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ピーチティーとレモンティー2

「ピーチティーは?おい、ピーチティー」

「兼近くん!ピーチティーです!」

不機嫌そうに言う彼に、僕は慌ててピーチティーを渡した。

「あぁ」

不機嫌そうな表情は変わらないのに、僕の頭をポンと撫でてくれた彼はやっぱり優しくてカッコイイ。

「ん」

僕が飲みかけのピーチティーを受け取ると、彼は颯爽と人波へ向かっていった。



「ピーチティー」

「兼近くんお疲れ様です!」

あっという間に戻って来た彼にまたピーチティーを渡す。

今地面で倒れている人たちに僕は虐められていた。
内容は様々だ。
暴言やお金を要求されるのはマストで、暴力を振われることも多かった。
でも、ずっと虐められていた僕にとってはそれが当たり前だった。


「僕も喧嘩したい!」


別に復讐とかそういうことを考えているわけではない。
現にボロボロの人たちをみて少し可哀想だなと思っているくらいだ。
ただ、彼の役に立ちたい。

「お前に喧嘩は無理だべ。大人しく俺のピーチティー持ってろ」

「僕も兼近くんの役に立ちたい!」

「役に立ってるべや」

「そうじゃなくて……」

つい数ヶ月前も、この2校で喧嘩するためにここに集まっていた。
その日は彼女に振られたという人の機嫌が悪く、喧嘩する前から僕はボコボコ。
耐えることしか出来なかった僕は、いつの間にか気を失っていた。


「なくなった」

ピーチティーがなくなったみたいだ。

「買ってきます!」

「いや、もう帰るしついでに買うわ。じゃあな」


兼近くんは周りに挨拶して僕に背を向けた。

「あ!僕も行く!」

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