、日経の膨大な縮刷版が開架図書にあった。空きコマの暇な時間を見つけては適当な縮刷版を開き、古い新聞記事を読みあさっていた。 中でも読者投稿欄はある意味新聞記事以上に世相を映す鏡だと感じた。その時代を生
昨日投稿した「インターン選考」はさておき、新聞社の採用試験には原則として筆記試験がある。社によって出題数や問題形式に違いはあるものの、時事問題+作文である場合が多い。毎日新聞社と下野新聞社(栃木県)はニュース時事能力検定2級以上を持つ受験生について、筆記試験における時事問題を免除する優遇措置をとっている。スポーツニッポン新聞社も同検定2級以上で筆記試験を加点している。 また、一部地方紙ではSPI試験のみとする社も。ただSPIのみの社もエントリーシート(ES)に求められる
23年入社世代のマスコミ就活は早くも中盤に差し掛かっているらしい。興味本位で読売新聞の採用ページを覗くと、8月から既にインターンシップを開催していたようだ。在京キー局など一部の全国メディアでは内々定を出しているところもあるとか。勝負は大学3年次から始まっているのだ。 ▲2019年5月1日時点の大卒内定率を報じる共同通信のニュース(当時撮影したもの) 往々にしてメディアの「青田買い」は比較的早い傾向にある。令和入社世代の筆者の時もそうだった。ざっくり言うとマスコミ就
〈始まり〉2020年12月29日午前2時35分。毒にも薬にもならない86文字がTwitterのタイムラインに現れた。 21年卒を名乗る記者内定者のアカウントが予想以上に多くて驚き。私ゃ、人事に目を付けられているかとビクビクしながらSNSには鍵をつけまくってた臆病者だから、豪胆さに脱帽する。 「モラトリアム記者の独り言」を名乗る匿名新聞記者のアカウントを始めて早半年。いつのまにか、しばしばリプライが来るようになった。 私にとってツイートはあくまで「独り言」。予想以上に反響
はじめまして。Twitter(@userajik)で独り言を呟いてきた匿名記者です。この度、思うところがあってnoteを始めました。この半年で匿名記者アカウントがポツリポツリと増えてきた印象がありますが、私もその波の中でアカウントを作った一人です。 思うがままに呟いてきましたが、この1か月くらいでリプライをいただくようになりました。共感、疑問、批判。様々な意見をいただく中、私はいずれのメッセージも「既読スルー」の形を取ってきました。当初から「リプライには返信をしない」とい