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今、生きていることの実感を

惣菜屋なのに路上ゲリラライブみたいなことをしていた時、まだ見えぬお客様を待ちながら、太陽が沈む瞬間をじっくり見守ることが多かった。

朝が来て、昼があって、夜になる。
寒かったのが、暑くなって、また寒くなる。

植物が日頃から生き様としてやっていることそのままに、人間のわたしもまた、日の光にコントロールされている、と実感していた。

所詮、生物。ただ、偶然今、生かされているだけなんだな、と。

そして、仕事なのか生活なのか、もはや区別がつかない日々の中で、一筋縄ではいかない、一番身近な他人を前にして、諦めと赦し、そして気を紛らわす方法を見つけて過ごすのは、「まさに、今を生きている」実感しかない。


この年末、料理人との話の中で、わたしが最重要課題としたこと。

今年こそ
コール&レスポンスが飛び交う、ライブ料理の場を実現する。

子どもが小さいうちは、とオンタイムでの提供を避けるような段取りを組んできた。家庭を、我が子を、蔑ろにしないような業でなければ、と。

まだまだ甘えたい盛りだけれど、少しずつ成長しつつある我が子。
親たちの背中をよく見て、「家業」のようなものが腹落ちしつつある我が子。

その姿に後押しされる今年は、料理人としてもさらにもう一段階高いステップを踏めるよう、できるなら「ライブ」をしたい。

仕事をするということ。
愉しむこと。
幸せだなぁと今をリアルタイムで、その場に集う全員が実感すること。

今のわたしたちができる精一杯の表現を「ライブ」で。

度胸がないので、これまで遠回りしてきたけれど、やっぱり「美味しいもの」を食べ「生きてるなぁ」と感じる「瞬間」を、作り手と食べ手が時空間を共にすることも大事だよなぁと思う。

料理人の伸びしろをさらに伸ばすため。

そして、元々「料理人」を志していないわたしが、今年こそ「小豆との対話」の世界での歩みを進める。料理を際立たせるもの、終わり良ければ全てよし、となるように。

「料理人」に負けじと劣らず、わたしもたいそう不器用なので「好き」を軸にしないと、身動き取れないけれど。

今年の下半期には、ライブ(コール&レスポンス)と小豆の何か、を実現できたらいいなと思う。

亀の歩みで進むわたしたちのこれまでを、今振り返っておく

2016年10月:地元商工会議所の創業塾に参加
2017年8月:創業準備活動を開始、創業計画を起案
2018年2月:公共施設内にて2カ月間の期間限定飲食店を運営
2018年7月:開業届提出
2018年9月:家の中に専用厨房を作り、副業として屋号を掲げて小商いを開始
      公共施設内で月2回の定期出店を2020年4月まで継続
2019年10月:本業として、市内2ヶ所で「おかずの移動販売」開始
2020年4月:1ヶ所追加し、市内3カ所で週3回の「おかずの移動販売」開始
2022年3月:「おかずの移動販売」を休止
2022年6月:1.5tキッチンカーによる「移動型店舗」の稼働開始
2022年7月:えにしらぼ 〜家庭料理の仮想研究室〜 の開催
2022年10月:「野菜だしの滋味スープ」小売販売開始

創業塾に参加していたときに「モヤッと描いていたこと」が、この6年間に少しずつ現実のものとして実現してきたことは、自分たち自身をとても勇気づける。

(同業種でも他業種でも)人と比べて、わたしたちにできることはわずかしかない。

正直正統とされる道とは明らかに違う、ヒットとは程遠い裏街道の凸凹道をとぼとぼ歩いているわたしたちだけど、歩き続けていれば、いつかたどり着ける道はある。

今年も、ノロノロと亀の歩みで行きます!

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