季色
大好きなEXITりんたろーさんが書いた記事をブチ込むだけのマガジンです🐊📝
大好きなEXITかねちが書いた記事をブチ込むだけのマガジンです🦄📝
カップ麺を食べ終え、レモンティーを飲みながらテレビを観る。 彼が頑張っている。 僕も頑張らなければ。 いつかまた会えた時のために。 そういえば何でピーチティーだったんだろ? やっぱりピンクが好きなのかな?
彼はいつものコンビニに入り、ピーチティーを手に取った。 「ん?」 僕の視線に気付いたのか、不思議なものを見るような目で彼は僕を見ている。 「兼近くんの役に立ちたい……」 あの日、気付いたら知らない部屋の中にいて、体中の怪我が手当てされていた。 驚いて周りを見ると沢山の喧嘩相手の姿があって、彼もその中にいた。 普通なら身の危険しか感じないと思うんだけど、なんとなく、本当になんとなく、あそこにいるよりは安全な気がしたんだ。 それから僕は母に泣いてお願いし、転校させてもらっ
「ピーチティーは?おい、ピーチティー」 「兼近くん!ピーチティーです!」 不機嫌そうに言う彼に、僕は慌ててピーチティーを渡した。 「あぁ」 不機嫌そうな表情は変わらないのに、僕の頭をポンと撫でてくれた彼はやっぱり優しくてカッコイイ。 「ん」 僕が飲みかけのピーチティーを受け取ると、彼は颯爽と人波へ向かっていった。 「ピーチティー」 「兼近くんお疲れ様です!」 あっという間に戻って来た彼にまたピーチティーを渡す。 今地面で倒れている人たちに僕は虐められていた
帰宅途中、ふらっと寄ったコンビニでピーチティーを見つけた。 その隣にあるレモンティーを手に取り、会計を済ませる。 ここ1ヶ月程はコンビニで選んでいる余裕もなく、栄養ドリンクやゼリー飲料をほぼ本能のままに買って体に流し込んでいた。 自宅に着いて直ぐにお湯を沸かす。 久々に日付が変わる前に帰って来られたことが嬉しくて、ストックしてあるカップ麺を開けテレビを点けた。 やっぱり今日はそういう日らしい。 いつだって彼はヒーローだ。
こんな拙い話を最後まで読んで下さりありがとうございました。 本当は去年内に終わらせる予定でしたが過ぎてしまいました。 でもなんとか終わらせることが出来て良かったです。 やっぱり私に死ネタは無理でした…(笑) 最後は少し無理矢理感ありますけど、ハッピーエンドには出来たのではないかなと自分では思っています。 お2人にはこれからも仲良く、出来るだけ長くザイマンぶっかましていてほしいですね。 改めて本当にありがとうございました!! 季色
あの日、兼近が動いた時は正直何も考えていなかった。 でも、咄嗟に体が動いていた。 間に合った自分を心の底から褒めたい。 本当に良かった。 本当に。 お後がHere we go‼︎
細く少し掠れた声で俺を呼び、ホッとしたような笑みを浮かべながら涙を流すりんたろーさん。 俺のせいで死にかけたっていうのに…… 意識不明の重体で一週間も目を覚さなかったことを伝えると、りんたろーさんは「そっか」と短く返事をして、その間にみていたという夢の話を始めた。 どうやらその夢の中では俺が死んでいたらしい。 「だから本当に良かったよ、兼近が生きててくれて」 「俺が今生きてるせいで、りんたろーさんは一週間も生死を彷徨っていたんですよ?分かってます?」 「言ったじゃん、
「まだしばらくは入院して頂くことになりますが、もう大丈夫ですよ」 「良かった!!」 「もうダメかと……」 「りんたろーさん……」 「りんちゃん良かった!」 優しげな知らない声と、安堵したような幾つかの知っている声。 そして1番に視界に入ってきたのは、滅多に泣かない兼近の泣き顔だった。 「兼近……?」 「りんたろーさん!なんでっ…本当に良かった……」 そっか、兼近生きてたんだ。 「良かった……」
「っ!!」 「今動いた?」 「やっぱり動きましたよね!?」 「誰か呼んでくる!」 「りんたろーさん!分かりますか!?りんたろーさん!」 兼近……?
Yo!葵…… 出囃子が鳴り、音に合わせ勢いよく舞台に出て行くと拍手が起こり一気に気持ちが高揚していく。 「りんたろーと!」 「かねちーで!」 「E〜XITです!シクヨロです〜!」 「よろたのです〜」 38の前に立ち、一年ぶりにしたお決まりの挨拶。 目の前にいるお客さんの中にジッターだった人はいるのだろうか。 本当は、俺らを応援してくれていた人皆んなに見てもらいたい。 そんなことしたら色々と大変なことになるからしないけど。 ここにはいない俺らのファンへの申し訳なさ
本番10分前。 客席もほぼ埋まり、会場が狭いせいでお客さん同士の会話がちらほら聞こえてくる。 そして同時に、もぎりをしてくれている兼近の声も聞こえてくる。 既にお客さんにも兼近が見えているらしい。 「ここにいるお客さんも、もっちーとバイザウェイが集めてくれたの?」 「いや、俺らが集めるって言ったんすけど、兼近一人でやってくれました」 「へぇ。もう兼近のこと見えてるみたいだから、どうなってんのかなって思って」 「あぁ!ここにいるお客さんはみんな兼近と同じなんすよ」 「
16時、もっちーからLINEで送られてきた住所へ向かうと、芸人なら全員が知っている場所に着いた。 それこそ俺たちEXITが爆売れ中、M-1でやるネタを試したくてこっそり兼近と出たという思い出もある場所だ。 なちぃ。 「さすがにここ見ただけでは泣かないですか?」 兼近がニヤニヤしながら言ってくるから、頭を軽く小突く。 泣いてなんかいられないだろ。 せっかくまた兼近と漫才出来るんだから。 楽しまなければ勿体ない。 中に入ると、もっちーと小澤がいて挨拶された。 この二人に会
兼近がプリンを食い終わった頃には俺の涙も止まり、とりあえずブラッシュアップした2本をやってみた。 ネタ合わせをしているだけで楽しくて、幸せ過ぎて、頭までおかしくなりそうだ。 まさか、またこうして兼近とネタ合わせが出来るなんて… 「よくそんなに涙出ますね」 「君のせいだけどね!」 兼近に貰った俺の人生は、兼近が居てくれなければ成立しない。 いや、今は生活出来てるから成り立ってはいるのか。 でも、楽しくない。 「ほら、続きしますよ」 「そういえば、漫才いつやんの?」
「りんたろーさん、ネタ出来ました?」 昨日言っていた通り、兼近は昼の12時を回った頃に戻ってきた。 3本新ネタをとも思ったけど、今からじゃ覚えられないだろうから新ネタは1本にして、2本は既存のネタをブラッシュアップした。 「新ネタ1本と、ブラッシュアップしたネタ2本出来たけど…」 スマホを渡し、兼近に3本のネタを見せる。 「この新ネタ、マジでオモロいっすね!!これとこれも更にオモロくなってるし、早くやってみましょう!!」 キラキラした笑顔を浮かべそんなことを言ってく
この1年、タワマンでの生活が維持出来るくらいには仕事を頂けていて、本当にありがたく思っている。 それでも漫才の仕事だけはこなくて、漫才がしたくて仕方がなかった。 勿論、兼近不在なのでどうしようもないことだと分かってはいる。 漫才は相方がいなければ出来ないのだから。 俺は今でもEXITで、俺の相方は兼近しかいない。 この1年もずっと、EXITのりんたろーとして活動してきた。 それはこれからも変わらない。 だからこそ他の誰かではなく、兼近と漫才がしたい。 無理だと分かっていながら
1年もこの状態でいるから、一生このままなのかと思っていた。 でも今日初めて眠気を感じて、もう直ぐこのままじゃいられなくなるんだと、確信はないが感じた。 ファンの子の夢に出まくっていた時も、りんたろーさんを観察していた3日間も、1度だって眠気を感じなかったのに今日だけ感じたということは、きっとそういうことなんだろう。 あ、俺が死んだのいつだっけ? 「りんたろーさん、俺が死んだ日っていつでしたっけ?」 「は?君の命日は明日」 眉間に皺を寄せ、表情を険しくしたりんたろーさん