執念めいたもの

そういえば、わたしたちには、開店◯周年、という言い方ができない事情がある。

というのも、その時々に置かれた環境下で、やれることを無理なくやれる範囲で、じわじわ実行型でやってきたから。

事業の構想自体は2016年秋の地元商工会議所主催の創業塾に始まった。

2017年8月から具体的な検討を開始し、これまでの人生で接することのなかった人たち(役所の創業支援担当者、中小企業診断士、フードコンサルタント、支援機関に所属する販促、マーケティングのプロフェッショナル、など)とお会いしてきた。

2018年2〜3月に営業実践訓練と試行を行いつつ、ロゴを作ったのもこの期間。

試行訓練結果を踏まえ、素人の夢想からより現実的な根拠を持つ夢想を胸に、2018年6月までにかけて、創業計画を策定した。

2018年7月には、別事業(シェアキッチン)で開業届を提出。
と同時に、お店の拠点となる厨房を作るため、自宅の改装に突入した。

2018年9月から、いよいよお店のロゴをでかでかと表示した商品販売を開始。月1回(途中から2回)の定期的なマルシェ出店だった。

主人が給与所得を得ながら、まる1年、マルシェ販売を通じて試行錯誤を続けた。価格の設定基準、販売方法、宣伝方法、売上記録法、あらゆる基本的事項を体当たりで会得すべく、少しずつ、少しずつ。

2019年9月、いよいよ離職し、独立離陸期に突入、翌10月より「おかずの移動販売」を始めた。

世間一般の方が考える「お店の開店の順序」とは違うかもしれない。準備万端にして、初期投資でハードを揃え、レッツゴー的な。

わたしたちは、慎重にやりたかった。

資金繰りがうまくいかず、1年で消える店にはなりたくなかった。
営業販売がうまくいかず、3年で消える店にはなりたくなかった。

一度始めたことは、必ず継続したかった。

執念、みたいなものかもしれない。

まだ夜明け前だった、2018年の「営業実践訓練と試行」の時から、「買い支え」の形で応援してくださる方々がいる。支えられて、ようやく立てる状態が続いている。まるで親の庇護下にいる子のような。

いつまでも手のかかる子でいるわけにいかない。

これからもずっと、新しいお客様、多くのお客様と出会い、しっかりと経営基盤を盤石なものにしていかねば、と思っている。

今年からの3年間が、勝負どき。

がんばろう。

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