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PMが『BUILD』の第25章「PMの存在意義」を読んで心に残ったこと

25章だけ読んでも買ってよかったなと感じた本だったので、内容を簡単にまとめています。

PMがどんな仕事をするのか端的に説明されています。私もプロダクトマネージャーとして働いているのですが、自分の行動指針になるような内容に溢れていました。また、PM本人だけでなく、PMに関わる人も参考になる内容だと思います。

この25章だけでたくさんハイライトが残っているのですが、特に印象に残った抜粋コメントをいくつかご紹介します。

プロダクトマネージャーの役割とは、プロダクトにどんな機能を持たせるかを決め、仕様(プロダクトがどのように機能するか)やメッセージ(顧客に伝えたい事実)を作成する。それから社内のほぼすべてのチーム(エンジニアリング、デザイン、カスタマー・サポート、財務、セールス、マーケティングなど)と協力しながらプロダクトの仕様を詰め、開発し、市場に送り込む。その過程でプロダクトが当初の意図を外れないように、骨抜きにならないように目を光らせる。だが何より重要なのは、プロダクトマネージャーは顧客の代弁者であることだ。各チームが顧客を喜ばせる、満足させるという究極の目標を見失っていないか、常に目配りしなければならない。

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優れたプロダクトマネージャーはさまざまな機能を少しずつ、そして次に挙げた任務の大部分を担う。  
・プロダクトがどのような機能を持つかを定義し、長期的にどのように進化させていくかロードマップを作成する。  
・メッセージング・アクティベーション・マトリクスを作成し、アップデートしていく。  
・エンジニアリングチームと協力し、仕様通りにプロダクトをつくる。  
・デザインチームと協力し、ターゲットとする顧客がプロダクトを直感的に使える魅力的なものに仕上げる。  
・マーケティングチームが消費者にメッセージを伝えるための効果的なクリエイティブ素材をつくれるように技術的詳細を理解させる。  
・プロダクトを経営層に見せ、幹部からフィードバックを受ける。  
・セールスや財務チームと協力し、プロダクトの市場性を確かめ、最終的に収益化する道筋を確認する。  
・カスタマー・サポートと協力し、必要な説明資料を作成し、問題に対応し、顧客からの要望や苦情を把握する。  
・PRと協力し、世間の反応を確かめ、プレスリリースの草稿を書き、広報担当の役割を果たす。

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それに加えて、もっと曖昧な業務もたくさんある。プロダクトマネージャーは顧客がどこに不満を感じているかを探る。仕事を進めるなかで問題を発見し、その根本原因を探り、チームと協力しながら解決していく。プロジェクトを前進させるために必要なことは何でもやる。会議で議事録をとるところから、バグの深刻度の判断、顧客からのフィードバックのまとめ、チームの文書の整理、あるいはデザイナーと一緒に何かの図面を引いたり、エンジニアとミーティングを開いてコードを確認したり。やるべき仕事はプロダクトごとに違ってくる。

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グレッグは単に顧客を理解するのではない。自ら顧客になりきる。プロダクトを隅々まで知り尽くしているのに、そうした知識をすべて捨て去り、素人のように、一般人と同じ目線でプロダクトを使うことができる。顧客の話に耳を傾け、そこから洞察を引き出し、顧客のニーズに共感し、日常生活のなかで実際にプロダクトを使ってみるというきわめて重要なステップを省こうとするプロダクトマネージャーは驚くほど多い。だがグレッグはこれに勝る方法はないことを知っている。

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顧客を抜きにした数字は空疎であり、コンテキストを抜きにした事実には意味がない。グレッグは常にコンテキストを理解し、それを説得力のあるナラティブへと転換することができた。そのおかげでスティーブを説得することができた。スティーブだけではなく、記者も、顧客も。そのおかげでiPodは売れたのだ。

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「なぜ」「何を」つくるかという問いの答えを見つけるのは、プロダクトをつくるうえで一番困難な作業だ。そしてこれは誰かが一人で見つけるべきものではない。プロダクトマネージャーが勝手に決めて、他のチームに押し付けるものではない。社内のあらゆるチームが関与すべきだ。

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プロダクトマネージャーの仕事はエンパワーメント(権限移譲)だ。メンバーに顧客ニーズのコンテキストを理解させ、ともに正しい選択を探る。

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だからプロダクトマネージャーは交渉とコミュニケーションの達人でなければならない。メンバーに有無を言わせぬ管理をしたりせず、それでいて影響力を持たなければならない。メンバーにさまざまな問いを投げかけ、その話に耳を傾け、顧客やチームへの共感能力を駆使して、チームの進路に必要な橋をかけ、ロードマップを修復していく必要がある。

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このような人材を探すのは本当に難しい。彼らは一見矛盾するような資質を持ち合わせている。論理的思考能力とビジョナリーなリーダーシップ、強い情熱と粘り強さ、社交性と同時に技術への強い関心も持つ。エンジニアとコミュニケーションができ、マーケティングもわかり、ビジネスモデルや経済性、収益性、PRにも目配りできる。押しは強いが笑顔を忘れず、譲ってはいけないときと譲るべきときをわきまえている。

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なんというか、この章はPMの背中を押してくれる、元気を与えてくれる、そんな印象がある内容でした。


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