ギロチン処刑されにバーチャル世界に飛び込んだらDJになっていた話
今年(2021年)はじめたVRChatにドハマりした男による一年の振り返りです。
VRChatで出会った人には自分の経歴を、VRChatを始めていない昔なじみにはぼくがVRChatで何をしているかを、それぞれお伝えできればと思います。
VRChatをはじめたきっかけ
ある日ネットサーフィンをしているとこんな記事を見かけました。
「VRでギロチン処刑を体験できる……?」
「メタバㅡス」という言葉が生まれた今でこそ、仮想世界での非日常体験というのは珍しくないですが、当時の自分にはとても未来的で衝撃的な記事でした。
それも臨死体験という、仮想世界でなければおよそできないような体験を味わうべく、上の画像のとおり仲間内のDiscordサーバに記事を投稿して同行者を募集。ぼくを含めみなヘビーゲーマーで全員HMDはすでに持っていたので、早速VRChatをインストールして皆で突撃しました。これがVRChatとの最初の出会いです。
VRChatを再びはじめたきっかけ
上述のとおり2020年の1月にはVRChatを始めてはいましたが、当時はギロチンにかけられた後、すぐに遊ぶのをやめてしまいました。何か理由があってやめたわけではなく、続ける理由がなかったからですね。
今でこそ多くの知り合いがVRChatをプレイしているのでずっと遊んでいますが、当時は知り合いは一人も遊んでいませんでした。自分は根が非社交的なうえに基本的にマイクも使えないので、知らない人(=怖い)しかいないPublicには行けず、当然何らかの交流イベントにも参加できないので、そのままフェードアウトしたかたちです。
そうして丸1年が過ぎた2021年の正月。Twitterをポチポチしているとこんなツイートが流れてきました。
「あのFunkotがバーチャルクラブで聞ける!?!?!?」
このときの衝撃たるやもう、天地がひっくり返るかと思いました。
Funkot(ファンコット)の解説は色んな記事があるので詳細は割愛しますが、簡単に説明するとインドネシア生まれのダンスミュージックで、他のジャンルと比較すると日本では愛好家がそこまで多くありません。
ぼくは本当にFunkotが大好きで、だいたい2010年過ぎくらいに『東方Project』の楽曲をFunkotにアレンジしたもの(いわゆる「東方アレンジ」)で初めて知り、そこからドハマりして以来、細々と一人で聞いていました。周りにこのジャンルの愛好者は居なかったので、誰かと「この曲いいよね」という話もできず、前述の通りアンチソーシャル人間なのでクラブにも行きたいものの怖くて行けず……(学生だったので年齢の都合もありますが)
そんなFunkotがバーチャル空間のクラブで聞けるらしい、しかも単発のイベントではなく毎週開かれているらしい……
その場で即座にVRChatを再インストールして、イベントの開催日を待ちわびていました。
そしてイベント当日。自分は当然まだVisitorなうえに、ワールド?インスタンス??Friend+???と何も分からないハテナまみれ状態ながらも、なんとか演者の方へフレンドリクエストを送り(このときもホントに怖かった)、デフォルトのロボットアバターでJoin。他の人の迷惑にならないよう、最後列に潜り込み、一歩も動かない地蔵と化しました。
※少しでも動いたら殺されると思っていました。いや冗談抜きで。
ほどなくしてプレイ開始。聞いたことのある(なんなら自分も持っている)トラックが次々にかかり、それに大盛りあがりするリスナーたちを見て、ようやく自分の居場所が見つかったような感覚になったのを覚えています。いままでは家で独りで聞いていたFunkotを、ここでなら皆と一緒に聞いて大盛りあがりしていいし、この人たち相手ならFunkotの話をしてもいいんだと。その時演者のお一人が、自分がこのジャンルにハマるきっかけにもなった東方Funkotアレンジオンリーでプレイされていたのもなんだか縁深いものを感じたのを覚えています。
そこからはイベントに毎週必ずお邪魔するようになり「みんなオシャレしている中でずっとデフォルトのロボアバターで行くのもな……」と初めてアバターを購入したりしていました。ちなみに上の画像のとおりぼくの初アバターは薄荷ちゃんです。かわいいね。この時点ではVRChatはまだ「週に一回起動してDJイベントに参加するためだけのツール」状態止まりでしたし、周囲でプレイしているのもぼく一人でした。
VRChatに徐々にハマりはじめる
そうして半年弱が経った2021年の5月ごろ、ぼくの古巣(『Team Fortress 2』という対戦FPSゲーム内のとあるサーバ)の知り合いたちが、一人また一人とVRChatを始めだしました。理由は特にない……はず。純粋な人間の性として、人が集まりだしたので俺も俺もと続いていったんだと思います。もともとは皆TF2というゴリゴリの対戦FPSの出身ですが、一部はPSO2に流れ、そこで何をするでもなくだらだらとチャットしていたりもしたので、VRCは性に合ったんでしょうね。どちらも別に何を話すでも何をするでもなく、みんなでワールドを巡ってそこで過ごすだけで楽しいゲームなので。
よく「VRChatで何してるの?」と聞かれますが、本当に何もしていないんですよね。知り合いみんなで素敵なワールドに行く、そこで過ごす、それだけです。たまにゲームをする、一緒に動画を見るとかはするものの、基本的には同じ空間で同じ時間を過ごすだけです。ぼくを含めほぼ全員が無言勢なのでボイチャでおしゃべりをしてるわけでもなく…… こう書くとつまらなそうに感じるかもしれませんが、気心の知れた人間と同じ場所にいるというのはそれだけで楽しくないですか?それを実現してくれるのがVRChatです。
VRChatでDJになる
そうしてフレンドと夜な夜な遊びつつ、上述のDIDVをはじめ気になった音楽イベントに通う日々を過ごして夏になったころ、DIDV主催のRaceさんに、DIDVに出演しないかとお声がけをいただきました。曰く、以前ぼくが非Funkotter(=Funkot愛好者)向けに録ったショートMIXを聞いていただいたらしいとのこと。
この頃、DIDVに通いだしたのをきっかけにFunkot愛が抑えられなくなり、Funkotの元ネタ記事を書いたり、DJさんの見様見真似でMIXを録ったりしてすごしていました。そしてそのうちの一つをお聞きいただいた……という次第だそうです。
DJ技術は当然トーシロ、リアルのクラブに行ったこともない、アンチソーシャルで人前に立つのも一苦労……という状態だったので非常にテンパりましたが、せっかくの嬉しいお誘いを無下にするわけにもいかず、Funkotを知らないフレンドたちに布教する機会にもなるしと出演を了承しました。
それにずっとDJを聞かせてもらっていた側だったので、こちらからも何かお返しができれば、ぼくからもシーンを盛り上げられればという気持ちもありました。
それでもまさか、自分がブースの向こう側に立つ機会が巡ってくるとは本当に考えていませんでした。
VRChatでDJになったあと
そしてこの日来てくれたフレンドの一人がVRクラブイベントの楽しさを知って通うようになり、さらにはDJコントローラーを買ってくれました。
すると他のフレンドも続々と買いだし、週に一人は誰かがDJを始める異常事態に。
いまでは自分含め9人、DJコンなしでDJを始めた猛者も含めれば10人がDJをはじめました。きみら財布の紐どないなっとんねんそうしてぼくを含め同時期にDJを始めた身内で集まり、ほぼ毎週イベントを開くようになり、朝まで大暴れしています。
自分のDJがきっかけで~と言うにはおこがましいですが、少なくとも自分の出演がきっかけでVRクラブイベントの楽しさ、DJの楽しさを多くのみんなに知ってもらえたのは本当に嬉しいです。なんならこれがきっかけで作曲を始めた人もいるし、中にはほぼ人生の伴侶のような存在を見つけた人もいるし、こんなバタフライエフェクトあるんだってちょっと怖いくらい……
さいごに
※ここだけ2024年に追記
ぼく自身も、人見知りを克服してもっと色んな人とお話していきたい、とくに縁あって知り合えた人たちともっとお話したいです。
致命的に口下手すぎるだけで人とお話したり交流するのは全然大好きです。
うそじゃないよ……ほんとに……
最後にいつも色んなお誘いをしてくれる皆さん、ありがとうございます。人を誘うのがヘタすぎて「この人とお話ししたり一緒に遊びたいけど、予定があるかもしれないし、他にもお話ししたい人がいるだろうし、こちらからお誘いするとご迷惑かな~」と思ってなかなか行動に起こせないので、お誘いいただけるのいつも本当に助かってます。ちゃんと面と向かって言ったほうがいい内容だと思いますが、まずはここでお伝えさせてください。
そんなところです。
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