ここではない何処か。の夢
…知らない場所に住んでいる夢を、折に触れて見るのです。
周期的に見るのは、壁や障子が崩れて部屋と部屋とが区切られていない、半壊状態の木造アパートにいる夢です。
人の気配はなく静まり返っているのに、さっきまで誰かがいたような気配だけはしっかりあるのです。怖いです(笑)
床はゴミで埋め尽くされて、足の踏み場もない状態です。自分の物も他人の物も混ざり合って、区別できなくなっています。
自分はそれをひとりで片付けようとしているのですが、分別してもしても終わらないので、だんだん疲れてきます。
そうこうするうちに、辺りが暗くなってきます。私は戸締まりが気になるので、階下へ降りてゆきます。
階下にはどうも大家さん一家が住んでいるらしいのですが、やはり人の気配はありません。
表玄関は大家さんが使っているので、二階に住む人間は裏口から出入りするようなのです。
粗末な上にひび割れた木のドアは建て付けも怪しく、こんな所に住んでいて大丈夫なのかと我ながら心配になってきます。
誰かが侵入してきたら怖いので鍵をかけようとすると…案の定、鍵が壊れています。
うわーっ、嫌だ。変な人が入ってくる!
そう思った瞬間、怪しい二人連れがドアに取り付きます。
どうして夢って、こうならないでほしいと思うことが全部実現するのでしょうか。
彼らはものすごい形相で、叫びながらドアを開けようとします。
私は脂汗を流しながら必死にドアを押さえて、開けられまいと格闘するのです。
起きた瞬間ホッとしますが、同時にどっと疲れます(笑)
この壊れた家は自分の夢に周期的に出てくるもので、もはや馴染みの場所と化しています。またしてもあの場所へ来てしまった…と、夢の中でもわかるのです。
回避して他の場所に行ければいいのですが、夢はそこまで自分の自由にはなりません。
家の状態は、いつ来てもひどいものです。家の歪み方や散らかりぐらいが多少違うぐらいです。
裏口を開けに来る人間がいたりいなかったりが、多少のヴァリエーションでしょうか。…つまり悪夢ですね。
後々まで覚えていられるほどインパクトのある夢は、どうも悪夢のほうが多いです。
今日は珍しく、とてもきれいな場所の夢を見たので、記念に書いておきます(笑)
…ふと気づくと、自分は壁一面に埋め込まれた大きな仏壇の前にいました。祭壇と形容してもいいぐらい、とても大きなものです。
金の装飾がふんだんに用いられ、アクセントに使われたピーコックグリーンとエメラルドが鮮やかです。
日本の仏壇ではなく、東南アジアかインドのような雰囲気でした。
仏壇の中央にあったのは、なにか鳥っぽいもの…孔雀明王だったかもしれません。
部屋はとても広く、仏壇の他に家具らしいものはありませんでした。壁と床は茶色の板を貼りあわせたもので、ピカピカに磨かれています。
自分の部屋って、こんなに片付いてたっけか。
仏壇のない三面の壁には、何も装飾がありません。茶色い板壁のみです。清潔ですが、少々殺風景に思えます。絵でも飾ろうか、しばらく考えます。
ふと、他の部屋がどうなっているのか見ようと思い、仏間を出ました。
渡り廊下も、艶が出るまでよく磨かれた板張りでした。
立派な仏壇のあるリゾートホテル。端的に形容すると、そんな雰囲気でした。とても広いのに、やはり人の気配はありません。
一階には大家さんがいるはずなのですが、降りて行っても人の気配はありません。大家さんの階にも素敵な仏間があり、同じぐらい豪華で大きいものでした。
金色の光を浴びながらしばらく仏壇を眺め、きれいだなあと思いながら部屋を出ると、バスルームにたどり着きます。
バスルームにつながる部屋に入り、エメラルドグリーンの緞帳を左右に引くと、大きな寝台が置いてあります。お風呂の後は、プライバシーが確保された空間で好きなだけ休めるようになっているのです。
感激しながらなおも進むと、プールのように広い浴槽を備えたバスルームが現れました。
公衆浴場並の規模にぽかんとしていると、それまで無人だった場所にわらわらっと人々が現れます。
傍の棚にあったおしゃれなアメニティを手に取ると、そこには値段が書かれています。使っただけ、代金を払うシステムのようです。
…そうか。この場所は自分だけでなく、他の人も自由に使っていい場所だったんだ。
そこで、ぽっかり目が覚めました。
夢なので、オチはありません(笑)
稀に見る後味の良い夢だったので、どこかに記録を残しておきたかっただけなのです。
静かで清浄な空気と、金色に輝いていた仏壇の鮮やかさがとても印象に残りました。
朝の支度を急いでいると、確実に忘れてしまうでしょう。休日に見た夢で、よかったです(笑)
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