「一生懸命」は報われて欲しい。〜東京五輪 7人制ラグビーを観て手短に〜

7人制ラグビーの世界大会・ワールドラグビーセブンズシリーズの、北九州セブンズ最終年度での出来事やった様に記憶している。

7人制ラグビー女子日本代表・サクラセブンズの試合。敵陣からの、前半ラストプレー。
懸命にボールをキープするも、前に進めない。
ホーンも鳴っている。
時間だけがいたずらに経過していく。

大会開催期間は4月下旬。そうとは思えない、気温の高い・日差しの強い中で。
当時のキャプテンの手にもボールが渡る。
ゲームを切る気配は無かった。

決して多いとは言えない観客席のお客さんの中からも、「早く出せ!」「何で(ゲームを)切らないの?」と言う声が聞こえていた。
この日の、この大会の最終ゲームでは無いのに。

一生懸命やった。

とにかく何とかしよう、と。

結局、2分と少しばかりプレーを継続したのでは無かったか。
得点は出来なかった。

これがこの後の、東京五輪での試合を終えるまでのチームとしての何かを表してたんじゃ無いのかな、と今になって思う。

そう。
一生懸命なのだ。
彼女達も、男子代表も。

一生懸命なのは間違い無かった。

でも、一生懸命なのは間違い無くても、その一生懸命さの方向性が間違って無いか?は別の話になる。

現実は厳しい。
メダルを獲りたい、と公言しての結果を見たら、正しくは無かったんやろうな、となってしまう。

7人制は東京五輪に至るまで女子を観る機会の方が圧倒的に多かったんでそっち寄りの話になってしまうのですが。

北九州セブンズ時代から感じてはいましたが、五輪で戦う(以前に、7人制の国際大会で、と言うべきか)には足りて無い物が多かったのでは。

本番までには埋めきれ無かっただけなんやろか。
他国・特にメダル獲得を目指すなら避けられない上位国との違いを、当時現地で観てた皆さんが恐らくほぼ同じ事を思ってたでしょうが、現場は捉え方が違うかっただけやったんやろうか。

パス・ラン・キックのベーシックスキル(皮肉な事と言うべきかどうかやけど、同じアジアのライバルで北九州セブンズでも競り合って今五輪で躍進した中国は、ここら辺は当時からしっかり落とし込んでいた)、一対一で止めきる力、コンタクト(ボールキャリー時に自分から当たりに行く事)を怖がらない(今五輪はもの凄く怖がってる様に見えた)。

あと、何より7人制ラグビーと言う競技への理解度。
先述の北九州セブンズの一件は如実にそれを表してたし(得点出来る可能性が低いのと敵陣故失点の可能性もあるので、体力を考慮してゲームを切るのはよくある話)、残り時間が少ない中でリードを奪いながら、逃げ切る術(時間の使い方)がどうもチームとして無かったっぽい所とか。
ここら辺を、組織力や一生懸命さでとにかくカバーしてたんやろけど(しきれんかったんですが)。

女子代表HCは「チームとしての努力が不足していた訳ではありません」とコメントしていた。
「どこよりも努力して、生活を犠牲にして(五輪に)挑んだ」と言った男子代表の選手も居た。

何度も同じ言葉を使って申し訳無いが、一生懸命やったのは観てた皆さんには十分伝わってる。

だからこそ、次はどうかそれが報われる様に。
五輪だけじゃなく、W杯もセブンズシリーズもこれから続くんやから。
選手と現場スタッフ・そのご家族の皆さん、ほんまにお疲れ様でした。ゆっくり休んで下さい。

協会は猛省ですよ。



書いて思うけど、一生懸命・努力の方向性ってラグビーに限った話じゃ無いよね。
自戒の意も込めて。


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