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京大中退から5年。私がまだお菓子屋さんを諦めない理由。

こんにちは!
現在友人と3人で「焼き菓子工房マーニー」という小さなお菓子屋さんを運営しております、陰地加奈子(おんじかなこ)と申します。
このnoteを開いて下さってありがとうございます。

私には、
"お菓子屋さんを、もっと内側から見ても魅力的な業界にしたい!"という夢があります。

なぜそう思うようになったのかについて、
今日は、今までずっと話してこれなかった自分の過去のお話をしようと思います。

その前に、「なぜずっと話してこれなかったのか」についても触れておこうと思います。


#過去のことを話してこなかった理由

単純に、この話を世に出すと言う事は、自分の辛くて醜い過去を晒すと同時に、お世話になった方々を「批判している」と取られてしまうかもしれなかった事があります。

自分の悪い部分は出したくなかったし、他人を悪く言っているように聞こえたら、自分がどう見えるのかが気になって怖かった。
つまり、自分を守りたかったから、保身だと思います。

ではなぜ今になって伝えようと思ったのか?

もちろん今も批判がしたいわけではありません。 

でも、当時感じた自分の感情はホンモノです。

私がこのまま過去を黙ってしまったら、私と同じ思いをしている人にも届かないし、
私が本当にやりたい事も、どうして成し遂げたいのかも、伝わらないままになってしまう。

挑戦するなら、話さなくては。
そんな使命に駆られて、いま書いています。
どうぞ温かい目で読んでいただけると幸いです。


#なぜ今でもお菓子屋さんにこだわるのか
ー最初のきっかけとなる過去についてー


私が大学を中退して初めて社会に出たのは、20歳の時でした。

それまでは、「京都大学医学部人間健康科学科」という所にいました。
地元では進学校と言われる場所にいたため、周囲に合わせて大学に入っておこうかという気持ちもあったと思います。

途中で辞めることになった理由については過去に何度か文章にしてきたので、今回は省かせていただきますが、
ざっくりいえば自分の元々やりたかった事に立ち返り、「やりたい事をやろう」と決意したためです。

それが、私にとってはお菓子の世界でした。

あるパティスリーに勤める事に決まり、最初の1週間ほどは、緊張とワクワク、期待感でいっぱいだったような記憶があります。
最初の1週間ほどは、です。

その後からは、当時の私にとっては、とても苦しくしんどい日々が待っていました。

...

*まずは、毎日朝が早くて夜遅いこと。

時期によっても変わりますが、入社直後はだいたい朝は6:30くらい、夜は遅ければ日付が変わるくらいまででした。
それは、お店では当たり前にみんながやってる事で、もっと言えば当時のお菓子屋さんのスタッフなら、どこでも普通にやっていた事です。
「そんな事か」と思われてしまうかもしれません、、。
でも、私にとってはそこからがもうハードな試練の始まりでした。

*そして、これも他の多くのお菓子屋さんと同じように、上下関係としきたりが厳しかったこと。

今まで部活は上下関係の緩い所でしか経験してこず、つい数日前までは上も下もほぼ無い「アットホーム」なサークルにいた私には、衝撃ばかりでした。

「(物理的に)重い仕事」
「その場から動く仕事」

は、全て後輩の仕事です。

私がいたお店では、
見習いはまず、朝お店に着いたらダスター(厨房用の布巾)を洗濯し、みんなの分のお米を炊きます。

先輩が重いモノを運んでいたら、後輩は自分で気付いて「持ちます!」が当たり前です。
先輩がもし洗浄機の目の前で作業していても、洗浄の止まる気配がすれば、小走り10歩の距離の後輩が洗浄機まで駆け付けます。
二階では、ダムウェーター(焼き菓子などを運ぶ小型エレベーター)が上がってきたら、真っ先に後輩が取りに行きます。

休憩中も、うかうか休んでいる暇はありません。
先輩が休憩に入ったら(入ってくる気配がしたら)、その時休憩している中で1番下の後輩が先輩のごはんをよそって、
「これくらいですか?」と聞きます。
その際に、残りのお弁当の数と残っているごはんの量を見比べて、必要であれば追加でごはんを炊きます。
シェフやマダム(お菓子の世界ではシェフの奥様をマダムと呼びます)と休憩が一緒になれば、
食事が終わる頃を見計らって、コーヒーを淹れる行事もあります。

*他に精神的な厳しさもありました。

知らない事、わからない事を質問すると、「前に言ったけど」と怒られるか、「そんな事も知らないの?」と呆れた顔をされます。

仕事のスピードがお店の求める基準に足りないと、「遅い」と罵倒されます。

怖くて質問が十分にできず、スピードが遅くても怒られる世界の中で、
何か失敗、ミスをした人は厳しく責められ、全員の前で反省を求められて罰を受けます。

そして失敗する度に、「なんであなたはいつもそうなの?」と言われます。

私には、みんながみんな、怒られないように仕事しているように見えました。
ある日、誰がしてしまったかわからない大きなミスが発覚した時、名乗り出る人は誰もいませんでした。


「お菓子で人を幸せにする」という、本来スタッフ全員が持っていなければならないはずの目的は、ストレスフルな日々の中で霞んでしまっているように感じました。

...


郷に入れば郷に従わなければなりません。
理にかなった文化・システムである、という正しい面があることも、もちろんわかります。
何者でも無い自分が偉そうにモノを言うなという正論も、もちろん。
だから、「自分が出来ないのがいけないんだ」と思い、全て必死で従おうと、周りに何とか追いつこうと、歯を食いしばって頑張っていました。

それでも私はお店の中で、常に落ちこぼれでした。

自分がいないと思われていた場で、半笑いで自分の悪口を言われた日もありました。

一時期は、家に帰ると毎日毎日悔しくて悲しくて泣いていました。

常に疑問でした。

「なんでこんなにお互いを責め合うんだろう」

「なんでみんな怒られないために働いてるんだろう」

「なんでもっと効率的なルールにしないんだろう」

「なんでこんなに意味のわからない辛い思いをしてからじゃないと、パティシエにはなれないのだろう」


そして、
「もっとお互いを認め合う文化になったらいいのに」

「もっと本質的で効率的なルールを、明確化したらいいのに」

「こんなに辛い思いをしなくてもケーキ屋さんで働ける世界になればいいのに」

密かに、ずっと、そんな事ばかりを考えながら、
ビジネス書や自己啓発本を読み漁るようになりました。


そして2年半働き続けた結果、私には、何かを言われたらとりあえず「すみません」という癖が付きました。
すみませんなんてちっとも思ってなくても、自然と「すみません」と言っていました。
感情に蓋をするようになっていた気がします。

小さい頃から生意気で、意思が強くめちゃくちゃ頑固な性格の私です。
自分が本当に思っていないことを言わなければいけない事も、
自分が思っていることを発言しても全く聞いてもらえない環境も、
本当は苦しくて苦しくて仕方がなかったはずでした。


あの時、あの日社会に出てから、もう5年も経ってしまいました。
他のケーキ屋さんでも、飲食店でも、色々な所で色々な経験を積ませていただきました。

今振り返ってみると、


「単に合わなかっただけ。」


と自分を言いくるめることも出来ると思います。
ただ、1年の離職率70%と言われる業界で、私と似たような苦しみを経験した人(している人)は、何人いるんだろうと考えてしまいます。



今、私はあの頃のように1人ではありません。
最高の仲間を見つけて、やっと一歩を踏み出し始めたところです。

私が目指す世界は、
「目的のために言いたい事が言える」
「それぞれの長所が生かされる」
「結果お客さんとスタッフが共に幸せを感じる」
そんな場所です。

私自身が楽しく働ける場所を作る事が、誰かの救いになると信じています。



令和に相応しい、新しくて持続性のある、人々に幸せを提供する場所を、社会的構造から考えて作っていきたいと、本気で思っています。


そして、あの時落ちこぼれだった私が、たくさんの人に支えられながらも自分の理想のお店を持つ事によって、
周囲に夢を与えられる存在になりたいのです。


#最後に。

ここまで長文を読んでいただき、ありがとうございました。

最後にひとつだけ、お願いをさせて下さい。

このSNS時代、これから自分自身の夢を叶えるためには、出来るだけ多くの方の力が必要になってきます。

読んでいただいて、

「その感じ、ちょっとわかるなぁ」
「自分も昔、辛かったのかもなぁ」
などと、少しでも共感してくれた方。

「お菓子屋さんのスタッフが生き生きしてたら、たしかに利用するとき嬉しいな」
などと、未来に少しでも期待をしてくれた方。

「いい夢じゃん」
「頑張れ!」
と、個人的に応援してくださる方。

、、、、

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(※ひとつちゃうやん!というツッコミはスルーさせてもらいます。)


これからも皆さまに応援していただけるよう努力すると共に、各SNSではできるだけ役に立つ言葉や前向きになれる言葉を発信&報告していきたいと思います。

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それでは!今日も素敵な1日になりますように。


#ケーキ屋 #お菓子屋 #夢

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