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「ファミレスを享受せよ」やったよ(※ネタバレを多分に含みます)

 めちゃくちゃ久しぶりにゲームやりました。といってもフリーゲームなんだけどね。ジャンルとしては短編アドベンチャーゲームとあるけど、ほぼノベルゲーって感じかな?
 好きな配信者がやっているのをちらっと見て、イラストとキャラデザが超超刺さったからすぐブラウザバックしていつかやろうとためていた。んでバイト中仕事が無くて不完全燃焼だった1日を〆るために始めたら、もう朝。
くぅ〜疲れましたw 

以下ネタバレ(プレイ画像)含めた感想 結構オチとかまで書いてるからマジでプレイしてから読むか、読んで後悔してね



























王さま好き

ゲーム性等


ゲーム性

左クリックのみで完結するため非常にシンプル。だが、謎解きというレベルではないが多少のギミックを含む場面があるので時間は奪われる。やることはそこまで多くないため詰まりはしないはず。

グラフィック(デザイン)

非常によい。線が均一であっさりとした画風ではあるものの、意外と構図がダイナミックであったりする。(映画らしい、カメラを感じた)

テキストをキャラのそばに、漫画の吹き出しのように配置しているのでとても読みやすいうえ、一度に表示される文量が少なくテンポが良い。

また画面に占めるキャラクターの割合が少なく(主に下半分・手前が広く空いている)、テーブル越しに会話しているシチュエーションを大事にしているのも没入感に貢献している。

イエロー(限りなくイエローに近いカーキかも、色の知識に乏しい)・ブルー・ネイビー・ブラックとまあ月以外に何を連想すればいいのか分からないほど画面は月色で、珍しい色彩構成なんじゃないかな(他ジャンルにおいても例が思い浮かばない)。
目に優しい画面だからこそ不意な演出に心を動かされる。

https://www.youtube.com/watch?v=FPhJgjJ4u2c

サウンド

全体的に良い。展開が少なく同じフレーズ反復される通常BGM(2〜3通りかな?)は、ただ単調に時間の過ぎゆくこの世界に非常にマッチしている。暗号総当たりの際のBGMとかめっちゃいいよね、マリオ64の無限階段的な。

 6曲目テーブルを囲んでは唯一リアルファミレスちっくな曲、つまりジャズ調なポップスでこれだよこれ!感が強い。ここでこのザ・ファミレス曲を出してくるのかとかなり感動した。

 またSEはすこし斬新だが眠たい雰囲気には良いアクセントかつテンポキープ的の役割を果たしており◯。 左クリックしか操作できないゲームだからこそ、そのSEの気持ちよさは群を抜いている。

世界観

…めちゃ良~~~~~~。まずさ、半永久の時が流れるファミレスに、漂流者5人(全員顔とキャラが良い)とか設定の時点で圧勝でしょ。ディティールについては把握しきれていない(恐らくしなくてもいい)ため割愛。

ストーリー

…システム上プレイ中の整理は難しいが意外と構造はシンプル。全員が達観しているためオーバーリアクションこそないが、所々に(主にテキストの内容と速さ)感情の機微を潜めさせており、それらを彼らの物語と切り離すことはできない。

キャラクターについて

ガラスパン

 闇が深そうで意外と浅い、常に仕事に疲れてるお姉さん。ラテラの存在(いつから認識していたのか)についてはあまりスッキリしてないけど、ファミレスに着いてからってことでいいのかな?(EDで同僚が把握してなかった様子なので)
 疲れた顔つき(特に目)をしてるけどどこ柔らかな印象を覚えるのは、根のサッパリした人柄のせいかも、好きです…(告白)
 あと名前が良すぎる、正直セロニカとツェネズは覚えるまでに時間がかかったけどガラスパンは1発で覚えた。おれもガラスパンに改名するわ。

管理人/ツェネズ

この時の姿を知った後だとかわいい

 本当に愛すべきキャラですよね、一部この子の優しさや健気さが招いた悲劇のようだけど、実はそこまで大した問題はないっていうところも可愛らしい。コーヒーのお願いをした時も、勇気を振り絞ったんだなと思うと可愛くて仕方がありませんね。真EDで卓を囲んだときの表情も小動物みたいで可愛かった、好きです…(告白)

王さま/レイルロード・スパイク

 や、王さまガチ好き〜〜〜〜〜〜〜。まずデザインが素晴らしい、(比較的)コロコロ変わる髪型がどれも良い、ずっと目を瞑っている余裕と優しさがいい、セリフがどれも渋くていい。そして人間性ね、王の器ばいこれが。
好きです…(告白)

処刑人/セロニカ

 作中唯一の男性キャラ。顔が良すぎる。ビジュは王さまと並んで一番好きです。意外とこの中でも人間味があるほうだったよね、少なくとも主人公よりは、いや、逆に主人公ほど人間味があるキャラはいないかもしれないけど。
 今思えばこの構図すごくいいですよね、右にある月はあの月かもしれないんだし、悲しげな表情と影が思わせぶりだよね。好きです…(告白)

クライン

 ほんとこの人好きです(顔も服もいいし)、諸々のエピソードの中で、この子が関わる王さまの過去が一番好き。

EDについて

 大きく分けて2つ、細かく言えば3つのEDがありますね。もちろんどれも好きなんですけど気に入ってるのは一番何もしないEDのやつ。王に薬も飲ませないし、過去も見ずにトークンを渡すやつアレ。1週目は飲み物を移動して飲むって発想がなくて普通に見逃し、薬を渡す勇気もなかった。なぜ気に入ってるのかというと、ゼルダの伝説ムジュラの仮面の牛泥棒から牛を守るイベントあるじゃないですか、あれを守れなかった時に迎えるEDの無力感に似てるなあと思ったんですよね、ワシそういうのめちゃ好きやねんな。

 で正規?EDはもちろん最高だし。王さまが「伝説の続きが気になる」とか、「その小説の日常パートが美しかった」っていうのは作者の本音なんだろうなと。エンドロール後にその後(ガラスパンと主人公の日常パート)を満遍なく描き、王とクラインについては可能性をキャラに語らせることで、ある程度方向性を持った含みを持たせる、本当に上手ですよね。これも作者のやりたかったことの一つなんだろうなと。自分も映画でだとエンドロール後にワンカットぐらいあるのではないかといつも期待してしまうし、漫画の巻末のおまけやあとがきに重すぎる感情を抱いている。結局物語がどうなるかよりも、それまで・その後にキャラがどう生活し関わっていくのかが一番気になりますよね。プレイしながら勝手に作者のことを分かった気になっていました。

まとめ

 や〜〜くそよかった。くそよかったねガイズ。
 一見雰囲気ゲーっぽいけど、実はそうじゃない。と思わせておいて究極の雰囲気ゲーでもある。結局このゲームの核は、ことの顛末よりも様々な条件(ゲーム性に挙げた全ての作者のこだわり)によって初めて成立するこの雰囲気と、キャラクターなんだなと個人的に思ってます。
 作者(Twitter@oissisui)は新作を鋭意作成中で、とても楽しみですね。無料ゲーしか作らないのかな、とてもありがたい作品なので、何らかの形で作品を販売されることがあれば是非購入したい。まじでありがとうゲームだった。


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