予定がない


本当に苦手。
予定のないお休みが。

別に人と会わなくていい。
ただ、例えば今日はお部屋をぴかぴかに掃除するぞ!とか、今日はお買い物に行くぞ!とか。
そういう1人で勝手に済ませられることでいい。
予定と呼ぶには小さすぎることでいい。
ただ、なにもしないことが苦手。
予定、目標、やることがないのが苦手。
不安になる。

この世に、私ひとりぼっちみたいな気持ちになる。
めそめそしはじめる。

どんどん暗くネガティブになってしまう。
飲み込まれる前にと、顔を洗い、メイクをして、いつもはしない髪型にして、外へ出た。
特になにも予定はないけれど、とりあえず。


そういえば使いきれていない切手があったことを思い出し、84円でお手紙を送れるうちに送ることにした。

駅ビルへ向かうと、雑貨屋さんが改装するらしくセールをやっていた。
しかも最終日。
可愛いレターセットが90%オフというよくわからない価格。
細々したものをいろいろ買ったけれど、5,000円近いお会計が500円。
外に出てよかった。

同じビル内のスタバへ向かった。
席を確保してほうじ茶なんとかティーをモバイルオーダー。極力人と話さずに完結させたい。
無脂肪が良かったけど、無脂肪がなかったのでアーモンドミルクにした。キャラメルソース追加で。
ちなみに私はアーモンドミルクがあまり好きではない。

隣は小学生くらいの利発そうな男の子。
フラペチーノとヨーグルトを注文し、タブレットでゲームをしている。
時代だな。
私が小学生の頃は、野山を駆けずり回り、ザリガニ釣りに勤しみ、毎日デロデロに汚れて、母の目を盗み倍量入れた濃すぎるカルピスをぐびぐび飲んでいた。
そして「俺が若い頃は〜」みたいな話をするおじさんにそんなん知らんわと思っていたけれど、自分がそちら側に立ってしまってちょっと辛い。同じようなこと言っちゃった。


本を一冊持っていっていたので読みながら誰にお手紙を書くか考えた。

ようやく決まった頃、利発ボーイは退店し、代わりに男女二人組が座った。

とりあえず、小学校からの友人と、遠くに住む友人、先日風邪を引いた時に優しさをくれた知人に書くことにした。


ジブリ展か、ジブリのお店かで買ったカオナシのボールペンをぎゅっと握り、○○ちゃんへ、と書き出す。
イヤホンからはあいみょん。
余談ですが、あいみょんを聴ける夜と聴けない夜があります。最近は比較的、聴ける夜ですので大丈夫です。


テーブルの木目にペン先が引っかかる。字が少し歪む。
それもまあ味だろうと、元からなんとも味のある字を書く私に言い聞かせた。

1通目を書き終えた頃、ふとあいみょん越しに隣の2人の会話が聞こえてきた。
男性は女性にあれこれ話しかけているけれど、女性が信じられないくらい塩対応。
おそらくマッチングアプリか何かで出会った2人だろうなとは思っていたけれど、こんなに温度差があるのか。怖いな。

でも聞き耳を立てていると、男性の会話にも問題がある気がした。
きっと私だって、たとえ好きな人相手でも、塩対応しちゃうと思う。
ちらりと女性と目が合い、なんともいえない変な顔をしてしまった。

音量を少し上げ2通目。
軟弱な右腕はすでに少し疲れてきた。
だけどワクワクが、このだるさも許す。

ドリンク1杯しか注文していないので1時間ほどで退店。
お手紙は結局2通しか書けなかった。


子供の頃は年賀状のやり取りで友人の住所を把握していたけれど、大人になるとさっぱり。
子供の頃は家電の番号とか、何人か覚えていたのにな。
今ではもう携帯の番号も知らないし、私も教えていない。
関係が希薄になったとか、そんなことはないけれど。

だからこそ、お誕生日とか、クリスマスとか、そんな時に私は結構しっかりお手紙を書く。
下手な字と下手な文章で。

お手紙を書いている間って、その相手のことしか考えていないし、あんなことがあったなぁとか、あれ面白かったなぁとか、アルバムをめくっているみたいで楽しい。


外に出て、可愛いレターセットを購入できて、2通だけだけどお手紙を書いて、帰りに寄ったスーパーでステーキ用の牛肉がお安くなっていた。

帰る頃には日も落ち始め、生暖かい風が歩いて少し汗ばんだ首筋に心地よかった。


人それぞれだけど、私は外に出て、何かに触れて、元気になる。
熱中症に気を付けながら、リフレッシュしていきます。

皆さまもどうぞお気を付けて。どうぞごゆっくり。


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