ミニ歌舞伎町
商業看板デザインは、見るものの心理を掴む仕掛けに満ち満ちていて、所狭しと並んでいれば、その情報量と圧に圧倒される。
最近は県内各所でも様々な屋外イベントが開かれるようになり、その度に、人間心理を汲んだ大きなメニュー表示に、見た目にも工夫を凝らしたキッチンカーが所狭しと集結する。
ぱっと見てのわかりやすさ、が求められ、いろんな専門店がしのぎを削る。
統一感というのは、なくて、とにかく単独の主張が、ガンガンと飛び交っている感じ。
ある人はそれを「賑わい」と言ったり、「活気」と言ったりする。
昔からある商店街のような、微妙な役割分担や助け合い、というよりは、それは、お店が主張しあい「きらびやかな幻」を蜃気楼のように表しているような、さながら「ミニ歌舞伎町」。
わたしたちの「動くお店」は、現状、「ミニ歌舞伎町」に入りこむと、全く目立たない。
目立たないから、気づいてもらえない。
目立たないから、買ってもらえない。
目立たない方が、悪いのだ。目立つのは悪ではない。
目立つことが、最初のステップの正解なのだ。
これまでは、頑なに「自分たちの立ち姿」が自然の風景になじむこと、街の景色になじむこと、を優先してきた。
それが、自然体だからだ。
でも自然体のままでは、風景と同化してばかりでは、本当に出会いたい人には、全く気づいてもらえないのだ。
これからは、ベタに「目立とう」と心に決めた。
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