気まずい


傘を差そうか差すまいか、微妙な雨だった。

私の桜島大根のような腕では10滴ほど観測したので私は差した。

ところが大通りに出て、かなりの人数が行き交う交差点では誰も傘を差していない。

これは私の面積の問題なのか?
私の面積が広大だから、私という大地で雨を観測できたのか?


なんだか少し切なくなって、少し気まずくて、でも今更傘を畳むのも何かを気にしているみたいで、いや気にしてるんだけど。
そのまま家まで傘を差し続けた。


こういう、気まず〜〜〜となる瞬間、結構ある。

上司に指示を仰ぎそのまま処理を進めていたらやり方違うよ〜とご指摘を受けた時。
うちのボスはうっかりさんなので割とこれがある。
めちゃくちゃ忙しい納期ギリギリに心底どうでもいい長電話をしてきたりもする。
大体長くて何を言っているか分からない。

お疲れ様ですと私より先に退勤した人とエレベーターホールで一緒になるのも、お手洗いに立った時に廊下で同僚とすれ違うのも、会社ビルに入る前の横断歩道の信号待ちで上司と一緒になるのも、全部気まずい。


そんな最近のトップオブ気まず〜は
「え〜!もっと若く見える〜!!」だ。

ここ最近、実年齢の26歳よりも下に見られることが増えた。

ずっと年上に見られてきたのに。

服装の系統や、メイクがガラッと変わったわけではない。
前髪だって割とずっと横に流せるくらいの長さで安定しているし、特に大きく変わったことが思い浮かばない。
ただ、私が年齢を重ねてそこそこ大人になったことだけ。

ただ単に実年齢が追いついただけなんだろう。
昔から身長も高かったので、中学生の時にはすでに成人に見られ、15歳の時にバイト先のお客さんに誘われ未成年なんで〜と断ると「断る口実でしょ」と言われた。


若く見られる歴が非常に浅いので、前述のようなことを言われると非常にリアクションに困る。

年下の子に言われても、年上の方に言われても。

若く見られることが嬉しいことなのか定かではないので「ありがとうございます〜」もなんか違うし、若く見えるかどうかは主観なので「そんなことないですよ〜」も違う。
とりあえず「あ〜そうですか〜?」とへらへらする。
へらへらするのは大得意なので任せてほしい。

思えば、私は答えたくないことや、これ以上深入りするなよと思うことに対してよく「あ〜ほんと〜?」とか「そっかそっか〜そうだね〜」となんとも言えない返事をする。
うんうんうんと、こまめに相槌は打つけれどあんまりちゃんと聞いてはないのでおうむ返しだし。



リアクション下手なだけか。

会話上手になりたいもんです。



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