美人とすれちがうときにチラッと見ちゃう男は絶滅したほうがいい。
男性は2種類に分かれる。ひとつは道ゆく美人を見てしまう男。もうひとつはたとえどんな美人が現れたとしてもまったく見ない男。
男性2人で会話をしながら道を歩くシチュエーションが好きだ。
なぜならとなりの男性が美人をチラリと見るか見ないかを観察できるから。友人でも仕事関係でもだれでもいいのだが、ある男性の「誘惑への強弱」を判別するとき、すれちがう美人を見るか否かを観察することは格好の判断材料になる。
私たちが会話をしながら歩いていると前から美人が歩いてきたとする。前方に美人(っぽい人)を確認すると、私は会話をしながらとなりの男性の視線に意識を集中させる。その人が美人をチラッと見るか見ないかを観察するのである。
26歳のときにいた会社では歳上の部下が2人いた。2人は対照的で、個人の主観が入ってしまい恐縮だが、一方は信頼できる部下で、もう一方は信頼できない部下だった。
おもしろいもので2人の部下が美人とすれちがうときの反応は正反対だった。
信頼できる部下は美人とすれちがっても見ることはなく、信頼できない部下は美人をまじまじと見つめるのである。
私はまじまじと見つめる部下を内心「きめぇな」と思っていた。誘惑に弱く、自制心のない人間は性別を問わず信頼することができない。誘惑に弱いヤツは即日出家したほうがいい。
では、私という男はどうか?
今日の午前中、ひとりで車を運転していた。
札幌の中心地で信号待ちをしていた。道路は片側3車線。信号待ちの車両最前列に私。目の前の横断歩道をみるとさまざまな人が歩いている。
ふと、ある男女が私の車の前を横断する姿が目にとまった。男女ともにゴルフ帰りのような服装をしている。ご苦労なこった。女性は短いスカートをはいて、ヒザまで伸びたソックスが印象的だ。
もちろん見つめた。くそっ。
男女が横断歩道を渡り切る。すると札幌の夏のそよ風が女性を襲った。彼女のスカートがマリリン・モンローのようにひらりと舞った。純白のパンティがあらわになり、そよ風は薫風となる。
残念なことに見つめた。クソったれ。
私のとなりにはタクシーが同じように信号待ちをしていた。運転手は60代風のツルッパゲのおじいさんだった。
おじいさんの視線の先を見ると、彼もまた薫風モンローパンティを見つめている。海賊が宝を発見したときのような恍惚とした表情であった。信頼できない野郎だ。
誘惑への強弱。自制心のない人間は性別を問わず信頼することができない。
……出家しようかな(しない)。
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